仙台戦のみどころを読む!
「ゲームの後、全選手の前で話をした。彼は日本代表であり、キャプテンマークも巻いていた。そういった存在であってほしいと伝えた」
ロッカールームの緊張が、記者会見場にも投影されたようだった。7月29日。甲府を3-0で破り、聖地に歓喜の歌声が響き渡った夜。シーズン後半戦の幕開けを告げる90分で完封勝利を収めた指揮官は、厳しい口調で言葉を並べた。軽率なミスから大ピンチを招いた、背番号3への叱責――。揺るぎなき信頼関係ゆえのものであると同時に、チーム全員へ鋭く刺さった強烈なメッセージだった。「リードしてから押し込まれてしまった。もっと良い形で試合運びをしないと」と山本が言えば、「修正点はある」と鈴木は口元を引き締めている。ロッカールームから出てきた選手たちが口々に述べた、反省の弁。チームの思いは一つだ。もっと、もっと、やらなければいけない――。
セビージャFC戦も、そして甲府戦も、勝利という任務の遂行が充足感をもたらすことはなかった。「特に前半は、アクションを起こすことすらできなかった」。世界との差を痛感させられ、焦燥感にも似た進化への渇望を覚えずにはいられなかった戦いが前者なら、己の不甲斐なさと向き合い、苦しんだ末に3ポイントを掴んだのが先週の90分と言えるだろう。「後半は効果的に得点を取ることができた」と一定の評価を与えた指揮官はしかし、「前半はほとんど何もさせてもらえなかった」と言及することを忘れなかった。2週続けて似たフレーズを使い、さらなるレベルアップを誓っていた。
「選手は非常にアグレッシブに戦ってくれている。これをやり続けること。戦い続けること。継続すること。次の1週間もしっかり準備していきたい」
そう結んで、カシマスタジアムを後にした指揮官。“勝って兜の緒を締めよ”とは月並みな表現だが、言うは易く、行うは難しだ。それでも大岩監督は手綱を緩めることなく、選手たちと向き合い続けている。課題の明示も、反省点の列挙も、勝利という結果があってこそ。継続の重要性を強調する指揮官の下、アントラーズは一歩ずつ着実に前進している。
「どんなレベルでも、どんな相手に対しても、どんな状況でもやり続けないといけない。彼らが感じたもの、得たものを表現し続けてほしい。期待したい」
勝利とともに走り続ける日々にあって、まばゆいばかりの輝きを放っているのが、指揮官の期待を体現してみせる若武者たちだ。セビージャFC戦での鮮やかなドリブルとアシスト、そして甲府戦でのJ1初ゴール――。7月末で退職したスタッフからも「これからのチームを背負っていって」と思いを託された安部は「自分のような立場から底上げをしないと、優勝は難しい。この流れに乗って、次節に臨みたい」と、底知れぬ向上心を示してみせた。そして、7月12日の山形戦から3試合連続でゴールネットを揺らし、競争意識に刺激を与え続ける鈴木は「自分は1点だけではダメ。2点、3点と取り続けないといけない」と、ゴールへの貪欲な姿勢を隠そうとはしなかった。若きアタッカーたちの決意と勇気が、アントラーズをさらに上昇させるはずだ。「最後に一番上にいることを考えて、一つずつしっかりと戦っていきたい」と、鈴木は力を込めていた。
「最後に、一番上に」――。頂を見据えながら、目の前の試合に集中して勝利を掴みに行く。アントラーズの姿勢はいつどんな時も変わらない。そして今夜、新たな月の幕開けを告げる90分で対峙するのは、ベガルタ仙台だ。6試合が組まれた8月、聖地で戦えるのは2回だけ。だからこそ今夜、カシマスタジアムで力強く勝利を収め、勢いを加速させなければならない。聖地に駆け付ける背番号12とともに、総力戦で勝ち点3を――。進化と勝利の日々を、力強く走り続けよう。
ロッカールームの緊張が、記者会見場にも投影されたようだった。7月29日。甲府を3-0で破り、聖地に歓喜の歌声が響き渡った夜。シーズン後半戦の幕開けを告げる90分で完封勝利を収めた指揮官は、厳しい口調で言葉を並べた。軽率なミスから大ピンチを招いた、背番号3への叱責――。揺るぎなき信頼関係ゆえのものであると同時に、チーム全員へ鋭く刺さった強烈なメッセージだった。「リードしてから押し込まれてしまった。もっと良い形で試合運びをしないと」と山本が言えば、「修正点はある」と鈴木は口元を引き締めている。ロッカールームから出てきた選手たちが口々に述べた、反省の弁。チームの思いは一つだ。もっと、もっと、やらなければいけない――。

「選手は非常にアグレッシブに戦ってくれている。これをやり続けること。戦い続けること。継続すること。次の1週間もしっかり準備していきたい」
そう結んで、カシマスタジアムを後にした指揮官。“勝って兜の緒を締めよ”とは月並みな表現だが、言うは易く、行うは難しだ。それでも大岩監督は手綱を緩めることなく、選手たちと向き合い続けている。課題の明示も、反省点の列挙も、勝利という結果があってこそ。継続の重要性を強調する指揮官の下、アントラーズは一歩ずつ着実に前進している。
「どんなレベルでも、どんな相手に対しても、どんな状況でもやり続けないといけない。彼らが感じたもの、得たものを表現し続けてほしい。期待したい」

「最後に、一番上に」――。頂を見据えながら、目の前の試合に集中して勝利を掴みに行く。アントラーズの姿勢はいつどんな時も変わらない。そして今夜、新たな月の幕開けを告げる90分で対峙するのは、ベガルタ仙台だ。6試合が組まれた8月、聖地で戦えるのは2回だけ。だからこそ今夜、カシマスタジアムで力強く勝利を収め、勢いを加速させなければならない。聖地に駆け付ける背番号12とともに、総力戦で勝ち点3を――。進化と勝利の日々を、力強く走り続けよう。
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