今日の注目プレーヤーは、本山雅志!

 7月22日、石井監督の指揮下で臨んだ2日目のトレーニングで、紅白戦が実施された。新指揮官が並べるメンバーに注目が集まる中、ピッチの中央にいたのは、背番号10だった。その翌日も、主力組の司令塔に君臨していたのは、本山雅志だった。

「やらなければいけないことはたくさんあるけど、良い感じで来ていると思う。細かい部分への要求や、選手個人が考えることが多くなってきたから、新鮮に感じる部分もある。セレーゾ監督が培ったベースも取り入れているし、うまく融合しながらやっていければと思う」
 アントラーズ一筋18年目、百戦錬磨のベテランは、「競争意識が出てきていると思う。それを継続してやっていくことが大事」と、評する。その視線は、常にチーム全体へと向けられている。「トレーニングの中から厳しくプレーをしても、ケガ人がいない。これはすごく良いこと。切り替えが速いし、負荷も強いし、試合を想定した練習をできているからね」。自らの経験に照らし合わせ、手応えを掴んでいる。

 激しさを増すポジション争いの中、新指揮官の初陣で先発の座を射止めれば、リーグ戦では2013年5月18日以来、798日ぶり。ジーコ氏が来場し、遠藤と中村、そして大迫のバースデーゴールで名古屋を破った、あのホームゲーム以来だ。
 本山のプレーについて、今さら説明は不要だろう。「約2年ぶりに先発か――」。背番号10の輝きを知る者は、その見出しだけでワクワクしてしまう。ピッチでどんな魔法をかけてくれるのかと、ただただ夢想してしまう。練習で見せるトラップ1つから、そのプレーは異次元の域にある。シャルケ04の内田篤人も先月帰国した際、「やっぱり、モトさんはうまいよね…」と、実感が込められた口調で語っていた。

 期待感が高まる中、前日練習を終えた本山は「メンバーは監督に聞いて。先発かどうか、わかんないからね。ピッチに立った時に、要求されたことをしっかりとやっていくだけだよ」と、色めく周囲を制するように、淡々と語っていた。
 大事なのは誰が出るかではなく、チームが勝つこと――。そう言いたげに、クラブハウスを後にした本山。それは紛れもない本心だろうが、最後に、先月20日の誕生日を前に語っていたコメントを紹介したい。

「監督が決めることだけどね。コンディションを整えているし、今年は状態が良いよ。試合に出た時にしっかりとプレーしたい。もっと試合をしたいよ」

 アントラーズのクリスタル。試合への渇望を、今夜のピッチで。存分に。

試合前コメント

試合に臨む選手たちの意気込みは「試合前コメント」をご覧ください!
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