今日の注目プレーヤーは、曽ヶ端準!

 「チームとして、勝ち点3を取ることが大事」

 失点が続く日々の中で、曽ヶ端準はそう繰り返す。「自分が好セーブをして失点ゼロに抑えても、0-0の引き分けでは1ポイント。それよりも、例え自分がミスをして失点したとしても、2-1で勝つ方が良い」。もちろん、失点をしても良い、ということではない。ミスをしても良いということでもない。何よりも優先すべきは、チームの勝利。最後尾からアントラーズを支え続けてきた男は、どんな時でも、そう強調する。
 今季、アントラーズはACL初戦から13試合連続でゴールを奪われている。リーグ戦で、無失点試合が1つもないのは、アントラーズだけだ。不名誉な記録となれば、当然ながらその質問も飛ぶ。それでも守護神は、平静を保ち続ける。「失点ゼロが全てではなく、勝つことが全て」と言って、多くを語ろうとはしない。

 とはいえ、悔しさを募らせていることは間違いない。1-2で敗れた神戸戦の後、「失点ゼロで抑えることが、勝利に近づくのは間違いないから。頑張らないと」と、努めて淡々と語っていた。だからこそ、仙台戦の終了間際に許した1点は、曽ヶ端の闘志を掻き立てる、さらなる燃料となったはずだ。今節こそ、完封を――。
 仙台戦から中2日で迎える今節、大幅なメンバー変更も予想されている。出場機会に恵まれてこなかった選手たちが並ぶ中、曽ヶ端の経験と統率力は、何よりも頼りになる。「誰が出ても心配はしていない。力のある選手が揃っているから」と言って、35歳のベテランは、いつものように勝利を誓った。

 「自分たちがボールを回す時間が長くなると思う。だからこそ、リスクマネージメントが大事。集中力を切らさずにプレーしないと」

 具体的なプレーイメージを語った曽ヶ端。安定したセービングと的確な指示で、今日もアントラーズの砦になってくれる。サポーターの願いは、背番号21が悔しい顔をすることなく90分を終えること。つまり、無失点試合を演じること。今季初のクリーンシートを、今日ここで、見たい。

試合前コメント

試合に臨む選手たちの意気込みは「試合前コメント」をご覧ください!
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