鳥栖戦のみどころを読む!

 「勝ち点3を取って帰るという目的を果たせて良かった。選手全員が90分間、集中力を保ってくれた。選手たちがタフに戦ってくれた成果だと思う」

 指揮官は選手たちを称え、勝利の喜びを語った。26日、蔚山現代FC戦。4得点を挙げて大勝を収め、他会場の結果により1試合を残してグループステージ突破が決まった。最良の形に終わった、敵地での大一番。敗れれば崖っぷちに追い込まれる可能性もあったが、アントラーズは力強く決勝トーナメントへの切符を掴み取った。
「過去のアウェイでの2試合の反省をみんなで活かそうと考えてやっていた。この2試合は、前半に失点して相手のペースになって苦しんでいた。監督の指示で“まずは失点しない”と意識を高めていた中で、(0-0で)前半を終えることができた」

 そう言って胸を張ったのは、圧倒的な存在感でミドルゾーンに君臨したレオ シルバだ。ゴールラッシュを締めくくるワールドクラスのミドルシュートを沈めた背番号4は、ACLのアウェイゲームで連敗を喫していた事実と向き合い、先制を許さないことを何よりも優先してピッチに立った。ピンチがなかったわけではない。簡単に背後を取られてしまった場面もあった。決して盤石ではなかったかもしれないが、それでも選手たちは任務を遂行してみせた。永木は「前半を無失点で抑えたのが今日のポイント」と頷いている。そして後半、相手の綻びを逃さずに均衡を破ると、ミスを見逃さずにスコアを重ねていった。
 「試合は続くけど、こういうゲームをできるように頑張っていきたい」。金崎が試合直後に語ったように、戦いは続いていく。4月30日から5月30日まで、1か月間で7試合。難敵が次々と立ちはだかる険しい道のりを、一歩ずつ進んでいかなければならない。蔚山戦の翌日、チームは帰国の途につき、夕方に鹿嶋へ到着した。翌29日は朝からミーティングを実施し、密度の濃いメニューを消化。次なる戦いへ向けた練習期間はわずか2日だが、過密日程が日常と化した今、チームは地に足をつけて準備を進めることができている。

 4月30日、カシマスタジアム。大型連休における唯一のホームゲームで、迎え撃つ相手はサガン鳥栖だ。毎年、苦戦を強いられる難敵との対峙で、アントラーズの真価が問われる。1週間前、サックスブルーの沸騰を見届けた屈辱は今もなお胸に刻まれている。今日こそ、聖地で歓喜を――。選手、監督、スタッフ、そしてサポーター。皆が共有する勝利の渇望を結実するために、総力戦で臨む90分が始まる。
 昌子は「応援への批判では決してないのだけど」と前置きし、こう話していた。

「サポーターの皆さんの応援は届いていますし、特にセットプレーの時に皆さんが跳んでいる姿は目に入っています。プレーが切れた時はよく聞こえるので。ただ、例えばミスがあった時にため息もよく聞こえるんです。どうしてもそうなる、俺らだってそうだけど、それでもちょっとずつ前に向かせてくれたら」

 感情の発露はフットボールの魅力の一つであり、選手たちが己のプレーで感動と情熱を生み出していかなければならないことも、昌子は十分に理解している。そのうえで、批判を覚悟のうえで、チームリーダーは思いを紡ぎ出した。「僕らが言えることではないと思うし、決して応援への批判ではないです。素晴らしい応援をしてもらっているのに結果を出せていないことを情けなく思っていますから」。試合後にはピッチの端まで挨拶へ向かい、「ブーイングは当然だと思う」と、その思いを受け止めた。昨年末もサポーターに“共闘”を呼びかけた昌子。ともに戦う背番号12に真摯に向き合って、ともに戦っているという思いを強く強く胸に抱いているからこその言葉を、試合前に記しておきたい。思いは一つだ。みんなで勝ちたい――。

 さあ、ホームの激闘が始まる。今日もともに戦おう。勝利の歓喜を分かち合う、最高の週末を、カシマで。
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