▼▼MATCH HIGHLIGHTS▼▼
2024明治安田J1リーグ第22節、カシマスタジアムで北海道コンサドーレ札幌と対戦した。
前節のアウェイ神戸戦で、1-3と完敗を喫してしまったアントラーズ。あれから1週間、佐野がドイツへ、そして垣田が柏への移籍が決まり、チームは転換期へと入った。この新たなフェーズの初戦、絶対に勝たなければいけないホームゲームとなった。
また、この試合は「Love! Antlers SUNTORY DAY」として開催された。
チームの今後を決めかねないこの試合、キックオフ直後にいきなりアクシデントが起きる。開始15秒、相手のロングボールをキャッチにいった早川が小林と激しく交錯し、両選手ともピッチに倒れ込む。そしてなんと、ボールはそのままアントラーズゴールへ転がって入ってしまった。
まさかの形で早々に失点かと思われたが、これはオンフィールドレビューで小林がハンドと判定され、事なきを得る。その後はアントラーズがボールを保持し、札幌への圧力を強める展開となった。
しかし、前半はなかなか札幌ゴールを割ることができなかった。決定的なチャンスを何度か得たが、名古、師岡らが決め切ることができない。逆に前半終了間際には早川がはじいたボールを鈴木武蔵に狙われる。ここはゴール前で植田が足でなんとかブロックし、失点を免れた。結局、前半は0-0で折り返した。
後半に入ると、中盤で今季リーグ戦初先発となった柴崎のゲームメークに加え、交代出場のチャヴリッチが優磨との2トップを形成し、札幌へさらに圧力をかける。しかし、相手GK菅野の好セーブもあり、なかなか札幌のゴールを割ることができない。
55分を過ぎたあたりから嫌な雰囲気も漂い始めたが、それを払拭したのが、優磨と師岡だった。
61分、知念からのボールを受けた優磨がエリア内に縦パスを入れる。これを中央で受けた師岡がうまく前を向き、素早く右足を振り抜く。この鋭いシュートが札幌ゴールに突き刺さり、アントラーズは待望の先制点を得た。
プロ初ゴールを決めた師岡だったが、その直後に藤井と交代でピッチを去る。すると、その藤井が今度はヒーローとなり、カシマスタジアムをさらなる歓喜に導いた。
66分、右サイドでまたしても知念からのボールを収めた優磨がペナルティエリア左のファーサイドへロングボールを入れる。これに呼応した藤井が左足でダイレクトシュート。これが相手GK菅野の意表を突き、ゴールに吸い込まれた。
藤井のスーパーゴールで完全に試合の主導権を握ったアントラーズはその後も3点目を狙うが、雨が降り、危険な蒸し暑さとなったこともあり、徐々に運動量を失う。逆に札幌へ狙われるシーンも増えたが、早川、関川、植田らが最後まで体を張った守備で、失点を許さない。終わってみれば、2-0の完封勝利でこの重要なホームゲームを乗り切った。
リーグ戦では6月1日の国立でのホーム横浜FM戦以来、約1カ月ぶりとなる嬉しい勝利。佐野、垣田が抜けた初戦での勝ち点3にチームキャプテンの柴崎をはじめ、選手たちは安堵とともに笑顔を浮かべた。
だが、これは新たなチームの第一歩。次は中3日で、天皇杯3回戦を戦う。リーグ、そして天皇杯というタイトルのためにも、全員がひとつになって目の前の試合に集中するのみだ。
【この試合のトピックス】
・プロ初ゴールを決めた師岡が、LIXIL賞を受賞。
・優磨がザ・プレミアム・モルツ賞、藤井がペプシ〈生〉賞を受賞。



A.まず、モロには「初ゴール、おめでとう」と言いたい。それと同時に、決定的なチャンスが彼のところで多くあったわけで、そこを「なぜ決め切れなかったのか」ということを常に伝え続けていきたい。
試合を見ていて、選手交代についてミランコーチと「まず、師岡が決めるだろう」と話していた。ただ、決定的シーンを外すことを繰り返していたので、ちょうど代えようと思った時間帯だった。若手に関しては我慢強く使っていくことも大切だと思っているし、私もそういうタイプだが、前半だけで彼は3点を決めてもおかしくなかった。試合前にもハーフタイムにも話したが、ナーバスにならず、焦れずに引きずらないようにと話していた。
札幌は力があって、長く同じ監督がやっていて共通理解のある選手がそろったチームで、簡単な試合にはならないことは分かっていた。一番やってはいけないことは、焦ったり、しびれを切らすことだと思っていた。前半は、最後のフィニッシュでシンプルに足を振る、ゴールに向かう判断が少し足りなかった。打てるがシュートチャンスを逃す場面がいくつもあった。
後半はよりシンプルに効果的な攻撃ができたと思っている。優磨もライン間に出てきて、背後にうまく飛び出てチャンスを作っていた。智也もこれまでシーズン2ゴールを決めたことはないと思うので、シーズンベストが出たのではないか。これからもゴールが増えていくと思うし、どれくらい点を取ってくれるかを楽しみにしている。今日の試合も課題や修正点はあるので、次に向けてそこだけを考えていきたい。
Q.柴崎選手の評価は?
A.私が言うまでもなく、どういう選手か、またどれだけ先発出場から離れていたかは、皆さんがよく分かっていると思う。試合前には、とにかく楽しんでプレーしてほしいと伝えた。
彼が復活して本来のプレーを見せていくには、今日のような勝利が必要だったし、長く戦列から離れていた選手にとって復活への近道になる。彼にとってもいい試合になったのではないかと思う。
昨年から5人も移籍して、チーム内で9人がケガをしている現状のなか、今日出場した選手はいい戦いを見せてくれた。アントラーズを相手にこれだけ戦えるという姿勢を見せてくれたし、出場していた選手を決して非難することはできない。
夏場は暑さもあるし湿度もあり、90分間11人だけでは戦いきることはできない。サブメンバー、メンバー外の選手たちも含めて、チームとしての意識を高く保って取り組むことが、チーム力を高めることにつながっていく。そこはできていると思っている。
チームとしては最近勝てていない状況が続いている中で、もう一度カシマスタジアムで勢いを取り戻すための重要な一戦となる。この1試合でどういう試合をするか、どのような結果を残すかで、今後のシーズンを大きく左右すると思っている。そういう心持ちでいるし、チームとしてベストを尽くしてプレーをしていきたい。チームとしての課題は全員で共有して、改善に取り組んできている。それを試合での結果に反映させていかなければいけない。
【名古 新太郎】
優磨とは互いに互いを見ながらプレーができている。あとは、自分がもっと数字という目に見える結果を出していかなければいけない。点を取るのはどの選手でもいいと思うが、自分が点を取れるようになったら、もっと勝つ可能性は上がってくると思う。まずはチームが勝つために、ゴールを狙っていきたい。
前半にあれだけチャンスがあって決められなくて、交代かなと思っていた。後半はチャンスで足を思い切り振ろうと思っていたので、決めることができて良かった。
迷いはなかった。ゴールしか見えていなかった。決まった瞬間はあまり覚えてない。とにかく嬉しかった。もっと点を取れるようにやっていかないといけない。もっともっと決めていかないとタイトルを獲るのは厳しくなっていく。
【藤井 智也】
しっかり中に入っていくのは監督や優磨君に言われていたので、それがゴールになって良かった。2、3試合連続など、継続して決めてしっかりと自分の形にしていきたい。
今日のゴールは自分のなかで新しい形だったので自信になった。アシストのパスは、優磨君の技術の高さ。これからもあの位置に行けばボールをくれるので、どんどん入っていきたい。
【知念 慶】
試合運びにはまだまだ課題があるが、自分自身ももっと良くなっていくと思うし、ここから成長できると思っている。岳君とは試合中もコミュニケーションをよく取っている。1点目の起点のパスもトレーニングでのチャレンジがつながった。もっと岳君と会話しながら吸収していきたい。
今日は点を取ってほしい選手が取ってくれたので、チームにとってプラスになった試合。次もチームとして勝てるようにいい準備をしたい。
【早川 友基】
1-0、2-0になったときに無失点で抑えるのが役目。これまでは最後に失点して勝つことがあったけど、ここでひとつのきっかけを作ることができたのは大きい。もっとうまく守れると思うが、そこで自分が中心となってやれたのは良かった。
無失点はもっともっと守備陣がこだわらないといけないこと。それを植え付けていく必要がある。
【柴崎 岳】
まず、チームの勝利に貢献できたことは良かった。
チームとしてまだまだ甘い部分もある。試合運びだったり、修正しなければいけない部分はかなりあると思っている。結果は出たにせよ、そういった改善しなければいけない部分に目を向けて行くことがチームのためになる。タイトルレースに参加できる力を持ったチームだと思っているし、まだ成長しなければいけないチームだと思っている。
今後も自分たち次第だと思っている。勝ち点を重ねていけば、必ず優勝できると思っているので、集中を切らさずに目の前の勝ち点3をとることだけ考えて戦っていく。それを続けていけば、12月には自分たちの求めるものを手に入れることができると思っている。ここで集中を切らすことなく、夏場も過酷な状況の中だが、チーム一丸となって戦っていく。