2014年、J1第32節。秋晴れのカシマ、2つのファインゴール。

穏やかな秋晴れの下、カシマスタジアムに笑顔と歓喜があふれた。リーグ戦は最終章、タイトルを懸けたマッチレースが続く。2014年11月22日、J1第32節。勝負のラス ト3試合、その幕開けを鮮やかなゴールが彩った。
 アントラーズは3週間前、雨の新潟で劇的な逆転勝利を収め、5試合ぶりに白星を手にした。西が古巣相手に決めたファインゴールが優勝への望みをつなぎ、チームに光をもたらしたのだった。そして迎えた川崎F戦、サポーターの後押しを受けた選手たちが躍動した。
 激しいボディコンタクトの応酬となり、拮抗した展開のまま推移した前半。このままスコアレスでハーフタイムを迎えるはず——。そんな予感がピッチを支配していた 前半45分、鮮やかなゴールによって均衡は破られた。ペナルティーエリア右手前でパスを受けた遠藤が、相手DFを背負いながら反転。得意のゾーンでゴールを視界にとらえると、背番号25に迷いなどなかった。相手GKの位置を見て左足を一閃。緩やかで、そして美しい軌道を描いたミドルシュートは、GKの手を避けるかのようにゴールへ向かい、ネットを揺らした。
 1-0で迎えた後半、今度は気迫に満ちたゴールがカシマスタジアムに歓喜をもたらす。53分、小笠原からのパスを受けた西が右サイドから狙いすましたクロスを供給。 ファーサイドへ飛んだボールに合わせたのは赤崎だった。バウンドにうまく合わせたダイビングヘッドが、サポーターの待つゴールへと突き刺さる。筑波大時代の恩師・風間監督とプロの舞台で対峙する喜びを燃料に変え、決意を持ってピッチに立っていたルーキーが会心のゴールを決めた。

  遠藤の鮮やかなループミドル、そして赤崎の気迫が込められたダイビングヘッド。2つのファインゴールによって、カシマスタジアムは祝祭空間と化した。2-1。青空の下、アントラーズレッドの歓喜がこだました。約2か月ぶりに掴んだ、ホームでの勝ち点3。勝利への渇望をようやく形にすることができた。
 今日もまた、あの時と似たシチュエーションかもしれない。勝利への飢えを、カシマスタジアムで勝つという強い意志を、ピッチに解き放つ90分。その先に必ず、歓喜の時が待っているはずだ。
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