▼▼MATCH HIGHLIGHTS▼▼
2025明治安田J1リーグ第38節、アントラーズはメルカリスタジアムで横浜F・マリノスと対戦した。
今シーズン最終節となったこの日のメルスタは、チケットも完売で早くからアントラーズファミリーが集結した。またこの試合は、「LIXILスペシャルマッチ Game ON/Carbon OFF」として開催され、クライマックスにふさわしい特別な空気が漂う。アントラーズレッドに満ちたスタジアムの雰囲気を力に、運命のキックオフを迎えた。
試合は前半から一進一退の攻防が続く。20分、荒木が中盤でボールを奪い、そのまま素早く前進。右サイドへ抜けた松村に預け、松村は深い位置から鋭いクロスを中央へ送り返す。それを荒木がシュートに持ち込むが、これはジャストミートしない。だが荒木は諦めずにこぼれたボールを折り返し、そこに走り込んだレオ セアラが右足で決め、待望の先制点を挙げた。
後半に入っても、アントラーズは勝利への執念を見せる。そして57分、右サイドで松村が粘りながらゴールライン際まで運び、絶妙なクロスを供給。これをレオ セアラが力強く頭で合わせ、2-0とリードを広げる。エースが大舞台で今季21ゴール目となるマルチゴールを決め、優勝への扉が大きく開いた。
終盤にかけて、横浜FMも反攻を強める。アディショナルタイムには天野にループシュートを決められ、2-1と迫られるが、それでも全員が集中力を切らさずに残り時間を戦い切る。全員が一丸となって横浜FMの猛攻をはね返した。
そしてついに、試合終了のホイッスルがメルスタに鳴り響いた。自分たちの力で勝ち点3を手にし、9年ぶり9度目のリーグ優勝を果たした。
鬼木監督が就任し、全員が心をひとつにして戦った2025シーズン。アントラーズはその歴史にまた新たなページを加え、次へと進んでいく。
【この試合のトピックス】
・入場者数は、37,079人。これで2025シーズンはリーグ戦ホームゲームの年間入場者数が520,615名を数え、クラブ歴代最多記録を更新。
・レオ セアラが今季リーグ戦、20、21ゴール目を記録。リーグ得点王に輝く。また、LIXIL賞を受賞。




選手たちが最後まで自信を持ってプレーしてくれた。メルスタの雰囲気がそうさせてくれたと思っています。ただ、選手にも緊張はあったと思うし、簡単なゲームではなかった。そのなかで、たくましく戦ってくれた。本当に頼もしかった。選手がよくやってくれたと思います。
選手、ファン・サポーター、コーチングスタッフに本当に支えてもらった。本当に感謝しています。ありがとうございますと、伝えたいです。
Q.就任当初、「アントラーズでタイトルを獲ることは想像し難い喜びがあるのではないか」と話していた。実際に、タイトルを獲得したいまの心境は?
A.ほっとしている気持ちが強いです。
ここでタイトルを獲っていなかったら、どのような雰囲気になっていたのか、想像するのが怖いくらいです。
やはり、熱量です。熱量のある人たちと仕事をしたり、熱量のあるサポーターと戦えたことを誇りに思います。感無量。言うことはない。そんな気持ちです。
Q.黄金時代がくることを期待してしまうが?
A.そうなれるかどうかはわからないが、目指そうとは思います。
今回勝ったからではなくて、1年やってきて選手ののびしろも感じたし、真摯に自分たちの今の力を受け止めて成長しようという姿もある。すごく頼もしく思った。そういう選手たちやサポーターたち、スタッフたちと今日みたいな喜びを多く分かち合いたいと思った。それは、目指していきたいです。
Q.複数のクラブでJリーグを優勝したのは鬼木監督が初めて。アントラーズでも力を証明したかった思いはあった?
A.先ほどスタッフから聞かされたが、複数クラブでという思いはそこまでない。
自分は選手としてプロとして初めてアントラーズにお世話になって、選手としてなかなかクラブに貢献できなかった。やっとこのクラブの一員になれた。その思いがある。
アントラーズがタイトルを獲れていないときには自分も違うクラブにいた。覚悟を持ってこのクラブを選んで、タイトルを獲れた。この決断をしてよかったと思います。本当にうれしいです。
Q.鬼木監督が指揮するクラブは、なぜこんなに勝てるのか?
A.なぜですかね。
それはわからないですけれど、自分がどうこうではないと思います。自分一人の力でなにかができる人間ではない。いろいろな人に頼っている。川崎Fのときもそうだし、いまもそう。一番身近なコーチングスタッフには非常に感謝している。全員がひとつになってくれる。自分がひとつにしたいではなく、そういう思いをみんなが持ち続けてくれている。それがいまの成績につながっている。
一番近くにいる人たちに認めてもらいたいと思って仕事をしている。それは選手に対してもそう。そういう姿勢を少なからず見てもらえて、一緒に戦っているからこそ、こういう形になっていると思います。
Q.「圧倒的に優勝したい」と話していたが、圧倒的に優勝するために、これから必要になってくることは?
A.まだまだ、圧倒できる力はついていないと思います。
ただ、強気でやれるかというメンタルのところで出していけると思う。自分が目指しているのはそういうところ。気持ちの部分だけではないところ。技術的なところとか、接戦で落ち着きをもたらしてくれるものは身についているものだと思う。そういうものは、すぐ身につくものではない。だからこそ、日々、努力していくしかないと思います。
Q.荒木選手と松村選手を先発で起用した意図は?
A.彼らが自分たちで勝ち取ったもの。相手との戦い方というところもありました。ホームゲームで、力を発揮しやすい状況だったと思う。
前節、彼らが結果を残した。そこで勝ち取った。あとは、どんな形であれ、貢献しようという気持ち。サブだろうがスタートだろうがというものを、ここ数週間、数カ月で感じ取れた選手たちでもあった。
タロウも苦しい時期を過ごしたと思うが、そこでこのチームから離れることなく、歯を食いしばってやってやろうという最後の気持ちがあった。そういう気持ちが今日のゲームでも光っていた。
チームに落ち着きをもたらせたいという意図があってタロウを入れた。相手とのやり合いはマツだろうと思っていた。調子のいい選手たちを、できるだけ長く使おうと思っていました。あとは、前半から決めにいこうという意図で選びました。
Q.アントラーズらしいサッカーができて、1年間の集大成のような試合だったが?
A.今日は、自分たちからつかみにいこうと話していた。チャレンジしなければいけない。優勝は転がってくるものではないから、とにかく自分たちで勝ちにいこうと話した。それを体現してくれた。
選手はゴールと、優勝に向けて突き進んでくれた。非常に良かったと思います。
Q.「選手たちは、想像以上にプレッシャーを感じているのがわかった」と話していたが、どのようなアプローチをした?
A.プレッシャーを取り除こうとはしていない。
以前、話したことがあるが、「どうしても優勝したい」という選手からの思いよりも、クラブやサポーターからの思いの方が強いのではないかと自分は感じた。言わないといけないではないけれど、「自分たちは常勝軍団でなくてはいけない」という意識は変えないといけないと思っていた。
自分がタイトルを欲しているという話をした。タイトルはプレッシャーではない。「プレッシャーではなく、やりがいだよ」と話していた。
就任当初から「楽しませよう」という話はしていきている。「自分たちの好きなサッカーを楽しまないと」と言ってきている。そこで気持ちの変化はあったかもしれないです。
Q.鬼木監督がシャーレを掲げたあとに、そのシャーレを優磨選手へ渡した。ねぎらいの気持ちもあったと思うが、この1年、優磨選手のプレーをどう振り返る?
A.彼のすごいところというか、自分が尊敬できることは、チームが勝つことを誰よりも願っている選手だなと感じる。FWであれば、当然、自分のやりたいポジションもあるだろうが、チームが勝つためになにをすべきなのかを考えている。点が必要なら取りにいくし、東京V戦でも最後にヘディングでクリアしたりと、いつもそのチームのためにという意識がある選手。
すごいところは、怪我をしないところ。1年間、しっかりと戦えるのは、ケアや食事、睡眠をきちんと考えて行動していないとできない。あの風貌ですけれど(笑)。それがあるからここでプロとしてやれている。
一番クラブに長く在籍している。一番思い入れが強い選手だと思う。そういう気持ちの部分が、彼のすごいところだと思います。
Q.開幕前から、アントラーズらしさというものを問いかけてきたなかで、ここまで戦い続けてこられたことをどのように感じている?
A.前節の東京V戦もそうですし、京都戦もそうだったが、ギリギリのところでつながっていまがあるという話をした。
今日は後半勝負ではキツイと思っていたので、とにかく前半から点を取りにいった。アウェイの試合もあったので、ホームとアウェイでの調整が必要だった。
最後はバテてしまうかもしれないが、ホームでサポーターもいるのでとにかくスタートからいこうと話したなかで、選手たちが出し切ってくれたと思います。
自分たちがこの難しい試合で、絶対に上回らなければいけないと感じていた中央のところの強さ。そこをすべて相手にやられてしまった。本当になす術なく最後まで押し切られた。
ただ、最後に諦めずに1点を取った姿は誇らしかったし、最後までよく戦ってくれたと思う。
1点目も2点目も同じような展開で、両方とも関わってくれた松村選手のゴールだったと思う。彼のストロングであるスピードを生かして僕に届けてくれた。9割が彼のおかげ。シーズン当初に目指していたものが今日、集大成として、形になった。
【松村 優太】
(アシストは)守備から相手が出てきたところをうまく突くことができた。ハーフコートゲームをやろうと掲げるなか、前半はうまくいっていた。ハーフタイムに誰かがミスしても追いかけ続けられているのは続けようと話していたが、そこを徹底できたことがよかった。やっと優勝できたなという思い。信じてやってきたことを全部出そうと思っていたが、それが結果につながってよかった。
【荒木 遼太郎】
求められていることは理解してピッチに入った。今シーズン1年やってきて、そのすべてをぶつけようと思ってプレーした。タメながらリズムを作ることを意識していた。(アシストは)なかを見ないで上げたけど、優磨君とレオがいるのは分かっていた。必ず決めてくれると思っていた。出た試合では何か残さないといけないと思っていたので、今日はそれができてよかった。
【植田 直通】
試合の入りがすべて。控えにはいい選手がいるので、行けるところまで行こう、最初から全力でと思っていた。毎年タイトルは使命と思っていたが、これだけ鹿島に関わる方々を待たせてしまった申し訳なさと、タイトルを獲れた安心感があった。
【鈴木 優磨】
ホームで戦うアドバンテージを最大限に活かせた。前半から今年トップの内容だった。一つひとつの足りないことを修正して積み重ねた結果だと思う。最後の最後に集大成を持ってこれたのはチームとして大きい。