今日の注目プレーヤーは、昌子源!

 10日前のカシマスタジアム。「ENCORE supported by JIM BEAM 中田浩二 柳沢敦新井場徹 合同引退試合」の余韻が残るピッチで、昌子源は秋田豊の隣を歩いていた。背番号3の継承者が、先代のレジェンドから、教えを乞うていた。

「秋田さんから、“頑張れよ”と、言ってもらいました。“鹿島の3番は、自分で点を取って、それを守り切るんだぞ”って」
 自分で点を取って、それを守り切る――。4日前の新潟戦、昌子はそのミッションを半分だけ遂行できた。30分、小笠原の左CKに反応すると、打点の高いヘディングシュートをゴール左隅へ。今季リーグ戦2ゴール目は、貴重な先制点となった。「トリックプレーをしようかという話もしていたけど、相手がそれを予感しているようだった。だから咄嗟の判断で、普段は取らないポジションに入った」と、昌子は述懐する。瞬時の対応力が生んだ、会心のゴールだった。

 しかしその直後、指宿のミドルシュートがアントラーズのゴールに突き刺さった。1-1。“守り切る”どころか、数十秒でリードを失ってしまった。「点を取った後の試合運びに課題が残った」と、昌子は唇をかんだ。
 新潟の夜は、昌子にとっては不甲斐ないものだった。「指宿さんへの対応に手を焼いたことで、苦しい展開を招いた。いろいろな駆け引きをしてきて、やりにくさがあった」と、2m近い長身FWとの対峙を振り返っている。だからこそ、「同じことを2試合も続けるわけにはいかない。あの試合で学んだことはいろいろあったし、一度やられたことは、二度とやらせない」と、今節での奮起を誓った。

 今夜の相手は清水。昌子にとっては印象深いチームだ。2012年11月3日、ヤマザキナビスコカップ決勝。ジョルジーニョ監督に抜擢され、左サイドバックとして先発出場した。清水のエース、大前とのマッチアップに挑み、しっかりとシャットアウト。優勝に貢献した。
 今夜も、清水の背番号10と激しいバトルを繰り広げることになるだろう。「今年の開幕戦のようなミドルシュートもあるし、パスもドリブルも、何でもできる。怖い存在だし、良い選手」と評するが、無論、負けるつもりはない。

 3月8日のリーグ開幕戦、昌子は負傷のため、ピッチに立つことができなかった。1-3での敗戦をテレビで見届け、悔しい思いを味わった。ならば今日は、自分の力で。ゴールを、アントラーズを、守り切ってみせる。

試合前コメント

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