セビージャ戦のみどころを読む!

スペインのラ・リーガに所属するセビージャは、その創設が1890年と120年以上の歴史を持つ古豪だ。タイトル歴などその歴史などは「Infographics」に譲るが、本拠地のセビリアのあるアンダルシア州を中心に高い人気を誇るセビージャはスペインサッカーを代表するクラブの1つといえよう。また同じセビリアを本拠とし、セビージャから分裂して1914年に設立されたレアル・ベティスとのライバル意識を非常に強く、その対戦は「セビリア・ダービー」と呼ばれ、スペインで最も熱いダービーともいわれている。
そのライバル、レアル・ベティスが低迷する中、セビージャは近年、スペイン国内よりヨーロッパでその結果を残している。国内でのタイトルは2009-10シーズンのコパ・デル・レイ(日本の天皇杯に相当)から少し遠ざかっているが、2013-14シーズンから3年連続でUEFAヨーロッパリーグ(旧UEFAカップ)を制覇したことは記憶に新しい。これはヨーロッパサッカーシーン史上初の快挙であり、昨シーズンはUEFAチャンピオンズリーグでも決勝トーナメントに進出するなどヨーロッパで確固たる地位を築き上げた。
レアル・マドリード、FCバルセロナの”2大巨人”に対抗するため、伝統的には「堅守速攻」のイメージが強いセビージャだが、昨シーズンは華麗なパスサッカーを駆使した攻撃的スタイルでファン・サポーターを魅了した。そのスタイルを確立したホルヘ サンパオリ監督は昨シーズンで辞任しているが、長くチリ代表監督を務めた、この南米屈指の名将の後を継ぐのが、同じアルゼンチン人指導者のエドゥアルド ベリッソ。ベリッソ新監督は2014-15シーズンからラ・リーガのセルタ・デ・ヴィーゴを率い、昨季はクラブをUEFAヨーロッパリーグでベスト4に導くなど安定的な成績を収めている。セルタではサンパオリ前監督と同様のパスサッカーを実践していただけに、セビージャの攻撃的スタイルも大きくは変化しないことだろう。
セビージャにとってはイタリア・セリアAのインテルから獲得したMFバネガなど新戦力を含め、新シーズンへ向けてのチーム固めという大事な時期。それだけにこの試合にもそれだけのモチベーションで臨んでくるだろう。また昨季Jリーグのチャンピオンであるアントラーズとしては、カシマでの開催だけに親善試合といえども、負けることは許されない。どちらもクラブの誇りを賭けて戦う、明治安田生命Jリーグワールドチャレンジ2017。激戦は必至だ。
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