横浜FM戦のみどころを読む!

「何が何でも結果が欲しかった」と伊東が言えば、殊勲のレオは「得点よりも、チームが目指している勝ち点3を取れたことのほうが嬉しい」と笑顔を見せた。3月4日の甲府戦。スンテのビッグセーブで絶望の淵から生還し、公式戦2連敗というトンネルから抜け出したアントラーズ。つかの間の充電期間、そしてさらなる進化に向けた準備の日々を経て、重要な意味を持つホームゲームに臨む。
 中5日で迎える今節。公式戦が始まってから最長となる準備期間を得て、チームはトレーニングに打ち込んでいる。2月18日から15日間で5試合を戦い、3つの勝利と2つの敗戦が刻まれた。その結果に納得する者などいない。「強いチームにとって、連戦は宿命。その中で勝ってこそ、本当に強いチームだと思う」と語る伊東は、2つの黒星を悔やみつつも「この勝利をきっかけにしたい」と、甲府戦の後に語っていた。反省も、課題の抽出も、勝利という結果を残すことが前提にあり、その先で行うべきものだ。昌子は「どんな形でも勝たないと。勝った者が強いから」と言い残して、小瀬を後にした。

「チーム全体のパフォーマンスは確実に良くなっている。メンバーを大幅に入れ替えながら、その中で選手たちが互いにうまくやろうとする姿勢を見せているのは伝わるので、手応えを感じている。これからどんどん良くなると思う」

 2月の5連戦、石井監督は試合のたびに大幅なメンバーチェンジを敢行した。「まだコンビネーションは合っていない部分がある」中でも、新戦力との融合、切磋琢磨と新たな連係の熟成がチームの最高到達点をさらに高めると信じて、チャレンジを続けている。充実のメンバーリスト、その能力を最大限に発揮する形を探し求めながら、同時に結果を義務として己に課す日々。「もっと良くなる」と繰り返した指揮官の言葉に、選手たちへの厚い信頼と自信が滲んでいた。
 勝利と進化を同時に追い求める道のりを突き進むアントラーズ。その次なる相手は、横浜F・マリノスだ。歴史を築いてきた実力者たちとの決別を経て、「新生」という枕詞を纏ってシーズンに突入したトリコロールは、開幕2連勝と上々のスタートを切った。難敵・浦和を打ち合いの末に破った開幕戦、そして昇格組の札幌に格の違いを見せつけた第2節。すでに6回もゴールネットを揺らしており、勢いに乗ってカシマスタジアムに乗り込んでくることは間違いないだろう。アントラーズレッドの底力で、首位に立つ彼らを凌駕しなければならない。

 空白の歴史を作ることなく、“オリジナル10”の矜持を守り続けてきたアントラーズとF・マリノスが、プライドを懸けて激突する90分。金曜日の夜、カシマスタジアムで、ともに戦おう。勝利の喜びを、ともに分かち合うために。
友達に教える
  • OFFICLA SITE
  • HOME
  • Preview
  • EVENT
  • Pickup Player
  • Infographics