FCソウル、5月5日。思い出されし2つの記憶。

 アジアの舞台で、韓国勢と幾多もの激闘を演じてきたアントラーズ。今夜のFCソウル戦を前に、強い印象とともに思い出される試合が、2つある。

 まずは何といっても、2009年6月24日、ラウンド16のFCソウル戦だろう。アントラーズは、のちに達成することとなるリーグ3連覇が示す通り、黄金期を築いていた。グループステージを首位で通過し、迎えた一発勝負。カシマスタジアムで待っていたのは、残酷な結末だった。2-1とリードした64分、小笠原が2枚目のイエローカードを受けて退場に。数的不利に陥り、78分に同点ゴールを奪われた。2-2。延長戦でも決着はつかず、勝負の行方はPK戦へ。サポーターが待つゴール前で歓喜の時は訪れず、選手たちはピッチへ倒れ込んだ。
 悔しい記憶を試合前に呼び起こすことは、あまり良いことではないかもしれない。しかし、あの夜のスタジアムの光景を、忘れることはできない。勝てばグループステージ突破が決まる今夜。あの日と同じ、カシマスタジアムでのナイトゲーム。舞台は整った。6年前の記憶を発奮材料に変え、是が非でもリベンジを果たさなければならない。
 そしてもう1つは、鮮やかな勝利の記憶だ。2009年5月5日。FCソウルに敗れる1か月半前、アントラーズは、子どもの日のカシマスタジアムで、難敵相手に快勝した。グループステージ第5節、水原三星ブルーウィングス戦。グループ首位に立つため、極めて重要なホームゲームに臨んだアントラーズは、負傷の岩政に代わって出場した大岩が、野沢のクロスをヘディングシュートで合わせ、先制点を決める。さらに5分後には、マルキーニョスがゴール前で粘りを見せ、2点目。リードを広げ、ハーフタイムを迎えた。
雨のカシマスタジアムは、サポーターの熱い声援が響き続けていた。その後押しを受けたアントラーズは、攻勢をかける水原三星にゴールを割らせない。そして75分、マルキーニョスが冷静にゴールを陥れ、3点目。勝利を決定づけ、カシマスタジアムは祝祭空間と化した。3-0。会心の完封勝利で、グループ首位に立った。
 あの夜の悔しさをバネに、あの時と同じ歓喜を。FCソウルと対峙する5月5日。2つの記憶を胸に、アントラーズが大一番に臨む。

スタッフダイアリー

過去の記憶や勝利への意欲、様々な思いを持って日々練習に励む選手の様子は、毎日更新の「スタッフダイアリー」をご覧ください!
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