札幌戦のみどころを読む!

「現時点でのベストメンバーと思う選手を先発として送り出す。どの選手のことも信頼している。それはミーティングでも伝えている」

 就任から約20日。「長い期間を取れたと言っても(インターバルは)2週間だけ。“色”はなかなか出せない」と言う大岩監督。土居も「剛さんのやり方はこれから浸透していく」と展望している。まだまだ、ではある。それは当然でもある。日数は浅い。それでも、フィジカルトレーニングの多用、スローインからの攻撃練習など、新たな特徴はいくつも見出せる。歴代監督との比較云々ではなく、指揮官が打ち出した新たなアプローチは非常に興味深く、そして期待感を抱かせる。
「コンディションを高めるトレーニングと試合への準備をすることができた。良い準備ができたと思う。ケガ人もだいぶ戻ってきた。選手たちの状態を気にかけながら、良い準備ができた」

 遠藤が10日の練習試合でゴールネットを揺らし、レオ シルバは驚異的な回復力を見せて全体練習へ帰還した。登録28選手中、すでに23名がリーグ戦のピッチに立った今季。「コンディションも見ながら総合的に考えていきたい。嬉しい悩みだと思う」と言う新指揮官の下、競争意識はさらに高まっている。求めるものはチームの勝利。その大前提の下、そこに己の姿があることを思い描きながら選手たちはトレーニングに打ち込んだ。
 2週間前、充実のパフォーマンスで存在感を示した中村は「広島戦の良い部分を継続しつつ、後半も同じテンションでやりたい。広島では後半に主導権を握れなかったから」と、90分トータルでの戦いを見据える。敵地に乗り込んだ新体制での初陣、前半45分の内容は盤石だった。その一方、ホームチームが攻勢に出た後半45分は終始劣勢を強いられてしまった。3点リードという状況がもたらした面が大きいとはいえ、それはアントラーズが追い求める姿ではない。指揮官は「思いのほか、選手が受け身になってしまっていた」と振り返る。明確な課題を持ち帰ったチームは、向上を期したトレーニングの日々を経て、聖地での戦いに向かう。
 今夜の相手は北海道コンサドーレ札幌。昨季のJ2を制し、トップリーグへと帰還した。敵地でポイントを積み上げるべく、守備に重きを置いた戦いをしてくることが予想されるが、土居は「焦れることなく、ボールを保持する時間を長くしていきたい」と展望。中村は「シンプルにボールを動かしていきたい」とプレーイメージを描いていた。着実に、そして力強く。聖地を埋め尽くす背番号12とともに、赤黒のゴールを陥れていかなければならない。

 さあ、新体制での初めてのホームゲームが幕を開ける。「一致団結 大岩アントラーズ」。広島に掲げられた力強いメッセージに、チームは心を揺さぶられた。アジアでの挑戦の終焉、そして指揮官の交代という激動の時を経て、再出発を遂げてから2週間。リーグ戦再開とともに突入する連戦の日々を、勝利の記憶で彩っていくために。そして何より、カシマスタジアムに歓喜の歌を響かせるために――。今夜もともに戦おう。頂点を目指す道のりを、アントラーズファミリー全員で突き進もう。
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