天皇杯 JFA 第103回全日本サッカー選手権大会 2回戦、カシマスタジアムでHonda FCと対戦した。ミンテのゴールで先制すると、カイキが追加点を決めて前半のうちに2-0とリードを広げる。そして後半には染野が追加点を決めて、3-0で勝利した。
リーグ第16節 浦和戦から中2日。アントラーズはノックアウト方式の天皇杯2回戦に臨んだ。
スタメンはリーグ戦から11人全員を入れ替えた。GKが沖、フィールドプレーヤーは、常本、昌子、ミンテ、溝口、舩橋、中村、仲間、カイキ、荒木、染野が入った。ベンチには、早川、関川、佐野、土居、藤井、師岡、優磨が座る。
立ち上がりはロングボールを多用し、セカンドボールを拾って、高い位置から攻撃を開始した。
荒木が積極的にボールを受けて、攻撃の中心となる。自身もシュートを放ち、ゴールに迫った。
相手陣内でのプレーを続けていると、コーナーキックを獲得。13分、荒木が蹴ったクロスをニアでミンテがタイミングよく頭で合わせた。力強いヘディングシュートはゴールに突き刺さり、アントラーズが幸先よく先制に成功する。
しかし、アントラーズは得点後に攻撃の勢いが落ちてしまう。ゴール前にクロスを入れられ、ヒヤリとする場面もあった。
ただ、21分には再びチャンスをつくる。攻撃参加した中村がペナルティエリア内からクロスを入れると、ゴール前で染野に当たる。しかし、これは枠に飛ばず、惜しくも追加点とはならなかった。
だが、チャンスのあと、Honda FCに攻め込まれる展開となり、立て続けにシュートを許してしまう。アントラーズがカウンターからチャンスをつくる場面もあったが、なかなか試合をコントロールすることができなかった。
その後も、拮抗した展開が続く。溝口や中村、舩橋へいい形でボールが入れば、うまく相手を剥がすことができたが、後方で攻撃が停滞する場面が多かった。
それでも、37分にチャンスをつくる。コーナーキックのセカンドボールを拾った溝口からパスを受けた仲間がクロスを入れると、カイキが高い打点でヘディング。惜しくもシュートはクロスバーに阻まれたが、ゴールに迫った。
すると、39分に再びカイキが魅せる。中村からの縦パスを受けたカイキが、相手の股を抜いて、ドリブルで突き進む。そして、ペナルティエリア手前で右足を振り抜くと、力強いシュートはゴールネットへ勢いよく突き刺さり、追加点を奪うことに成功した。
前半は思い通りの試合運びとはいかなかったが、2点のリードを奪い、ハーフタイムに突入した。
後半立ち上がりからアントラーズがチャンスをつくる。得点には至らなかったが、カイキのパスで裏へ抜け出した染野がシュート。また、染野がペナルティエリア内で倒され、PKかという場面もあった。
55分に仲間との交代で土居、56分にカイキとの交代で藤井を投入した。すると、61分に決定機が訪れる。溝口が難しい体制でうまく藤井へのパスを通すと、藤井が左サイドを突破して、ボールを運ぶ。藤井はオーバーラップした溝口をシンプルに使い、溝口がゴール前へ絶好のクロスを送った。しかし、フリーで土居がヘディングシュートを放つも、枠を捉えることができず、得点には至らなかった。
62分、荒木との交代で師岡を投入した。その後もアントラーズが押し気味に試合を進める。すると、68分に追加点が生まれた。溝口が相手に寄せられながらも、藤井のスピードを活かす正確なパスを送ると、藤井が左サイドを独力で突破する。ペナルティエリア内まで持ち運んでラストパスを送ると、最後は染野がダイレクトで見事にゴールを射抜いた。染野の復帰後初ゴールで、リードを3点差に広げた。
得点後もアントラーズは攻撃の手を緩めない。71分には溝口のクロスを染野が胸で落とし、師岡がシュートを放つ。得点には至らなかったが、若手選手の積極的なプレーが目立った。
終盤はHonda FCに押し込まれる場面もあったが、最後まで全員で体を張り、3-0と試合終了を迎えた。
次はリーグ戦へ戻り、中3日で湘南と対戦する。求められるのは勝利のみ。チーム一丸で準備を進める。
【この試合のトピックス】
・ミンテ、カイキが今大会初ゴール
・染野が復帰後初ゴール



A.ホッとしているところもあるが、何よりも今は出場した選手たちが結果を出しただけでなく、素晴らしい内容の試合を見せたことを非常に嬉しく思っている。
Q.昌子選手、ミンテ選手、カイキ選手の存在の大きさをどう感じている?
A.それぞれが様々な思いを抱えながらシーズン前半戦を戦っていた選手たちが、今日のピッチに立った。当然、私も選手だったので、いろいろな思いを抱えながら日々を過ごしていることを感じながら彼らを見ている。そのなかで、厳しい目で見なければいけない立場でありながらも、どのような取り組みをしているか、心苦しい思いも持ちながらいつも見ていた。とはいえ、アントラーズの選手として求められているレベルがあり、そこに対して彼らに要求をし続けている。ミンテもそうだが、何度か今日の試合に出た選手たちが私に話に来ることもあり、そのなかでいろいろな話をしてきて、彼にはセットプレーからのゴールを求めてきたところもある。今日はその答えを出してくれた。そこはベテラン選手だけではないが、日ごろの練習でよく取り組んでくれている成果が出たと思っている。
Q.3回戦の相手は甲府に決まったが、次戦への意気込みは?
A.どのような気持ちで臨むのかというと、完全に昨シーズンのことは忘れて、フラットにスタートしているというのが僕の気持ち。とにかく、ピッチに立ちたいという思いでアピールしている選手がたくさんいるので、どのように試合を迎えるかということで頭がいっぱいで、昨年のことを思い出して変な力を入れる必要はないと思っている。そういったチーム状態にあると思っているので、リラックスして、落ち着いて、なおかつ自分たちの今やり続けていることを出せる状態で、試合に臨ませることが大事。あまり前のめりになりすぎないことが、僕の望むところ。
途中、自分たちがボールを握るような展開にできたが、我々の強みであるサイドを有効に使って、サイドから崩していくところで一工夫が足りなかったので、アントラーズの守備をこじ開けることができなかった。力の差を痛感した。
Honda FCには、天皇杯で勝ち進んでくるイメージがあるし、決して油断してはいけない試合になる。アントラーズらしいフットボールで、立ち上がりから積極的に試合へ入りたい。まずは自分の得意とする守備の部分からリズムをつくっていきたい。
【溝口 修平】
左足のクロスで違いを見せたい。クロスの入れるタイミングはチームとして共有しているので、積極的にどんどんクロスを入れていきたいし、トレーニングの中でも取り組んできた部分。結果を求めて戦っていく。
【アルトゥール カイキ】
アントラーズに加入してから、今が一番コンディションが良い。試合に出れば、結果を残す自信がある。一発勝負なので、全員がとにかく集中することが大事だし、集中力を切らさなければ、いまのチームなら間違いなく勝てると思う。
(得点の形は)練習していたとおり、中央に絞ってボールを受けるための動き出しができた。いいタイミングで亮太朗からパスを受けて相手DFをかわし、染野がシュートコースを作ってくれたので、いいシュートを打つことができた。みんなで取った得点だと思っている。
【染野 唯月】
ゴールを決めることができて、ホッとしている。約2ヵ月間の離脱を経て復帰し、90分間プレーしたことは体力的にきついところもあった。ただ、日ごろの練習から頑張ってきたなかで出場のチャンスをつかみ、得点を取ることもできた。自分にとってすごくプラスになった。
【キム ミンテ】
(先制点は)タロウにニアサイドにボールを蹴ってもらうように要求し、いいボールが来たので頭に当てるだけだった。監督は選手時代にセットプレーからのヘディングシュートがうまかったので、何度かアドバイスを求めていた。そのおかげで練習から表現できた実感があったので、それがゴールにつながったと思う。
【荒木 遼太郎】
この一発勝負に勝てたことに、まずはホッとしている。(先制点のアシストとなったCKについては)ミンテと昨日の練習から話していて、「明日はゴールを決めるから」と言っていたので、その言葉どおりに得点してくれて良かった。チャンスはいつ来るかわからないので、これからも常に準備していきたい。
【舩橋 佑】
対戦相手のカテゴリーは関係なく、自分たちのやるべきことをやろうと試合に臨んだ。あまり試合に出場していない選手たちが思い切りプレーできたこともあり、結果を出せたと思う。今後はリーグ戦にも絡んでいって、ゴールやアシストができるように、日々の練習からもっとアピールしていきたい。