
リーグ戦6試合目にして、ついに鹿島が初勝利をつかんだ。前半を意識の高い守備で乗り切ると後半に入り興梠の2試合連続となるゴールで先制し、一度は珍しいバックパスの判定から同点にされるが、試合終了直前に遠藤が劇的なゴールを決め、2-1と難敵FC東京に勝利した。
序盤、ポゼッションを高めて攻めてくるホームのFC東京に対し、鹿島は守備への意識を高く持ち、カウンター狙いでゴールを狙う。5分には右CKからキッカーの遠藤がニアに蹴ると、大迫が見事なヘディングシュートにつなげる。これはポストに辺り先制点とはならなかったが、選手たちからは初勝利への強い気持ちが感じられた。
そして23分には試合の結果を左右するアクシデントが起きる。岩政のクリアボールを大迫がコントロールし、鹿島がここからカウンターに入る。そして遠藤が絶妙なスルーパスを送り、前線の興梠が抜け出す。しかし必死に止めようと前へ飛び出して来た相手GKの権田と激しく交錯してしまう。興梠は何とか立ち上がったものの、権田は結局プレー続行不可能となり、29分に塩田と交代。これでFC東京のゲームプランは完全に崩れ、鹿島にとってはやや有利な展開となった。
その10分後、同じ形でまたしても遠藤のスルーパスから興梠が抜け出す。今度は少し浮かしたシュートでゴールを狙うも塩田の必死の顔面セーブでまたしてもゴールならず。8分のアディショナルタイムも含め、結局前半は0-0で折り返すこととなった。
後半に入ると、試合が激しく動く。58分、塩田へのバックパスで鹿島はゴール前6m付近からの間接FKという珍しいチャンスを得る。小笠原が触ったボールを遠藤が思い切り良くシュートするが、これは分厚いFC東京の壁に阻まれてしまう。
しかし66分、今度はカウンターから待望の先制点を得る。遠藤が太田の不用意なパスをカットし、そのままドリブルでカウンターに入る。見事な切り返しで相手選手のマークをかわすと、右サイドを走る大迫へボールを渡す。そしてここから大迫がゴール前の興梠へラストパスを出し、興梠が2試合連続となる先制ゴールを奪った。
先制直後の失点という浦和戦での悪夢を払拭するように先制した鹿島は慌てることなく守備への意識を高く持つ。69分に興梠に代え、ジュニーニョ、70分には青木に代わり昌子をピッチへ送り出したアイルトンコーチからの指示も明確に逃げ切りを目指すものだった。
だが鹿島は81分、前半で得たバックパスからの間接FKというシーンを逆にFC東京へ与えてしまう。ルーカスのパスをクリアした新井場のボールを曽ヶ端がキャッチし、完全に意図的ではなかったもののレフェリーの判定はバックパス。このピンチに全員が体を張って阻止したものの、結局84分、田邉に押し込まれて同点にされた。
またしても勝利ならずかと嫌な空気も流れたが、強いサポーターの後押しを得た選手たちがここであきらめることはなかった。アディショナルタイムに突入し、大迫に代わり増田がピッチに立つと足が止まったFC東京に反して、鹿島はジュニーニョ、増田らが激しく動き回り、得点機会をうかがう。そして試合終了直前、あきらめなかった鹿島がついに決勝ゴールを奪う。中盤での競り合いから小笠原が山村にボールをつなぐ。これを山村が左サイドに張るジュニーニョへ渡し、ジュニーニョは足の止まったFC東京DF陣を得意のドリブルで切り裂く。最後には中央に切れ込んで豪快なミドルシュートを放った。これは塩田の必死のセーブで止められたものの、仲間を信じて走り込んでいた遠藤がこぼれ球をトラップして冷静にゴールへ流し込んだ。その数分後には試合終了のホイッスル。鹿島はリーグ戦6試合目にして、ついに今季初勝利をつかんだ。
ジョルジーニョ監督のベンチ入り停止処分、そして雨の中、両チームにトータル9枚ものイエローカードが宣告されるなど苦しい戦いを強いられたものの、鹿島は最後まであきらめず勝点3を得て浮上のきっかけをつかんだ。まだまだ頂点までは遠い道のりだが、この6試合目での初勝利は奇跡の逆転優勝を果たした2007シーズンと同じ。チームが結束して困難に立ち向かう姿は、あの頃と何ら変わりはない。


















・相手のカウンター場面では、慌てずに次の一手を考えながら反応しよう。
・バランスとコンパクトさを崩さないこと。
・DFはズルズル下がらずに相手FWとかけひきすること。
・もっとシュートの意識を高く持つこと。
勝てて良かった。(1点目の得点シーンは)ボールカットの読みが当たった。(2点目は)ファーにいれば、こぼれてくるかジュニーニョからパスが出ると思っていた。苦しかったけれど1回勝てば、自信を取り戻せる。
【大迫 勇也】
(先制アシストの場面は)相手のラインに注意しながら、慎三さんを見た。2人で相手を崩せるようになってきた。試合はきつかった。これからも勝ち続けたい。ボランチを消す仕事が多く、バランスを意識した。
【小笠原 満男】
チームとしての意思統一はうまくできていたと思う。勝ったけど、まだ1勝だと思うので、勝てない悔しさと勝った喜びというものを忘れずに連勝していけるよう、チーム全員で戦っていきたい。
【昌子 源】
自分が入ってから失点してしまった。絶対1-0で終わろうと思っていたが、ずっと攻められても集中を切らさないようにしていた。1点入ったら終わりだと思ってプレーしたが、あの失点の仕方は下を向いてしまうようなやられ方だった。でもジュニーニョのいいプレーからヤスさんの得点が決まり、ホッとしている。
【曽ヶ端 準】
相手のバックパスが間接FKを取られていたので、微妙なプレーをしないように気をつけていた。胸でトラップする余裕はない難しいプレーだった。1本目は良いブロックだったと思う。あの位置からの間接FKは決めるのも止めるのも難しいと思う。そういう場面を想定しての練習はしない。
【岩政 大樹】
今日の試合も色々あって苦しかった。上手くいかなくなるとどうしても少しづつずれる。こっちは勝っていなく、FC東京は良い状態なので支配率は上がらないけど我慢しようとチームで話した。その通り90分通して出来ていたので自分たちがやろうとしたゲームだったと思う。これで将来が楽観的になるわけではないので、1つ勝っただけで一喜一憂はしない。
西選手、山村選手のコメントはアントラーズモバイルでご確認ください。