▼▼MATCH HIGHLIGHTS▼▼
2023明治安田生命J1リーグ 第13節、国立競技場で名古屋グランパスと対戦した。コーナーキックから優磨が先制点を奪い、前半を1-0で折り返すと、後半に知念が追加点を決めて、2-0で勝利した。
この試合はJリーグ30周年記念スペシャルマッチとして、国立競技場で開催された。
スタメンは、GKが早川、フィールドプレーヤーは広瀬、植田、関川、安西、樋口、ピトゥカ、名古、仲間、垣田、優磨が入った。ベンチには、沖、昌子、常本、土居、カイキ、佐野、知念が座る。
特別な緊張感に包まれるなか、名古屋のキックオフで試合が始まった。立ち上がりは両チームともにアグレッシブに試合へ入り、互いに相手陣内深くまで攻め込む場面をつくる。
すると、12分にコーナーキックを獲得する。国立のボルテージが一気に高まる。樋口が蹴ると、相手に競り勝った優磨がヘディングシュート。見事、ゴールネットを揺らした。しかし、これにVARが介入。樋口が蹴る前に、ゴール前のポジション争いで優磨が相手選手と接触した場面がファウルと判定され、得点は認められなかった。
その後、名古屋がやや押し気味の展開となったが、25分にアントラーズがチャンスをつくる。広瀬のパスで垣田が相手の最終ラインの背後へ抜け出すと、難しい体勢でうまくボールをキープして後ろへ落とし、優磨がダイレクトでシュートを放った。これは垣田がオフサイドの判定となったが、このプレーで流れを引き寄せる。
すると、29分にコーナーキックから試合が動く。樋口が蹴った高精度のクロスをファーサイドでフリーになった優磨がヘディングで合わせる。シュートは相手選手に当たって、見事にゴールネットに吸い込まれた。今度は正真正銘、優磨のゴールが認められ、アントラーズが先制に成功する。
その後、名古屋がボールを保持する時間帯が長くなり、サイドから攻め込まれる場面が増えた。39分にはマテウスの鋭いクロスからゴール前でユンカーに決定的なヘディングシュートを許してしまう。シュートは関川の頭に当たり、辛うじて失点を免れたが、肝を冷やす場面だった。
名古屋の攻撃の時間が続いたが、アントラーズは我慢強く強度の高い守備を続ける。すると、前半アディショナルタイムにチャンスをつくる。広瀬がタイミングよくボールを奪うと、カウンターを発動。優磨のクロスにうまく仲間がダイレクトボレーで合わせた。しかし、惜しくも枠を捉えることができず、追加点とはならなかった。
前半はこのまま1-0で終了し、ハーフタイムに突入した。
後半立ち上がりは拮抗した展開となったが、互いに縦に早い攻撃が多く、スリリングな攻防が繰り広げられた。
難しい試合展開が続いた。ただ、ビルドアップで早川が見事な判断とスキルを発揮し、うまく相手のプレスを剥がす。これが安定した試合運びにつながった。
57分、ハードワークを続けた仲間、広瀬をベンチに下げ、佐野と常本を投入した。途中出場の佐野は、抜群の予測力とボール奪取力を見せ、チームにさらなる安定感をもたらした。
64分、チームのために献身的に動き続けた垣田、名古に代えて、知念と土居をピッチへ送った。そして、73分には疲労が見えた優磨との交代でカイキを投入した。
名古屋がボールを保持する展開となったが、アントラーズは集中を切らすことなく、我慢強く守備を続けた。すると、81分にカウンターからチャンスをつくる。土居からのスルーパスを受けた安西が左サイドを駆け上がる。ドリブルからシュートを放ったが、惜しくも枠を捉えることができなかった。
84分、試合が動く。知念がロングボールに競り勝ち、カイキに渡ると、カイキから知念へパスが通り、相手GKと1対1になった知念がシュートを放つ。これは相手GKの好セーブに阻まれたが、すぐに全員が素早く守備に意識を切り替え、高い位置で守備網にひっかける。そして、こぼれた球が知念のもとへ飛ぶと、知念はうまく反転から左足を振り抜いた。シュートは相手GKのニアを射抜き、ゴールネットを揺らした。知念のゴールで、国立は再び歓喜に包まれた。
2-0としたあと、名古屋がパワープレーを仕掛けてきた。すると、89分にピンチが訪れ、ゴール前の混戦から酒井にシュートを打たれてしまう。ただ、シュートは枠を外れ、失点には至らなかった。
その後、最後まで集中を切らすことなく、危なげなく試合をクローズさせた。2-0で勝利し、5試合連続の完封勝利をつかみとった。
国立での歓喜を終え、次は再びホームのカシマスタジアムへ舞い戻り、FC東京と対戦する。課題と収穫を整理して、勝利のための準備を進めていく。
【この試合のトピックス】
・同一シーズンにおけるクラブ史上初となるリーグ戦5試合連続完封勝利
・優磨が今季リーグ戦7ゴール目
・知念が今季リーグ戦4ゴール目
・優磨がLIXIL賞を受賞



A.記録の話をことさらに使うと止まるというのが経験上あるので、選手たちにもあまり言わず、ここでもあまりコメントしないようにします。
Q.CKから得点を取ることができている。どう見ている?
A.セットプレーは攻守ともに取り組みを変えた。それがうまくいっているところもあるし、実際に点を取れていることで選手たちが自信を持って入れているところがある。あとは雄太のキック。彼とは工夫について話をしていて、それが功を奏しているのではと思う。
Q.Jリーグ30周年記念について、改めて今日の試合を終えて、クラブやリーグの歴史について感じたことは?
A.空気感がいつもとは違った。この舞台もそう、入っている観客数も全然違っていて、スタジアムに充満する空気は非日常だった。実際に勝ったことも、選手たちと僕も含めて、今の若いチームにはとても自信になる。これまでにない試合をして、さらにいい試合をして勝ち点3を取れた。そして相手もいいチームだったことを踏まえても、30周年から新しいスタートというところまではなかにいると分からないが、何かしらファン・サポーターの皆さんとの空気のなかで、勝ったことで新しくスタートできたような試合になったと感じた。
Q.5連勝をどう捉えている?
A.実際にスタートしたところでは底にいて、そこから一つずつ勝っていく意識になって、それが続いているので、あまり5連勝の感覚はない。実際に上に近づいているが、まだ届いてないので、まだまだという意識しかない。今の選手にはいいのかもしれないなと思った。今年は競争と成長をもってタイトルをという話をしたときに、出遅れたことによってかなり上と離れて、引き分けではなく勝ち点3を取らないと追いついていけないという状況のなかで、競争が一気に始まって、今はすごい競争を毎日練習でやっているので、ちょうどこの空気感が今の選手たちには合っているのかもしれない。競争のなかで選手たちが成長して切磋琢磨して、どこまで伸びていくのかを期待して見ている。試合後も選手たちは「次だ」という話をしていたが、今はそういう空気が選手たちにあるので、これを続けていきたい。
Q.広島戦と川崎F戦で終盤に逆転されたが、今日は安定して追加点も奪って勝利。チームの成長をどう見ている?
A.チームのなかにある空気が、あの時期とは全然違う。いろいろな要因があると思うが、新潟戦では追いつかれた記憶がよみがえった。しかし、僕も試合中によみがえらなくなった。選手たちもないのではないかと思う。今日はかなりプレッシャーをかけた。上位4つと戦って全敗していて、それは昨年もそうだった。ここをひとつ打ち破ることで、また新しい歴史を作る一歩になるという話をして、それを乗り越えた。また彼らがどんどん伸びていってほしいと思う。
Q.名古屋が3バックで両サイドのCBが攻め上がることで数的優位を作ってくるなか、名古選手と仲間選手がバランスを取りながら非常に固い守備ができているように思う。監督の評価は?
A.ここは2トップも含めて、前の4選手の追い方とボランチが出ていったり出ていかなかったりというところの微妙なニュアンスを作るのは難しかった。ほとんどは選手たちでできることなので、そこをどう促すかというところだが、今の4人を並べて、優磨と垣田の追い込み方と、最後の選手と。これを説明すると微妙なニュアンスで、うまくやれる選手はあまり多くない。そこを彼らが新潟戦からよくやってくれて、その効果はかなり大きい。プレスの掛け方はいくつか準備するが、今はそこに頭をいかせないようにチームを作っている。選手たちが状況によって読み取りながら、誰が出ればどのように連動するということだけを作って、試合中に少しずつ声をかけながら合わせていく試合の作り方をしている。それはかなりうまくいっている。それも彼ら2人が理解しているからであって、なかなか他の選手は難しいかもしれない。聖真もできるだろうし、今日は雄太にもやらせたが、今出ている選手たちはそれなりの活躍をしてくれている。
Q.ユンカー選手を抑え続けた関川選手の成長ぶりについて。
A.最近は毎試合。以前は、数試合良ければ少しミスがあっての連続だったが、そこを彼自身が乗り越えた。前節の後も伝えたが、今はかなりのレベルの選手になっていると思う。源、ナオと同じレベルだったが、そこから彼にしかない良さも出してくれている。これだけ安定してパフォーマンスを見せてくれれば。22歳ですから。大卒1年目の僕の記憶をたどれば、かなり完成度が高いと思う。これは今日連れて来れなかった選手もいるが、練習の競争がものすごい。ベンチメンバーはかなりうちが優位になると選手たちに伝えていた。海舟も戻ってきて、スタメンの選手も下手すれば、すぐにベンチ外になると感じていて、それが新潟戦から一番うまくいっていること。僕が何かを言う必要はなくて、選手たちがピッチ上で競争してくれて、そのなかでいいサイクルが回っている。
Q.スタートが下の方からという話があったが、2007シーズンを思い出す。ご自身の経験を踏まえて、これから何が必要だと考えている?
A.あの頃とフットボールが変わったので、あのときの記憶をすべて呼び起こしてとは思っていないが、あの頃はそこまで多くを作り込む必要ない時代だった。勝っていくことで自信をつけて進んでいけばよかったが、今はもう少し具体的にいろんなものを付け加えないといけない。その面では、今週に取り組んできたことを、選手たちが取り組んでくれて、それを攻守ともに付け加えたものを表現してくれたので、さらにアップデートができた。この作業を繰り返して、シーズン終盤に完成させてチームにしていくと、当初から選手たちに伝えてやっている。勝った負けたに左右されず、負けているときもその作業をやっているのはお伝えしていたが、半信半疑で皆さんには書かれましたが。その作業は変わっていない。結果に嬉しかったり悔しかったりもあるが、そのなかで起こっている現象に対して、選手たちに共有して、できていることとできていないことを、勝ったから負けたからではなく、その試合で分析して付け加える作業をしているだけ。5連勝が始まったときに何かを大きく変えたわけではなく、この作業の繰り返しのなかで、その延長にタイトルがあると思っているので、信念を持ってやっていきたい。
Q.シーズンの最後に完成させるとのことだが、今シーズンのチームを完成させたい?それとも、全方位的に支配する新しい鹿島を完成させたい?
A.よく僕の頭のなかを覗かれていますが、今シーズンはひとまず完成だと思っている。僕は最初から選手たちに伝えているのは既製服は作らないということ。みんなに合ったオリジナルのオーダーメイドを作るという話をしている。今の選手に合ったものをずっと模索していて、それがようやく一つ見つかりつつあって、そのなかで競争が始まった。これを進めていくときに足りないものがいくつかあって、それを徐々に進めている。一気に入れると、できていたものが飛んで失敗することもある。その微妙なギリギリのところを突いて進めている。少しずつ付け加えていって、シーズン終盤には今のチームの完成を見たい。その上でタイトルをとればさらに強いチームになっていくのは僕も経験してきたこと。まずは今のチームの完成を目指して、それがタイトルにつながって、さらにいろんなことができるようになるのは、もう少し先になるのではと思っている。
スタメンだけでなく、途中出場の選手たちも強度が高く、チームへの献身性を示してくれている。チームがひとつになって戦っていきたい。国立競技場での開催ということで、多くのサポーターが来てくれると思う。勝って喜びを分かち合いたい。
【垣田 裕暉】
国立開催での特別な試合になるが、どんな状況でも結果がすべてであることに変わりはない。勝つためには、チームとしてまとまりをもってやる必要がある。自分の得点よりも勝利のために戦いたい。
【鈴木 優磨】
名古屋は堅守速攻のチーム。前線の3選手に破壊力があって、そこで試合を仕留めに来るイメージがある。こちらは相手が読めないような攻撃をしていきたい。先制点が大事になると思う。
(樋口選手から)良いボールが来たので、うまくゴールを決めることができた。(前半にVARでノーゴールになっても)チームが流れを切らさず、また同じような形で得点を取れて良かった。ピッチに入るとき、これだけすばらしい環境のなかでフットボールができることは当たり前ではないと思っていたので勝てて良かった。アントラーズにとって特別な試合はない。常にこのパフォーマンスを出していきたい。
【知念 慶】
今日は自分がゴールを決めて、試合に勝てて良かった。チャンスで一度、相手GKに止められたあとにボールがこぼれてきて、今までの自分だったらパスをしていたと思うが、ターンをして相手DFのマークを剥がせたことがあのゴールの要因だった。アントラーズに来てから、ゴールへの意欲がより強くなっていると実感している。
【樋口 雄太】
ファン・サポーターの皆さんがすごくいい雰囲気を作り上げてくれたので、僕たちはいつも以上のパワーを出せたと思う。(先制点は)良いボールを蹴ろうという気持ちでCKを蹴って、優磨が決めてくれたのでチームとしても乗ったと思う。今日は最初の試合の入りのところでしっかりと入れて、焦れずに戦えたことが良かった。
【名古 新太郎】
前後半にわたって、チーム全員でしっかりと戦えた。(国立競技場は2019シーズンの天皇杯決勝で)あまり良くない思い出があったが、多くのファン・サポーターがすごい熱量で応援してくれたし、このような舞台で試合ができて幸せだった。今後も厳しい試合が続くが、またファン・サポーターの皆さんと一緒に戦っていきたい。
【早川 友基】
この舞台を楽しもうという思いで試合に入った。Jリーグの1試合ではあるが、「Jリーグ30周年記念スペシャルマッチ」として、このようにたくさんのファン・サポーター皆さんのなかでプレーできるのは滅多にない、すばらしいこと。チームも良い状態になっているので、今後も無失点試合を継続していきたい。
【関川 郁万】
ファン・サポーターの皆さんの迫力がすごくて、鳥肌が立った。そのなかで、ユンカー選手など対峙する選手に得点を決められたくなかったので、また無失点で試合を終えられて良かった。今は個人として勝つことでサッカー選手としての生きがいを感じるし、勝っていくことでどんどんと自信がついていく良い循環がある。