天皇杯 JFA 第105回全日本サッカー選手権大会 2回戦、カシマスタジアムでザスパ群馬と対戦した。
これが天皇杯では初戦となったアントラーズ。負傷者も多く、ベンチにはGK陣から梶川、山田の2名が入る苦肉のメンバー構成となる。台所事情が苦しいなか、それでも鬼木監督は「人が(メンバーが)変わってくるので、そうなった時に色々な役割が出てくる。そういうところで臨機応変にやれるように」と、選手たちに声をかけ、試合に臨んだ。
前半はアントラーズ相手にモチベーションの高い群馬から押される場面が目立つ。思った以上に激しいプレッシングに手こずるシーンが多くなったが、それでも16分に樋口のパスカットからレオ セアラがポスト直撃となる強烈なシュートを放てば、19分、柴崎の技ありパスから樋口がダイレクトボレーで合わせるなど、群馬ゴールに迫るチャンスは作った。
そして36分、相手のパスミスから思いがけない形でオウンゴールを得る。前半はアントラーズが1点リードして折り返した。
やや静かな45分となった前半とは打って変わって、後半はアントラーズの攻撃力が爆発する。その立役者となったのは、後半開始直後からピッチに立ったエースの優磨だった。
まず50分、この日、先発出場となり期するものがある松村が右サイドから絶妙なクロスをゴール前へ入れる。それにファーから走り込んできた優磨が豪快なヘディング弾を決めた。さらにその5分後、今度は樋口の鋭い右CKから、またしてもドンピシャリのタイミングで頭で決める。出場時間わずか10分で優磨は群馬から2ゴールを奪った。
これで勢いに乗ったアントラーズは次々と群馬ゴールへシュートを浴びせる。そして86分、交代出場のチャヴリッチがゴール前へ抜け出し、最後はフリーとなっていた優磨へラストパス。優磨はこれを冷静に決め、プロ入りから初となるハットトリックを記録した。
メンバーをそろえることもままならなかったが、終わってみれば、4-0と群馬に完勝。優磨の嬉しい記録のほか、松本が公式戦デビューを飾れば、久々の先発出場というチャンスを得た松村、樋口、溝口らが躍動のプレーを見せてくれた。
これで天皇杯は3回戦へ駒を進めることができたアントラーズ。次はリーグ戦に戻り、今週土曜日、ここカシマスタジアムに広島を迎える。再び勝利のためにカシマでひとつになって戦おう。
【この試合のトピックス】
・優磨がプロ入りから初となるハットトリックを記録。
・松本が公式戦デビューを飾る。




Q.群馬の変則的なシステムに惑わされることなく、うまく制限をかけていくことができた。そこについてどう感じている?
A.トレーニングのなかから選手たちが相手はどういうチームなのかということを把握しながらやってくれたと思います。トレーニングではエラーなどもあったが、より強気でやることでゲームのなかでは成功が多く出ると思っていた。選手たちがブレずにやり続けた結果だと思います。また、ボールを取ることが目的ではなく、そこからゴールにつなげること。今回はそこを大事にしていた。ゴールになるシーンもあれば、数多くのチャンスシーンもあった。守備だけではなく、守備からの攻撃も非常に良くやってくれたと思っています。
Q.厳しいチーム状況もあるが、そのなかでも収穫の多い試合となったと感じているが?
A.本当に厳しい状況ではあります。そういったなかでも、修平に関してもトレーニングから非常に積極性があった。人が少ないから出場できたというわけではない。そこに関しては、自分のなかでの基準がある。トレーニングからしっかりと示し続けたから、修平が試合に出た。これを継続してほしい。非常に良かったと思います。
Q.後半戦へ向けて弾みのつく勝利だった。そこについてどのように感じている?
A.選手にも「折り返しでもあり、天皇杯の初戦だ」ということを伝えて戦いました。一戦必勝で戦っていますが、「このゲームが次の広島戦へつながる」と話していた。選手がそういう思いで戦ってくれたと思いますし、結果がついてきた選手は自信にもなる。それをどの相手でも出せるようにやっていってほしい。満足してはいけないですが、この状況のなか非常にいい形で戦うことができたと思っています。
ただ、選手たちは今やれること、攻撃的なスタイルでチームを作っていくメンタリティはしっかりと出してくれた。パスミスで失点した直後のワンプレー目で、もう一度自分たちのトライをやめなかった。その辺りは指示したわけではないが、選手たちはしっかりと続けてくれた。その先の課題はあるが、これを進化させて、もっともっとゴールに迫る、ペナルティエリアに入る、シュートを増やす、鹿島よりも点を多く取れる日がくるまで、日々トレーニングをしてレベルをあげていきたい。ここまでサポーターが来てくれたが、その姿を見せられず申し訳ないが、明るい未来に向かって頑張っていくので、引き続きサポートしていただけたらありがたい。
(点は)入るときは入るし、入らないときは入らないなという感じ。相手が思った以上にうちの強度を嫌がっていたので、奪ったらチャンスになると前半から思っていた。ラッキーな形で先制できたが、追加点が課題のなかで取れたのは良かった。
【松村 優太】
(アシストは)自分自身、求めていたことだったので、その数字が一つついたのは良かった。打点が高くて強い選手が前線に多いので、上げれば決めてくれるだろうと思っていた。追加点を取りたいというなか、4点を取れて無失点で勝てたことは次につながる。
【小池 龍太】
天皇杯では、カテゴリーの違う相手のモチベーションがかなり高い。僕も同じ経験をしているので気持ちが分かる。そのなかで、いかに自分たちの戦いをするかが大事になると思っていた。結果として点差を広げて、後半戦につなげていくという意味では、いいスタートが切れた。
【溝口 修平】
結果を残したかった。悔しい。
守備でやられないのは大前提に、左足のキックやコンビネーションで崩す場面を出そうと思っていた。個人で剥がす場面を作れたのは収穫。チームとしても強みになるし、どのポジションでも出していきたい。
【松本 遥翔】
カシマスタジアムでデビューできて嬉しい。やっとスタートラインに立てた。点差もついていたので緊張なく入れた。チームメートに感謝したい。
まだチームの基準に達していないと思っている。その気持ちでやらないと試合には出られない。ゴールに向かう場面も作れたが、そこは自分の良さだと思うので続けていきたい。