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 緑のタオルマフラーが舞う中、屈辱と向き合った松本の夜から2日後、クラブは決断を下した。トニーニョ セレーゾ、解任。アントラーズは、石井正忠新監督の下、再起を期すことになった。今夜は、新体制での初陣だ。カシマスタジアムに、FC東京を迎え撃つ。
 指揮官の交代から、5日目で迎える今節。「選手が能力を出し切れていないところがあるので、そこを引き出していきたい」と語る石井監督は、2日連続での紅白戦など、実戦形式のトレーニングを繰り返しながら、チームの輪郭を描いていった。当然ながら、いきなり完成形へと到達するわけはなく、セレーゾ前監督が培ったベースを踏襲したアプローチとなる。その中でも「今までは主力組でプレーをしたことがない選手もいる。メンバーに加えた時に、その選手がどうなるのか見てみたかったというところもある」と、様々な組み合わせを試した。赤崎は「数人ごとのユニットという単位で、メンバーを試している印象を受けた。選手の組み合わせを変えながら、攻守両面を良い方向へ持っていこうという感じ」と、感想を語っていた。
 限られた時間の中で、「まずは守備からという意識が強い。ファーストポジションを大事にしている」(山本)と、まずは土台作りに腐心した。とりわけ、両サイドバックの重心の置き方が以前とは異なると、山本は言う。どのような変化があるか、注目してほしい。
 トレーニングの雰囲気は、目に見えて変わった。以前にも増して活気にあふれ、「細かく指示が出ていると思う」と中村が言えば、遠藤は「石井さんは選手とのコミュニケーションをすごく大事にしている。疑問点があれば、すぐに石井さんや剛さんに聞いている。すごく良い雰囲気だと思う」と、頷いた。そして何より、「チームのためになるように、1人1人が働きかけることができていると思う」と土居が言うように、各々がチームを盛り上げていこうという意欲を示していた。競争意識が形となって現れ、攻守の切り替えや球際の強度も確実に向上した。石井監督は「このような雰囲気は今までにはあまりなかったので、プラスに働くと思う」と、手応えを示している。
 アントラーズの全てを知る新指揮官は、「勝負にこだわるチームを復活させる」と、抱負を語っている。「戦う姿勢を見せたい」。その言葉通りの姿を披露した時、その先に勝利が待っているはずだ。

 さあ、新たな一歩を踏み出す時が来た。ファミリーが一丸となって、勝ちに行こう。

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