ACL特集 FCソウル戦前日トレーニング(公式練習&公式記者会見)

2015.05.04(月)
AFCチャンピオンズリーグ2015 グループステージ第6節のFCソウル戦を明日に控え、選手たちは午前中に、カシマスタジアムで公式練習を行いました。メディアに公開されたのは、冒頭15分間のみです。

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入念に打ち合わせをしていたセレーゾ監督とスタッフ陣


今日は不安定な天候でしたが、トレーニング中は青空が広がり、日差しが差し込んでいました。公開された冒頭15分間で、選手たちはウォーミングアップとパス練習を実施していました。

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古川コーチのシュートをキャッチする曽ヶ端選手



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また、午後には公式記者会見が開催され、トニーニョ セレーゾ監督と山本選手が出席しました。

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セレーゾ監督:
この大会の序盤は非常に苦しいスタートを切った。その後に、やっと、グループステージを突破できる状況まで盛り返すことができた。ただ、何かを成し遂げたわけではなくて、今までの努力と汗が実になるかどうかは、明日の試合次第だ。今までのことが無駄にならないように、努力していきたい。

FCソウルと韓国で対戦した時には、素晴らしい内容を展開したが、セットプレーから失点してしまった。相手は素晴らしい指導を受けている。ピッチ内でのポジション取りを、それぞれの選手がよく理解していることが見受けられたし、韓国のサッカーは非常にタフな試合になる。それはわかっている。気負いすることなく、選手たちがピッチでやるべきことをして、良い結果につなげることができればと思う。

相手には2つの選択肢があって、勝つか引き分けるという道がある。我々は勝つしかない。目的が明確で、やりやすい部分もあると思う。明日はホームゲームで、サポーターの後押しが力になることを信じて、このスタジアムが満員になることを願っている。選手たちに勇気を与え、プラスアルファのことができるような後押しになって、自分たちのやるべきサッカーをやって、しっかりと勝ち点3を取ることができればと思う。

序盤戦での試合は、内容的にも相手を勝っていたし、チャンスも多く作っていた。ただ、最も重要な部分、ゴールを決めるというところができていなかった。反対側では、相手が少ないチャンスをしっかり決めていた。そして、セットプレーでの失点が多かった。アウェイでFCソウルと対戦した時も、内容が良くてもセットプレーから失点して、敗れてしまった。そういう点からみても、自分たちについての細かなディテールへの分析というところで、練習時間はあまりないが、選手たちの意識付け、意識改革の指導をしていった。自分自身の責任ももちろんあるが、選手たちは、チームとしての責任感をより強く持ってプレーするようになった。意識の改善が見られている。まだ足りないところはあるが、いくつかの細かい部分で、組織としての約束事をしっかりと守れるようになってきていることが、良い流れにつながったと思う。第4節からは、勝たなければいけないという条件が明確になったので、ホームでもアウェイでもしっかりと勝ち切るということを意識して取り組んだ成果が、この大会において夢を見続けることができる状況まで、我々を持ってきたのだと思う。サッカーの神様が存在するのであれば、頑張ったご褒美をくれるのではないかと信じて戦っていきたい。

ACLは非常にタフな大会だ。なおかつ、リーグ戦を戦わなければならない。非常に厳しい日程の中でやりくりをしなければいけない。高いレベルの2つの大会を戦うには、選手層が非常に重要になる。質という部分に関して、2チーム分を抱えることは、日本では難しい。大橋選手や久保田選手たちが今年は入ったが、すぐに試合で使えるかといえば、そうではない。能力があったとしても、体力や体格、筋力を強化しなければいけない。さらに、プロレベルのスピードや判断スピード、駆け引きなど、いろいろな部分が必要になる。指導して、磨いていかないといけない。能力があったとしても、順序を変えてとりあえずピッチに立たせるということはできない。選手の将来も考えていかなければいけない。中堅の選手であっても、プロとして、試合に勝たなければいけないというプレッシャーの中で技術と能力を発揮するためには時間がかかる。指導が必要な選手が数多くいる。できれば、先発11人をずっと使っていきたいというのが現状だ。それでも、若手や中堅に一皮むけてもらって、一日でも早く一人前になってもらいたい。魔法があれば、そうしている。それが現状だが、ピッチに立った以上は結果を出せなければいけない。甲府戦では約5選手を温存した。山本選手には出てもらったし、ボールを中盤でさばける選手が必要だったから柴崎選手も必要だった。カイオ選手は若いので回復力があるだろうというところで、使った。他の選手は、試合に絡んでいた選手ばかり。(先発)デビューしたのは杉本選手だけだ。大半は試合に絡んでいた、以前に出ていた選手だったので期待して送り出したが、思い描くような試合にならなかったのは非常に悲しくて残念だった。若手に責任を押し付けるわけではないが、期待にうまく応えてくれなかったことは、正直、非常に悲しかった。ただ、やるべきことは変わっていない。明日、試合があるので、準備をして戦っていきたい。

FCソウルとは一度対戦して、映像も見ているが、その相手について細かいことを述べるのは、やってはいけないこと。何度も対戦している相手であれば発言してもいいかもしれないが、今この状態で、一度しか対戦していない中で相手のことについてコメントするのは失礼だと思う。また、ここで相手の長所と短所を述べたら、試合ができなくなる。

ただ、言えることは、ACLのアウェイゲームを見ていると、ボランチのスペイン国籍の選手が、非常に良い選手だということ。視野が広くて、シンプルにプレーするタイプ。センターバックの前で、もう1人、センターバックがいるようなプレーをする。監督も現役時代、非常に素晴らしい選手で、現役時代に培った能力をチームに落とし込んでいると思う。組織的に徹底されている。コンパクトで、守備的というわけではないが、非常に堅いやり方をしてくる。前線の選手がスピードを持っているので、相手のミスを待って、カウンターを仕掛けてくる。リスクを負わない戦法が明確だ。

ACLにおいては、球際の戦いが非常に重要になってくるし、その意味でも非常に競争力があるチームだという印象だ。今の順位にも反映されていると思うし、次のラウンドに進む力を持っているチームだと思うが、その中で予想されることは、非常に厳しい試合になるということ。それに対して自分たちが、どれだけ表現できるかを問われる試合になると思う。

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山本選手:
最初の3試合では、セットプレーからの失点が続いてしまった。自分たちのサッカーをして、ゴール前まで行っていても決めきれずに、セットプレー1本でやられる試合が続いた。監督が練習で意識付けをしてくれて、選手たちの中で意識ができてきたことで、グループステージの最近2試合では、最後の最後で勝つことにつながっていると思う。

FCソウルからは、チェ ヨンス監督とチョン ジョグク選手が出席しました。

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チェ ヨンス監督:
明日の試合は非常に重要な一戦だ。このグループは「死の組」と呼ばれるが、そこを通過するために大事な試合となる。アントラーズはもちろん、Jリーグの中でも名門として知られている。素晴らしい監督が率いているチームだ。明日はお互いを尊重した良い試合になると思うが、やはり大事なのは結果だ。両チームとも力はあるし、集中力の差やミスの有無が明日の試合のポイントになると思う。両チームとも十分な戦力を有している。我々も十分な準備をしてきた。その中で、試合に臨む姿勢や態度が非常の大事になってくると思う。自分たちの力を信じて、良い試合をするという思いで、臨まないといけない。
疲労度については、ACLのグループステージを戦っているわけだが、国内リーグと合わせて、大変なコンディションの中での試合が続いている。両チームに言えることだが、試合ごとに体力のチェックをしている。疲れた状況で大切なのは、集中力が途切れないようにすること。試合の中で、最後の数分間で大事な瞬間が訪れる。そこでミスをしてはいけない。どのエリアでミスをするかも重要だが、そこがポイントになる。そして、相手のミスを逃してはいけない。そういう状況が最後の瞬間に訪れると思うので、集中して臨むことが大事だ。

アントラーズはACLで3連敗を喫して、グループステージ敗退の危機にあったが、その後の良い流れを掴んでいる。素晴らしいチームだ。悪い流れを変えることができるチームなので、しっかり注意をして試合に臨まないといけない。

ACLのグループステージは6試合あり、ついに最後の試合に臨むこととなった。リーグ戦を戦う中でケガ人が出たり、いろいろな面で良くない部分があった。明日はそういう意味でも非常に大切で、結果がチームを良くする状況だと思う。ACLに関しては非常に多くの準備をしてきた。もちろん、簡単な大会ではないが、選手たちを信じて、FCソウル本来の姿を見せられるように、自信と集中力を持って試合に臨むつもりだ。結果によって、今季のこれからの流れを占う、大切な試合になる。普段の力を発揮できるように、良い結果がついてくるように、そんな覚悟を持って臨む。

自分自身、現役時代に対戦したが、曽ヶ端選手や小笠原選手といった、良い選手が揃っている。アントラーズは良いチームだと思う。スペースにおいて、何をすべきか、その役割を非常によく理解しているチームだ。そして、非常に攻撃的で(昨季の)最多得点チームだ。それがストロングポイントだろう。弱点は見当たらない。自信と闘志、創造性を持つ選手が揃っていて、気をつけなければいけない。結論として、弱点は見えないという印象だ。

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チョン ジョグク選手:
非常に大切な試合だ。1つの目標である、ベスト16へ進出するための試合だが、どうすればベスト16に上がることができるかは、わかっている。監督を中心に一体となって戦わなければいけない。チームが一丸となって臨まなければいけない。
FWとして、ゴールが少ないことには責任を感じる。反省する契機だと思う。ただ、明日の大事な試合では、個人ではなくチームとして戦わなければいけない。ゴールを挙げるために努力をしてきて、能力の高い良い選手が揃っているので、良い試合ができると思う。我々の監督は日本をよく知っていて、いろいろな情報を持っている。監督を信じて、良いプレーができるように良い準備をしてきた。もちろん、アントラーズが素晴らしいチームであることは知っているが、我々も良い結果を得られるように準備をしてきた。
アントラーズはJリーグの中でも名門で、素晴らしいということは知っている。ただ、我々にとっては、相手を考えるのではなく、自分たちのカラーをどれだけ出せるか、どうすれば出せるかが大切だと思う。

会見後、FCソウルの選手たちは前日練習を行いました。アントラーズ同様、冒頭15分のみが公開され、パス練習を実施していました。

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