3週間ぶりのリーグ戦となった先のFC東京戦は2-1で勝利した。来季のACL出場権獲得に向けて、アウェイで非常に価値のある勝ち点3を得た。

　味の素スタジアムには、大勢のアントラーズファミリーが詰めかけてくれた。背番号12がチームに与える力は絶大だ。相馬監督も試合後に「前節、情けないゲームで悔しい思いをさせてしまった。それでも、われわれを信じて今日もともに戦ってくださったことに感謝したい。皆さんのエネルギーが今日の勝利につながったと思う」と、サポーターへの感謝を語った。団結力こそ、アントラーズの強み。それをあらためて実感する一戦となった。

　試合内容に目を移しても、多くの収穫があった。両チームともに相手の背後を狙うようなスピーディーな展開、球際の激しいゲームとなったが、選手同士で積極的にコミュニケーションを取り、何度も良い守備から良い攻撃へとつなげた。相馬監督も非常に手応えを感じた様子で、「選手たちが『勝ちたい』という気持ちを表現してくれたし、チームが一つになっていたと感じる。今後につながるゲームとなった」と、自信に満ちた表情で語る。また、選手たちも口々に手応えを話し、上田が「カウンターからの攻撃では、前への推進力を持ってみんながプレーできていた」と話せば、カイキは「3週間の準備期間で積み重ねてきたことが良い結果へとつながった」と、準備の成果を誇った。貴重な準備期間を経て、チームの完成度はまた一段階高まった。


　さあ、自信は深めて臨む次の試合は、一発勝負の天皇杯準々決勝、リーグ首位を走る川崎フロンターレとの対戦だ。今季のリーグ戦で、アントラーズはホーム、アウェイともに後半アディショナルタイムに決勝点を許し、土壇場で川崎Fに敗戦を喫してしまった。あの悔しさはいまもなお心に深く残る。3度目の正直となる今回こそ、意地とプライドにかけて絶対に勝利を掴み取らなければならない。

　ただ、川崎Fはアントラーズ戦に向けて、万全のコンディションと対策を練って臨んでくることが予想される。さらにリーグ戦7連勝中と好調だ。非常に難しく、厳しい戦いになることは間違いない。

　しかし、我々もFC東京戦前の中断期間で密度の濃いトレーニングを行った。良い守備から良い攻撃へ。アントラーズらしい戦いを見つめ直し、チーム一丸で取り組んできた。トレーニングの成果を発揮できれば、必ず結果はついてくるはずだ。

　日本一のタイトルに向けて、アントラーズファミリー全員でともに戦い、勝利の喜びを分かち合おう。