ACL特集 広州恒大戦前日トレーニング(公式練習&公式記者会見)

2015.04.06(月)
AFCチャンピオンズリーグ2015 グループステージ第4節の広州恒大戦を明日に控え、選手たちは午前中、カシマスタジアムで公式練習を行いました。メディアに公開されたのは、冒頭15分間のみです。

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ボールを蹴って感触を確かめていたセレーゾ監督


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トレーニングは、日差しが強い中で行われました。公開された冒頭15分間で、選手たちはウォーミングアップとパス練習が実施していました。

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また、午後には公式記者会見が開催され、トニーニョ セレーゾ監督と高崎選手が出席しました。

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セレーゾ監督:
我々にとっては全てが懸かる試合だと思う。良い結果を残せるように努力していきたい。このグループで一番強いチームではないかと思う。その対戦相手が勝ち点9を持っていることを見れば、その強さが示されていると思う。おそらく、中国で最も優秀な選手が揃っているチームではないかと思うし、外国籍選手も非常に決定力があり、プラスアルファ、助っ人になっていると思う。決定力があり、嗅覚に優れている選手もいる。攻撃陣に優れた能力を持っている選手がいるし、中盤の選手も経験があって、落ち着いてボールをグラウンダーでつなぐ能力や、パスワークやポゼッション能力を持っている。全体的に見ても、非常に優れた能力を持った選手が揃っているチームだと思う。4-3-3というフォーメーションは、相手に対して合理的にやってくるもの。試合の中で、自分たちのリズムになっていない時にも、どのようにしてリズムを持ってくるかをわかっている選手も何人かいる。そういう経験値の部分も含めて、この順位や勝ち点に現れていると思う。

ただ、アウェイで試合をした中でも、我々らしい部分を出せたところもあるし、得点をすることもできた。7ゴールが入ったということは、両チームが相手のゴールを目指してプレーした、そういうサッカーをしたということが数字で示されている。両チームとも、常に素晴らしいサッカー、あるいはサッカーの醍醐味といった部分を見せようとしている。そんな姿勢が現れていると思う。我々も自信を持っているし、相手に対する敬意をキックオフまでしっかりと持つ。キックオフからは、自分たちのやるべきこと、自分たちのサッカーに集中して取り組むということ、そして勝って終わることを目的にして最後まで戦い抜きたい。

広州恒大については、戦術的なことや選手のことを述べることはできるが、中国のリーグに関しては、そこで仕事をしているわけではないので、細かい状況や広州恒大の順位に関してコメントすることは難しい。我々は相手の試合をいくつか見たし、この前に対戦したことで、相手の武器や弱点を見ることはある。ただ、順位に関してコメントすることは難しい。よく、海外でも「自分は世界のサッカーを見ている」などと言う人はいるが、それは全くの嘘であって、自分が働いているリーグにおいて、そのリーグ戦を全試合見ることは不可能。次の試合までに全ての試合を見ることは難しい。ましてや、世界のサッカーを見ているというのは難しい。よほど、寝ていないという人でない限り、全てを把握するのは難しいのではないかと思う。だから、相手に関して、リーグ戦の順位についてコメントすることは難しい。

この数日の中で何か変わったことをしようと思っても、なかなか難しいところがある。もう1つ、金曜日の鳥栖戦は、先制されてから逆転をしなければいけない試合だったので、それだけ体力の消耗もある。まずは回復することを優先しなければいけない。このクラブは日本一、タイトルが多く、常に先頭に立ってやってきた。勝つということは当たり前で、タイトルを獲ることも厳しく求められているクラブだ。その中で働く者は、選手やスタッフ、フロントを含めた全ての者は、勝つために何をしなければいけないのかという、勝つための術を互いに伝達しながらやってきている。それを常に意識している。今季は序盤でうまく結果を出せなかったのは、考えられなかったことで、予想できなかったことだ。それでも、1つ勝ったことによって、初勝利をしなければいけないという重圧はなくなった。あとは自分たちのやるべきことに集中するということに、専念できる。

最も良いことは、中国一のクラブとの試合があり、日本一タイトルの多いクラブがいるということ。自分が一番期待しているのは、明日、1万人ではなく、1万5000人、2万人、3万人くらいのサポーターがいて、その中で選手たちがサッカーをする環境があること。それを一番、願っている。そこから、両チームのサポーターや両国の記者が、「この試合はこうなるだろう」と思い描きながら、それぞれの夢を追いかけて、試合を観戦していくということが、サッカーというスポーツの面白さだ。今日もおそらく「明日どうなるんだろう」と、両チームのサポーターが一杯かわしながら議論をしたり、話し合ったりするのだろう。それがサッカーの面白さだと思う。両チームが常にゴールを目指すサッカーをしている以上、スペクタクルが期待される。3連敗をしている我々がグループステージ突破を望むなら、まずは3連勝しなければいけない。その第一歩が、明日の試合である。その第一歩を踏むためには、相手よりも5m、10m、頑張らなければいけない。そういったプラスアルファの部分で、行動で示さなければいけない。それをしっかりと90分間やることができれば、良い勝利を収めることができるのではないか。

うちは28名の選手がいて、その大半は若い選手だ。彼らはまだ、試合で戦うための準備をしているところだが、その中でこうした大きな舞台で戦わなければいけない。若手にとっては良い経験かもしれないが、このクラブに在籍している以上、常に勝つことへの執念をもって、取り組まなければいけない。それを彼らが一番、自覚しなければいけない。その作業をやり続けて、明日良い成果をクラブ全員で勝ち取れれば良いと思う。この試合は、アジアにおける1つのダービーになると思う。

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高崎選手:
アントラーズは3連敗中だが、3勝すればグループステージを突破できると思う。まずは明日、勝たないと突破は厳しくなる。明日の試合に全力で臨んで、良い結果を残したい。まずは1勝したい。広州恒大の選手は皆、攻守ともに一流の選手がいて、強いことは確か。でも、アントラーズは力を持ったチームなので、次はホームでピッチコンディションも良いので、明日の試合ではアントラーズの良いゲームができると思う。金曜日にリーグ戦で勝ったことで、勝ちというものに対する緊張も少し取れたと思うし、これから連戦になっていく中で、勝ち続けることが今のアントラーズにとっては大事。明日も勝ちにつなげて、この連戦を勝利で乗り切りたいと思う。

広州恒大からは、ファビオ カンナバーロ監督とジョン ジー選手が出席しました。

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カンナバーロ監督:
チームが負けたくないというのは当然だ。今は中国でのリーグ戦で、相手が全力で戦ってくるから、我々も厳しい状況にある。ただ、負けという結果は、選手たちが頑張っていないからではない。選手に良い試合をするように指示を出している。ACLでも、勝つという重大な目標を持っている。今はリーグ戦とACL、両方を戦っている。両方で良い結果を出せるように頑張りたい。明日の試合でも、一生懸命頑張る。チームは、3、4日に1回のペースで試合に臨む。今のケガ人の状況は大変ではあるが、試合に大きな影響はない。試合というものは、勝ち負けと引き分けがあるが、毎回、選手たちは全力で戦って、勝利を勝ち取るように頑張っているので、文句はない。どの試合でも、一番良い選手の組み合わせで起用している。目標が非常に大きいので、1つの試合について、特別なアレンジをすることはない。今はケガ人の状況が重いが、シーズンの最後に良い結果を残せるように頑張りたい。

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ジョン ジー選手:
この前、ケガをした選手たちも徐々に回復してきている。自分自身も昨日のトレーニングに参加した。回復状況は、今後見ていく必要がある。新たにケガをする選手もいるが、日本に来られる選手は、全員来た。今は、チームが困難な状況にあるが、選手たちと話す時には「順調な時があれば、困難な時もある」と言い合っている。こういう状況の中から経験値を得て、頑張っていきたい。アウェイはホームと違って予測不能な要素がたくさんある。今は、選手たち皆が団結して、一緒に頑張っていくことが大事。監督が言ったように、4月と5月には多くの試合がある。3、4日に1試合のペースで進む中で、頑張ってできるだけ実力を示して、成長の軌道に戻りたい。チームに新しい選手が入ってきて、選手の組み合わせが少し変わった。互いの協力が一番の状態にはなっていない。これから協力し合って、もっとスムーズになっていくと思う。対戦相手がそれぞれ異なる戦略を出してくるので、こちらが強くないということではない。これから、対戦相手の戦略によって異なる対応を考えていきたい。

会見後、広州恒大の選手たちも前日練習を行いました。アントラーズ同様、冒頭15分のみが公開され、パス練習を実施していました。カンナバーロ監督もトレーニングに加わり、笑い声が響き渡る、リラックスムードでの調整でした。

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