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 林尚輝はアントラーズへの加入を決めた理由についてこう語る。

「加入の決め手は、本当にさまざまな要素がある。一つは伝統と歴史のあるこのクラブで、数多くのタイトルを獲得したいと思ったこと。同時に自分が一番成長できるクラブだと感じたことも大きな要因になった」

 「父から何度もジーコさんの話を聞いていた」という林は、アントラーズを「憧れ」と話す。もちろん、数々のタイトル獲得に貢献してきた偉大な先輩の存在も知っており、歴史に名を残すアントラーズのCBたちは、林にとってまさに理想のロールモデルとなっている。

「強さ、クレバーさ、ポジショニングなどの自分の特長に加えて、“アントラーズらしさ”を上積みしたい。アントラーズの歴代CBは自分のロールモデルになる選手ばかりだし、僕も“アントラーズらしいCB”へ進化していきたい」

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 ただ、理想の成長曲線を思い描きつつ、現実とのギャップはしっかり受け止めている。自身の課題について「プレースピードや強度の部分に大学時代との違いを感じる。そのなかでも、特にキックの精度やボールを失わない技術に差がある」と語り、自身の長所として挙げる「CBとしての的確なポジショニングや状況判断という部分」も「ピッチのうえで実践できるようにしたい」とまだまだ伸びしろがあると語っていた。

 だから、プロ1年目となる今季は「チャレンジの年」と位置づけている。「大卒は1年目から即戦力として考えられているので、その期待にしっかり応えなければいけない」と責任も感じているが、ポジション争いはあくまで挑戦者の立場だと心得ている。「まずは5試合に出場することが目標」と話し、「そこからさらなる可能性を高めていきたい」と謙虚に語った。

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「アントラーズには熱い選手が多いし、所属している選手全員が日々の練習から本気で取り組んでいる。この環境でプレーし続けることで、自分自身の能力を伸ばしていけると確信している」

 ここには成長できる環境がある。理想の選手になれる可能性がある。だからこそ、日々のトレーニングや試合に全力で取り組まなければいけない。林は理解している。

「今の自分に失うものは何もない。何事にもチャレンジし、一日でも早くチームの勝利に貢献できるような選手になりたい」

 失うものは何もない。“アントラーズらしいCB”になるために、林尚輝は目の前の試合に全力を尽くし、チームを勝利へ導く。

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