ACADEMY FREAKS INTERVIEW

「Obrigado! ユース3年生」 第1回 ユース3年生が振り返る、史上初の三冠シーズンの裏側とは。「正木が流れを作って……」キャプテン大川佑梧の涙の真実。

 

「Obrigado! ユース3年生」 第1回

 

GK菊田 修斗/GK黒澤 奨永

DF近藤 大祐/DF朝比奈 叶和/DF岩永 佳樹

MF殿岡 諒大/MF中川 天蒼/MF佐藤 湧斗/MF上野 瑛汰/MF三浦 直人

FW正木 裕翔/FW髙木 輝人

 

2025年に史上初の三冠を成し遂げたアントラーズユース。様々な面で中心となってチームを引っ張ったユース3年生たちが振り返る、2025シーズンの日常とは。第1回はユース3年生に思い出話を聞いた。(第1回/全4回)

——2025シーズンを振り返って、どんな一年でしたか?

髙木輝人 やっぱり一番印象に残っているのは、三冠を獲れたことですね。自分たちの代としても、これは間違いなく大きな経験でした。1、2年生が試合に出ることが多かったんですけど、試合に出る選手も出ていない選手も含めて、最後まで諦めずに練習を続けてきた。その積み重ねが、最終的にプレミア優勝につながったと思いますし、すごく思い出に残っています。

中川天蒼 シーズンが始まってから、質や強度の部分で「一年間、日本一の練習ができている」という自覚がありました。だから、三冠は“必然”だったと思っています。

——それを実感した瞬間はありましたか?

中川天蒼 大会に出ても、走行距離やデータで鹿島が一番高いと言われていましたし、フィジカル面で日本でトップの里内さん(フィジカルコーチ)がいて、そのメニューを自分たちは1年生から継続してやってきたので。「どのチームよりも走れている」という感覚がありました。

——苦しい時期もあったと思いますが、チームとして印象に残っていることは?

三浦直人 団結力ですね。苦しいこととか、きつい練習でも、みんなで声を出して、プラスに持っていけていた。そうやって乗り越えてきたチームだったなと思います。

——正直、へこんだ選手も?

菊田修斗 はい(笑)。自分は特に1、2年のときに泣きまくっていました。本当にキツいときは泣いちゃうんですけど、次の日のフィジカルを見ると「昨日よりはマシだな」って思えて。それを繰り返しているうちに、涙の量も少しずつ減っていきました。

——印象的だった涙のシーンは?

プレミア・浦和レッズ戦ですね。キツくて全然できなくて、後ろからみんなに声をかけてもらって、押してもらって。自分の不甲斐なさと、助けてくれる仲間がいることに感動して泣きました。

 

"日本一の練習"が三冠の土台

——これはキツかったというときはありましたか?

全員 それは近藤でしょう(笑)。

近藤大祐 特に居残り組の緑地でのフィジカルトレーニング。やばかったです。走りを着実に積み重ねて、10本で終わると思ったら、なぜかまさかの20本だった。

全員 (笑)。

近藤大祐 あれは相当にキツかったですね。

——そんなキツいなか、チームを引っ張っていた存在は?

全員 黒澤。

髙木輝人 こいつは背中で引っ張るタイプでしたね。

近藤大祐 坂道ダッシュの帰りを一人で全力で走って戻ってたりして。「あ、これはヤバいな」って(笑)。

全員 (笑)。

黒澤奨永 いや、そんなつもりはなかったんですけど……(笑)一生懸命やっていただけです。

髙木輝人 そうですね。気づいたら引っ張ってくれていた存在でした。火曜はいつもフィジカル練習の日だったので、マイナスの感じではなくて、みんなで声掛けをしてプラスに持っていくようにしていました。

——シーズンを通じて、チームが強くなっていったポイントはありましたか?

中川天蒼 結構、練習でバチバチになることがあったので、その分強度が上がって、自然といい練習になっていました。その日々の繰り返しが、チームを強くしていったなと思います。

——喧嘩にまでなることも?

全員 ある、だいたい大川佑悟(笑)。

——キャプテン・大川佑梧はどんな存在でしたか?

中川天蒼 練習中に質が落ちていると、「もっと高めろ!」とゲキをよく飛ばしていましたね。すぐに基準を示してくれる。ただ特別なことをするというより、みんなが集中して声を掛け合って全員がやれていました。

 

非日常の中で深まった結束

——「チームの一体感があった」という話でしたが、それを強く感じたのはどんな瞬間でしたか?

朝比奈叶和 FC東京戦ですね。先に点を取られて、終盤に追いついて逆転できた。あの試合は自信になりました。その先の試合の勢いにもなりました。

髙木輝人 自分は、プレミアファイナル前の、3年生最後のフィジカル練習ですね。キツかったですけど、みんなのテンションが高くて楽しかった。全員が先頭に立とうとしていて、一体感を感じました。

中川天蒼 クラブユースで優勝したときの当日の選手ミーティングですね。

——クラブユース決勝の前は津波警報があり、急遽試合会場となる横浜の方へ移動して前泊となりました。

中川天蒼 いろいろと選手だけで話すなかで、ちょっと感動的な雰囲気になって……まだ勝ってないのに、大川佑梧が泣き出して、あれは面白かった(笑)。試合に向けて気合を入れていこうということで始まったミーティングだったんですけど。正木が感動するフレーズを使って、そういう流れを作ってしまって。

正木裕翔 自分はそんなに意識してなかったんですけど、「自分たちを支えてくれている人たちのためにも頑張ろう」という話をしたら、逆側で佑梧が泣いてました。スイッチが入った感じでしたね(笑)。

――その時点ではまだいろいろ残っていましたが(笑)、その後に三冠達成。その瞬間は?

髙木輝人 意外とあっさりでしたね。

中川天蒼 緊張はしましたけど、「勝つしかない」という感覚でした。

菊田修斗 出られない選手も含めて全員で、埼玉スタジアムのスタンドで応援していました。先制点の瞬間は、プロの試合みたいな雰囲気で。PKで勝ったときは、全員で心から喜べた。あれは本当に一体感を感じました。