▼▼MATCH HIGHLIGHTS▼▼
2024明治安田J1リーグ第8節、カシマスタジアムで京都サンガF.C.と対戦した。
前節、国立でFC東京に0-2と完敗を喫したアントラーズ。前々節の福岡戦に続き、ノーゴールでの連敗に試合終了直後、チームは重苦しい空気に包まれた。
しかしその後は真摯にトレーニングに励み、次の戦いへと心と頭を切り替える。対するは、京都。ホームのカシマスタジアムには"12番目の戦士"たちが駆けつけ、試合前から最高の雰囲気を演出してくれた。
「皆さんに借りを返す」。試合前、そう語ったポポヴィッチ監督は前節から先発メンバーを1人入れ替えて、この試合に臨んだ。選ばれたのは、これがJ1通算100試合出場となる藤井。アントラーズボールでキックオフすると、その藤井がスピードを活かし、前線に切り込む。さらに逆サイドのチャヴリッチも卓越したテクニックで京都守備陣に襲いかかった。
前半最大のチャンスは、21分。左サイドから藤井がカットインし、思い切りよく右足を振りぬく。強烈なシュートとなったが、これは相手GKク ソンユンにナイスセーブされた。これ以降は京都のしぶとい守備に手こずり、決定的なチャンスを作れずに前半を終えた。
後半に入ると、メンバー交代はなかったものの、藤井が右に行き、チャヴリッチが左へとポジションチェンジする。これが功を奏したのか、アントラーズがピッチを広く使い、京都を押し込む時間を多く作ることができた。知念、濃野、チャブリッチらが次々とシュートを放つも、これがクロスバーの上やポスト直撃で得点にならない。
猛攻を見せながら1点が遠いアントラーズだったが、85分、待望のゴールが生まれた。CKからの一連の攻撃でボールを拾うと、交代出場で入った師岡が左サイドから、ファーへ大きなクロスを入れる。これを前線に残っていた関川がヘディングで中央へ折り返すと、ゴール前に入り込んでいた濃野がこれまた頭で押し込んだ。濃野の嬉しいプロ初ゴールで、アントラーズが1-0とリードした。
結局、このまま試合はタイムアップ。ゴールこそ1点だったものの、何よりもカシマスタジアムに集ったアントラーズファミリーが全員の力で勝ち取った勝ち点3だった。そして濃野のプロ初ゴールが、アントラーズのリーグ通算1,800ゴール。ここからまたクラブの新しい歴史が始まる。
【この試合のトピックス】
・濃野がプロ初ゴール。これで、アントラーズはリーグ通算1,800ゴールを達成。
・藤井がJ1通算100試合出場を達成。
・濃野がLIXIL賞を受賞。



A.攻守においてチーム一体となって戦えた。そして、このホームの大歓声のなか、ファン・サポーターの皆さんと一体感を持って戦えたことがこの勝利につながったと思っている。このホームのスタジアムであのような雰囲気をつくってくれて、最後の苦しい時間も応援を止めずに背中を押し続けてくれた。我々の背中を押し、最大値を引き出してくれたのはファン・サポーターの皆さんだと思う。
我々はアントラーズだというキャラクターを今日、ピッチの上で体現できた。選手たちは、全員が自分たちの出せるものを1滴も残らずにピッチの上で出して、私が求めていることを全力で出し切ってくれている。これはホームであろうと、アウェイであろうと、連戦であろうと、我々が毎試合で見せなければいけないこと、やらなければいけないことだと思っている。こうしてチームとファン・サポーターの皆さんが一体感を持って戦う試合を続けていきたいし、今日はアントラーズファミリーの強さを見せられたと思っている。これを継続していかなければならない。
今日の試合に関しても戦術的にどうだったのかという話をすることはできるが、今日、一番重要だったのは我々がアントラーズらしさを見せること。そして、しっかりと勝ち切ったこと。ファン・サポーターの皆さんに、満足して家に帰ってもらえるような試合を見せられただろう。全員が全力を尽くして、ピッチのなかで力を持て余すことなく出せたことが非常に重要だと思っている。
Q.濃野選手への評価は?
A.私の試合前の彼への評価と、今日の試合後からの評価は変わることはない。ひとつだけ言いたいのは、今日の試合後にインタビューを受けすぎだということぐらい(笑)。
彼がゴールを決めたのは、もちろん素晴らしいことだが、今までどおりの彼のプレーを見せること、そしてそれを続けることがすごく大切だと思う。我々は試合を重ねるごとに成長していく姿を見せたいと話してきたが、選手自身も成長を見せてくれていると思っているので、チームと一緒に選手も成長していることが私にとってはうれしい。彼がゴールを決められなくても、または彼のところから失点しても、姿勢を変えずに地に足をつけて、ひたむきに努力し続けた。その結果が今日のゴールだと私は思っている。彼が今までチームのために戦ってきたご褒美だろう。
Q.試合中にチャヴリッチ選手の応援歌が多く歌われていたように、ファン・サポーターから彼が愛されていることについてはどう思っている?
A.チャヴリッチに対してのファン・サポーターの皆さんからの大きな声援とチャントがなければ、前半で代えていただろう。私が背中を押す力よりも、ファン・サポーターのその力のほうが強いことを改めて実感した。ただ、皆さんの声よりも、彼に聞いてほしいのは私の声。彼は皆さんがチャントを歌うたびに感謝の思いを示してるが、私がサイドライン沿いで叫んで、指摘しても、見向きもしないのだから(笑)。それは冗談だが、今、彼の状態は最高だとは言えないし、日本のサッカーに順応する必要がある。まだまだフィットしきれてない。
ただ、今は彼を本来置きたいポジションでプレーさせていないのは、そういったように順応させるため、チームのやりたいことをしっかりと刷り込むため。彼にも理解させるためにそうしているところも大きい。だから、チームでの役割、彼がやらなければいけないことを彼自身も理解してプレーすることで、本来のポジションに戻ったときにより大きな力を出せる、そしてチームにもたらせられると考えている。彼の力が一番活きるポジションでプレーをさせていないのには、そういった意図がある。
チームにとって重要な選手だし、今日、ご覧いただいたとおり、彼はまだまだフィットしていなくても、あれだけ危険な選手だという存在感がある。ただ、ここで私はチャヴリッチ選手の話だけでなく、智也の話もしたいし、知念の話もしたい。今日は、彼らの力を最大限に出したゲームだったと思う。その2人だけでなく、全員がそれぞれの良さを出した試合だったから、個人や特定の選手だけの話でなく、うちの選手全員の話をしたい。注目を浴びるのはアタッカーだが、今日、無失点に抑えられたのはチーム全体でそれぞれの力を出し切れたからだと思っている。こういったインテンシティで、テンポで、モチベーションで戦えれば、苦しむのはやはり相手になる。うちがこういった試合ができれば、どんな相手と戦っても、苦しむのは相手のほうだろう。だから続けていかなければならない。
アントラーズにやりたいことを前半から多く出されたとは思っていないが、自分たちがロングボールを拾ったあとの攻撃の質をもっと上げ、相手のコートでプレーする時間を長くしていれば、我々に勝利が転がったかなと思う。
残念ながら、そこでシュートを決めたり、サイドの崩しのところで少し時間がかかってしまったり、結果的には後半のアントラーズのダイナミックな攻撃に比べると、我々の攻撃は少し攻めきれずに終わってしまった感じはある。
それでも、前節、前半にいい入りをしながらも結果的には3失点を喫し、自分たちのやってきたことを否定せざるを得ないような結果に終わったあとに、しっかりと選手全員で立ち上がってここに向かって来られたのは、多少なりともポジティブにとらえている。勝てないとき、負けているときにダメな材料を探すのは簡単だが、それは自分の役割ではないと思う。自分たちで足りないところ、やってきたことを整理しながら、選手と一緒に次の試合に向かっていくだけ。ここで負けたことで下を向いても何も得られないので、しっかりとメンタルをリカバリーして、次の新潟戦に向かいたい。
やっていることは悪くないと思っている。続けていくことが大事。トレーニングではできているので、それをゲームで出せるかどうかが大事なこと。GKなので、無失点の時間を長く続けていくことが重要になってくるので、DF陣中心にそこへ向けてやっていきたいと思っている。
今は、後ろの選手のパスが攻撃への第一歩になってくる。そういったところに対しても、いいパフォーマンスを出せるように、チームとして、個人としてもやっていきたい。
後ろから見ていて、もっと攻撃的に行けるなというシーンは多い。まだまだ改善点は多いが、チームの目指していること、取り組んでいることはいいと思っている。もっと細部にこだわってやっていく。
【佐野 海舟】
この試合は、必ず勝たなければいけない。そこへ向けていい準備はできている。ここで負けていたら上位へは食い込んでいけない。勝利して、いい波に乗っていけるように戦っていく。まずはチームのために自分のできることをやったうえで、自分の良さを出していきたい。
自分たちのやってきたことに自信を持っていく。ゴールへ向かってプレーしていく。貪欲にゴールを狙う姿勢を見せていかなければいけない。
京都は強度が高いし、走り勝てるチーム。中盤の選手としては、そこに負けていたら試合の流れを持っていかれてしまう。目の前の相手に絶対に負けないというところを意識してプレーをしていく。
どの試合でも多くのファン・サポーターの皆さんがともに戦ってくれる。その中で結果が出ていなくて、申し訳ない気持ちがある。今回はホームなので、全員で勝って喜びを分かち合って、いい形でまた次へ向かっていきたい。
【樋口 雄太】
今週は、ボールを奪われた後の切り替えの部分をしっかりと確認してきた。みんなが同じ絵を描いてプレーをしているときは、ゴールに迫ることができている。
京都は、攻守においてハードワークをしてくるチーム。まずはそこの部分で負けないことが大事になってくる。あとは、攻撃をしているときの守備のところで、リスクマネジメントをしていくというところも重要になると思う。攻守一体となって試合を進めていかなければいけない。
相手が嫌がるような攻撃をしていかなければいけない。相手が前に出てくるというシチュエーションを作ればその後ろにスペースができてくる。そこのスペースを全員でうまく使うことができれば、相手の強さをひっくり返せるような攻撃ができる。
2連敗をしてしまい、ファン・サポーターの皆さんには申し訳なく思っている。応援してくれる皆さんのためにも、ホームでは必ず勝利しなければいけない。戦う姿勢を見せていきたい。
このカシマスタジアムでプロ初ゴールを決めることができてうれしい。
開幕からチャンスを多く与えてもらっていたなかで結果をなかなか出せず、今日は試合前から得点やアシストへの思いが強かったので、ゴールという形でチームの勝利に貢献できてホッとしている。
【藤井 智也】
(J1リーグ通算100試合出場は)通過点だし、自分自身はあまり気にしていなかったが、試合後に親から連絡があり、改めて親のサポートがあっての記録だと実感している。また、これまで指導してくれたすべての監督にも感謝したい。
【関川 郁万】
(先制アシストの場面は)師岡と目が合い、手を挙げた瞬間にボールが来たので、ヘディングで良い場所にボールを落とすことを心掛けた。
無得点で勝てない試合が続いていて、今日は何とか無失点に抑えてホームで勝ちたかったので、結果を出せてよかった。
【アレクサンダル チャヴリッチ】
この試合は絶対に落とすことのできない、すごく大事な試合になると意識していた。全員がピッチで全力を出し尽くしたことで勝利を手にできたと思う。
今日は監督が3つのポジションで試してくれたが得点できなかったので、次の試合でゴールを決められるように頑張りたい。
【師岡 柊生】
違いを示すこと、そして得点につながるプレーをすることを意識してピッチに入った。
(先制点の場面は)ゴール前を見たら郁万が見えたので、高いボールを送った。これからも出場のチャンスをつかむために日々の練習からしっかりと取り組んでいきたい。