今日の試合のみどころを読む!

 90+4分、土居聖真。90+6分、遠藤康。4日前、新潟の夜に用意されていたシナリオは、ホームチームにとっては酷なものだった。3-2。ステージ初戦を制したのは、アントラーズ。そして今夜、新潟で掴み取った3ポイントに真の価値を吹き込むための、重要なホームゲームを迎える。
 新潟戦、セレーゾ監督が「今日、プレーをしていたのは相手だけだった」と振り返ったように、試合を通じて相手に主導権を握られてしまった。先制直後に同点に追いつかれ、前半のうちに逆転を許す展開。そして後半も、より多くのチャンスを作り出していたのは新潟の方だった。結末は確かに「劇的」だったが、不甲斐なき90分間を思えば、その形容がふさわしいとは言い難い。
 選手たちも「修正点、反省点が多い試合」と、口々に語った。後半から出場した遠藤が「相手に合わせて、長いボールを蹴る回数が多すぎた」と言えば、土居も「ロングボールが多くて、選手間の距離も離れていた」と、口を揃える。試合を通じてボールが収まらず、バタバタと浮足立っていた印象は否めない。中3日で迎える今節は、安定感のある試合運びを見たいところだ。小笠原や青木といったベテラン勢だけでなく、チームに落ち着きと秩序をもたらす存在の出現に期待したい。
 今夜の相手である清水は、1stステージを最下位で終え、2ndステージ初戦では、ホームで神戸に0-5と大敗。目下4連敗中で、年間順位でも最下位に沈み、正念場を迎えている。死に物狂いで立ち向かってくるだろう。受け身になることなく、しかしバランスを崩すことなく、主導権を握りたい。清水はここ4試合で11失点と、守備に難がある。神戸戦では、サイドの攻防で後手を踏み、失点を重ねていた。両サイドハーフが起点となり、ピッチを広く使った攻撃を仕掛けることで、突破口が見えてくるはずだ。
 新潟戦での勝利は、諸手を挙げて喜べる類のものではなかった。ただ、「1stステージでは、内容が良くても勝てていなかった。どんなに悪い試合をしても、勝ちは勝ち。これを良いきっかけにしないと」と、土居は語っている。“悪いなりに勝てた”ことは大きな意味を持つ。あの勝利に、真の価値を吹き込むためにも、今夜はアントラーズらしいサッカーで、勝たなければならない。

 1stステージでは、一度も連勝することができなかった。ならば今夜、ここカシマスタジアムで。重要な90分が始まる。

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