▼▼MATCH HIGHLIGHTS▼▼
2024明治安田J1リーグ第19節、埼玉スタジアム2002で浦和レッズと対戦した。
シーズン前半戦の折り返しとなるこの試合、48,638人もの大観衆が詰めかけ、試合前から両チームのサポーターが激しいコール合戦を魅せる。スタジアムの雰囲気は最高潮のまま、前半のキックオフを迎えた。
数的には圧倒的に少ないものの、その熱量で浦和サポーターを凌駕する12番目の戦士たちから勇気をもらい、アントラーズは開始早々の3分、先制する。相手ボールを奪った後に、電光石火のカウンター。名古のスルーパスから右サイドで師岡が抜け出すと、抑えの効いた低く鋭いシュートを放つ。これは相手GK西川に止められたが、そこに優磨が素早く詰め、角度のないところから見事な1点目を決めた。
その後も浦和にポゼッションさせながらも、中盤の佐野、知念を中心に相手の攻撃を封じ込め、試合の主導権を握る。たまに放たれるシュートには、守護神の早川が見事な反応を見せ、失点を許さない。
そして42分、右サイドに展開した佐野がクロスを入れる。これは相手選手に当たったが、そのこぼれ球を逆サイドの安西がうまくさばき、最後は中央で待ち構えていた優磨が右足で浦和ゴールへ丁寧に流し込む。相手に手も足も出させない流れるような攻撃でアントラーズは2点のリードを得て、前半は完全に浦和を凌駕して終えた。
しかし、そこから試合の流れが大きく変わる。前半はボールを持たせていたようなイメージが強かったが、後半は逆にボールを持たれる展開となる。そして交代出場で出てきた武田に終盤、2点を決められ、結局、2-2のドローという悔しい結果に終わった。
完全に相手を掌でころがした前半から、逆に追い込まれる展開となった後半。光と影で対照的となったアウェイゲームで、またしてもライバルの浦和とドロー決着に終わってしまった。
これでリーグ戦は10試合無敗となったが、負けに等しい引き分けに試合後、アウェイゴール裏からは大きなブーイングが飛んだ。しかし、その直後にはもっと大きなコールも飛んだ。この激励に、次のホームG大阪戦で応えることができるか。いや、応えないといけない。
【この試合のトピックス】
・優磨が早くも、今季リーグ戦10ゴールを記録。



会場の雰囲気は素晴らしかった。互いにクオリティを出して、日本のフットボールのいいところを見せられた試合だと思うが、我々が最後に勝ち切れなかったことは残念で、次につなげていかなければならない。
改めて言わせてもらうと、我々の選手たちが見せてくれた前半の出来は、自分が日本にいた中でもベストと言えるものだったので、本当に誇りに思う。それでも結果を出せなかったことに対しては全員で目を向けなければいけないが、前半の姿は私の胸にしっかりと残った試合だった。浦和とアントラーズのサポーターが本当に素晴らしい雰囲気を作ってくれた。本当にリスペクトしている。人数は浦和の方が多かったが、我々のサポーターの声の方が私には届いていたし、我々のアントラーズサポーターの声の方が大きかったと思う。
Q.2位で折り返しを迎えることになったが、前半戦で安定した戦いができた要因は?
A.キャンプから見てくださっている方はわかると思うが、しっかりとした信頼関係を築けたことがあると思う。結果に対する責任は私にあるが、結果を出すためにクラブのスタッフを含めた全体が同じ方向を向けているということ、勝つためにそれぞれの役割をこなせているということ、選手たちが毎日見せてくれている真摯な姿勢、そういったものが(要因として)ある。チームでの約束事、やらなければいけない部分も日々のトレーニングでしっかりと共有できている。もっともっと成長していければ、違う戦い方も展開できるが、その力をつけるまでは、自分たちの良さを前面に押し出して、苦手な部分をできるだけ見せない、そういった戦い方をしてきた。
「我々がアントラーズである」ということを全員で再認識して、そのために何をすべきかということをやり続けている。サポーターの皆さんの熱量も、徐々に戻ってきていると思っている。アントラーズの全盛期、タイトルを獲っていた時期に戻りつつあると思っている。サポーターの皆さんからも、クラブで働いている全てのスタッフからも、勝利へのハングリーさが見えている。それも良い方向に向いている要因だと思う。これまで数年間獲れなかった、我々が持っているべきものを取り戻すこと。それに対して全員が目を向けて、貪欲に、ハングリー精神を持って仕事ができているからこそ、今の状態があると思う。
Q.前半よりも少しプレスの位置が前になったように見えたが、チームとしての狙いだったのか、相手に引き出されてしまったのか?
A.(プレスの位置が上がるのは)後半、我々がやってはいけなかったことだと思っている。試合展開的に、0-0であれば高い位置からボールホルダーへのプレッシングをしていくことは理解できるが、2-0でリードしている展開だったので。ただ、選手たちにはピッチの中でプレッシャーをかけてボールを奪い切れる感覚があったのかもしれない。私はセットするように伝えようとはしていた。理想の形というのは、ピッチ上の選手たちが状況を把握して、判断して修正していくこと。普段から頭を使うということをトレーニングで伝えている。後半もコンパクトに守備ができている時間帯もあった。しっかりとブロックを組んで、コンパクトに守れているときは相手のパスコースがなく、フィードのパスがタッチラインを割る場面も多かったと思う。ただ、ズルズルと下がりたくないという思いもあっただろうし、間延びした時間帯があったのも事実。今日の後半を見てもらえばわかる通り、まだまだ完成されたチームではないので、修正していかなければいけない。
Q.ここから暑くて湿度の高い夏がやってくるが、コンパクトさや強度を保つために必要なことは?
A.頭を使うこと、プレーの精度を上げること、効率化をしていくこと。より効率の良いプレーをしていくことが、コンパクトさとインテンシティを保つうえで必要なことだと思う。トレーニングから、そういったことを意識して取り組んでいる。頭を使って効率よくプレーするということ、試合後のリカバリーをしっかりとするということも重要になってくる。私も多くの国で監督業をやってきて、スペインやタイ、インドでも経験があるが、日本の夏の消耗が最も激しいと思う。暑さと湿度の高さが選手たちにとって負荷になるのは、理解しているつもり。強度を落とさないようにするために、工夫をして、頭を使うことが大事だと思う。そこを重要視して、準備をしている。
浦和との関係性は理解している。そして、必ず勝たなければいけない試合ということも分かっている。個人的には地元での試合なので、みんなの前でいいプレーをしていきたい。
最近は落ち着かせるプレーだったり、後方で起点になったりするプレーが増えているが、それ以外にも、アシストやゴールと得点に絡んでいくというところにも意識を強く持ちながらやっていく。
アウェイで独特な雰囲気の中での試合となると思うが、その中でも、その雰囲気さえも自分たちの力に変えて試合に臨む。
地に足着けて1試合ずつ目標達成に向けて戦っていくだけ。しっかりと勝てるように戦っていく。
【佐野 海舟】
浦和は、後方から前へしっかりつないでくるチーム。前節の反省を実戦で活かす、絶好のチャンスだと思っている。対策してきたことをしっかり出すことができれば、チームに自信がつくと思う。大事な一戦になる。結果はもちろん、内容にもこだわってやっていく。
先制点をとるということは非常に大事になってくるが、そのような状況でない場合はしっかりと無失点に抑えるといった臨機応変にやっていくことも重要になる。前節のように失点をしてしまうと、試合の進め方が難しくなってしまう。
一戦一戦しっかりと戦っていくことが大事になってくる。
ラストの5分で同点に追いつかれてしまったりするチームは、弱いチームだと思っている。こういった試合であのような形で同点にされるというのは、トレーニングからの甘さだったりが大きいと思っている。
監督も言っていたが、今日の前半は非常にいいプレーができて、相手もどうしたらいいか分からないような感覚に陥っていたと思う。後半は相手がフォーメーションを変えてきて、そこに自分たちがうまく対応できなかった。個人的には非常に悔しいゲームだった。ただ、連戦が続いていく。自分たちは完璧なチームではないので、出た課題を一つひとつつぶしていく作業が必要だと思っている。
【植田 直通】
今のチームの弱さを見せてしまった。リードしている展開で、無失点で終えることができるのがいい時の自分たちだと思う。それができなかったということに、非常に責任を感じている。
去年から違うのは得点力だと思う。得点が取れているのは枚数をかけているから。攻めながらも、守り切るという試合をもっと増やしていかないといけない。それができるようになってこそ、このチームがもっと強くなっていくと思う。得点が取れている中、今の課題は無失点にすることだと思っている。自分がその責任を感じながらやらなければいけない。自分の力不足だと思っている。
引き分けということで、負けなかっただけいいが、負けていないということだから慢心はしてはいけない。ここからまた上位陣との戦いも続いていく。これ以上、引き分けを増やしたくない。大事な試合を勝ち切っていく。今日出た課題を修正しながら、勝ち点を重ねていけるようにしていく。
【師岡 柊生】
難しい試合になったが、このような試合を勝っていかないと、さらに上には行けない。こういう試合は必ず勝ち点3を取らなければいけない。自分にベクトルを向けて、トレーニングからまた取り組んでいきたい。