▼▼MATCH HIGHLIGHTS▼▼
2023明治安田生命J1リーグ 第21節、味の素スタジアムでFC東京と対戦した。先制点を許す苦しい展開となったが、優磨のゴールで同点に追いつくと、垣田が逆転弾を決め、前半を2-1で折り返す。そして、後半にピトゥカが追加点を決め、FC東京を3-1で下した。
天皇杯3回戦で甲府に敗れてから中3日。味の素スタジアムに乗り込み、FC東京と対戦した。
スタメンは、GKが早川、フィールドプレーヤーは広瀬、植田、関川、安西、佐野、ピトゥカ、樋口、仲間、垣田、優磨が入った。ベンチには、沖、昌子、荒木、土居、松村、舩橋、師岡が座る。
キックオフ直後から両チームともに高い強度で試合に入り、激しい球際の攻防が繰り広げられた。
最初にチャンスをつくったのはアントラーズだった。3分、仲間が前線で体を張ってボールを収め、枠内を捉えるシュートを放つ。相手GKのセーブに阻まれたが、立ち上がりから積極的にゴールに迫った。
そして、7分に再びチャンスを迎える。左サイドの高い位置まで侵入した優磨がクロスを上げると、小泉に当たってコースが変化し、ゴール方向へ。しかし、惜しくもクロスバーに跳ね返り、ゴールとはならなかった。
しかし、立ち上がりから押し気味に試合を進めたアントラーズだが、一瞬の隙を突かれてしまう。9分、FC東京のコーナーキックを跳ね返し、全体を押し上げ、GKのヤクブ スウォビィクにロングフィードを蹴らせる。しかし、最終ラインを上げ切ることができず、右サイドの松木に抜け出されてしまった。そして、松木にドリブルで持ち運ばれると、ペナルティエリア内のディエゴ オリヴェイラにパスが通り、反転からうまくシュートを決められてしまった。早い時間帯に先制を許してしまう。
失点後、なかなかリズムをつかめなかったアントラーズだが、時間の経過とともにボールを動かせるようになる。FC東京の強度の高いプレスをうまく剥がし、ミドルゾーンまで持ち運んだ。しかし、相手陣内では自由を与えてもらえず、ミスでボールを失う場面が目立った。
それでも、23分にセットプレーから同点に追いつく。樋口がコーナーキックをファーサイドへ蹴ると、このボールに優磨が勢いよく飛び込んだ。高い打点で合わせたシュートは、クロスバーに当たってゴールラインを割った。優磨のゴールで1-1の同点に追いつく。
その後、強度の高い展開が続き、球際の勝負は白熱した。互いに譲らず、緊張感のある攻防が繰り広げられた。そして前半終盤はアントラーズが試合をコントロールする。早川の正確なフィードもあり、FC東京の前線からのプレスを無効化することに成功。相手陣内でも、スペースをつくり、スペースを使う、効果的な攻撃を仕掛けることができた。
すると、45分に得点が生まれる。安西が左サイドでドリブルを仕掛けてクロスを上げると、ファーサイドでうまく相手DFと入れ替わった優磨が胸トラップからシュートを狙う。優磨に対応した長友に粘られ、シュートは打たせてもらえなかったが、こぼれ球を樋口がボレーで合わせる。このシュート性のクロスをゴール前にいた垣田が見事に反応し、ヘディングでゴールネットを揺らした。垣田の公式戦2試合連続ゴールで2-1と逆転に成功する。
前半はこのまま2-1で終了。1点のリードでハーフタイムに突入した。
後半も拮抗した展開となったが、最初のチャンスをつくったのはアントラーズだった。中央でうまく佐野と仲間が連係し、相手を引き寄せてからフリーの優磨へ展開。優磨がタメをつくると、オーバーラップした安西をシンプルに使ってニアゾーンへ侵入し、クロスを上げた。相手のブロックに阻まれ、得点には至らなかったが、精度の高い攻撃を仕掛けた。
そして、53分にはサイドの連続攻撃から最後はピトゥカが鋭いミドルシュートを放ち、ゴールを脅かす。アントラーズが怒涛の攻撃を仕掛けた。
すると、54分に追加点が生まれる。中盤の攻防で仲間がボールを奪うと、左サイドに流れた優磨にパスが渡る。優磨はオーバーラップした安西を使い、安西がクロスを入れると、ゴール前で仲間が合わせる。仲間のシュートは惜しくも相手GKの好セーブに阻まれたが、こぼれ球を拾ったピトゥカが胸トラップから左足を振り抜いた。低く鋭いシュートは、相手選手の間を通り抜け、ゴールネットに突き刺さった。ピトゥカの追加点で3-1とリードを広げた。
リードを2点に広げたあとも、危なげなくプレーし、時計の針を進めた。
しかし、63分にピンチが訪れる。コーナーキックの流れから松木にミドルシュートを放たれると、ペナルティエリア内の混戦のなかでコースが変わり、ボールはゴールに飛ぶ。早川は逆モーションとなったが、見事に触り、こぼれ球に詰めた選手との接触も恐れず、弾き出した。早川の好セーブでリードを2点に保つ。
ピンチを凌いだアントラーズは、69分にコーナーキックから決定機を迎える。樋口が質の高いボールをゴール前に送ると、植田がうまく合わせた。しかし、枠を捉えることができなかった。
70分、ハードワークを続けた仲間、樋口に代えて、荒木、松村を投入。そして、75分に垣田との交代で師岡を投入した。師岡は投入直後から積極的にプレーし、存在感を示した。
その後もアントラーズが主導権を掌握する。セットプレーを立て続けに獲得し、FC東京を攻め立てた。FC東京のカウンターにもしっかり集中して対応し、チャンスらしいチャンスをつくらせなかった。
終盤に入ると、スペースが生まれ、前線のスピードが活きる展開となった。勢いよく攻撃を仕掛けた。
しかし、90分に一瞬の隙を突かれ、カウンターを許してしまう。松木のスルーパスから熊田に抜け出されると、ペナルティエリア手前で安西が倒してしまった。決定機阻止により、安西にはレッドカードが提示された。
1人少なくなったアントラーズは、後半アディショナルタイムに優磨、師岡との交代で土居、舩橋を投入。2点のリードを守りに行く。
そして、最後まで集中を切らすことなく戦い、試合終了を迎えた。3-1でFC東京を下し、公式戦5試合ぶりの勝利をつかみ取った。
リーグ戦は3週間の中断期間に入る。再開初戦の札幌戦に向け、チーム一丸で準備を進めていく。

【この試合のトピックス】
・優磨が今季リーグ戦9ゴール目
・垣田が今季リーグ戦3ゴール目、公式戦2試合連続ゴール
・ピトゥカが今季リーグ戦2ゴール目



Q.ホームのような雰囲気を作ったサポーターの熱量があったと思うが、どう感じたか?
A.このクラブが伝統的に持つ強さであり、自分もそこに支えられて良い時期を過ごすことができた。今日も助けられたと思う。今日はフットボールの部分、ずっと取り組んでいることをどれだけ出せるかという部分で、ようやくいろいろなものがつながって、試合の中で出てきたと思う。サポーターの皆さんが勇気をくれたおかげだと思っている。
Q.昨日の会見で「シンプルにやることが重要」と言っていて、選手たちは迷いなくプレーしていたように見えたが、その要因は?
A.非常に難しい局面だった。チームとして数試合、勝てない中でも新たに取り組んでいることがある。取り組んでいることの一つ一つは試合の中で出ているが、シーズン中に取り組むことによる粗のようなものもあって、結果が出ない部分があった。近い将来、優勝というところまで到達するためにはそれに取り組まなければいけないと伝えながらやってきた。ただ、結果に結びつかないことで、選手たちも疑心暗鬼になっていたと思う。どうアプローチするかは悩んだが、それを外して、「蹴って走ってとりあえず勝っておけ」という言い方をしても、その先につながらない。賭けではだったが、やっていることをよりシンプルに伝えて、試合の中で出ることを願って、送り出した。試合の中で一つ一つ、相手が与えてくれるスペースを使うということを理解して、やっていくことで自信になって、ボールを受けて展開して、という流れになった。ずっと伝えているように、取り組み続けていること。自分の指導の中でも、ようやくつながってきた。
Q.今シーズン、一番暑かったと思う。その中で選手交代のプランが機能したように思うが?
A.水曜日にスタメンだった藤井、名古をベンチ外として、若い選手を起用した。疲れた時間帯にペースアップする狙いは出せた。最後の質の部分、決め切るところはまだだが、ペースを変えたり、さらにペースアップしたりということは期待通りだった。退場者が出る前は同じシステムのままで選手を入れ替える予定だった。師岡は非常に良い活躍をしてくれて、代える必要はなかったが、マネジメントの中で、昌子もしくは土居という経験のある選手を入れたかったので、交代した。
Q.(甲府戦でPKを2本外した)樋口選手が2アシストの活躍だったが、働きかけた部分はあったか?
A.おととい、練習後に話をした。他愛もない話だが、「PKを外したことがあるか」と。自分も外したことがあって、今は考えられないかもしれないが、選手を引退した後に言葉をかけやすいぞと、自分も外した経験があるからこうして話ができると、そんな話をした。彼は鳥栖から移籍してきて、試合に出続けながらも苦しんでいた部分もあった。そこが整理できて、躍動してくれている。ボランチでも前でも、走力やキック、ボールに絡み続ける部分がチームにとって非常に大きな力になっている。
Q.優磨選手が6試合ぶりの得点を決めたが、あらゆる得点に絡んでいた。彼の貢献について。また2トップがそろい踏みとなったが?
A.彼は見ての通りすごい男だと思う。チームが窮地に立たされた時に先陣を切るだけでなく、結果にまでつなげてくれる。非常に助かっている。今日は先制された中で、チームとしてやろうとしていることを彼がピッチ内で先頭を切って「やり続けよう」と話をしているのが見えた。そのおかげで、ゴールを決めて、2点目、3点目に向けた気持ちも引っ張って行ってくれた。彼のおかげで、僕は何もしなくてよかった。2トップに関しては、垣田だけでなく、知念とカイキが同じくらいのタイミングで離脱したのは非常に痛手だった。そこから1か月は難しい時期を過ごした。(逆に)チャンスだと思っていろいろなやり方を試したが、結果にもっていくことができなかったのは自分の責任。選手たちには申し訳なく思っている。垣田がスタメンに戻せる状況になって、この形は2人の関係性もそうだし、中盤の選手が空いたスペースを使う部分も含めて、非常にフィットしている。今の新しい鹿島のベースのやり方だと思う。ここにいろいろな選手を組み込みながら戦っていくことになると思う。
Q.優磨選手不在時の戦い方が課題になる?
A.まさにそれを試合前のミーティングで伝えた。仲間も樋口も土居も、チームのために働いてくれているが、得点という部分では優磨に頼っている。分散していかないとタイトルに届かない。選手たちの意識を得点に向けてもらえるように話をした。シュートへの意識も出ていたと思う。ボランチも含め、ゴールへ向かう良い傾向が見えた。加えて、今日出た若い選手、ベンチ外だった若い選手が覚醒して絡んでくれることを期待して、発破をかけていきたい。ゴールやアシストまで行ってほしかったが、もう半歩という場面も作ったし、そういう場面が出てくれば調子に乗ってくれて、プラスアルファになると思う。
相手もハードワークしてくるチーム。自分たちもその部分で負けてはいけない。いまはファン・サポーターの皆さんに申し訳ないという気持ちが一番にあって、勝ちを皆さんへ届けないといけないと思っている。何がなんでも、全員の力を合わせて勝ちにいきたい。
【仲間 隼斗】
天皇杯の敗戦を引きずることなく、100%の力を出して、FC東京と戦うことに集中したい。いまは選手やスタッフ、チーム全員が一つになって、一人ひとりができることをやり尽くすことが大事だと思う。
【佐野 海舟】
まずは目の前の相手に負けないことが何よりも大事になる。しっかり相手への対策は練っているので、それをチームとしてまとまりをもって戦う必要がある。バラバラにならず、みんなでまとまることを意識してプレーしたい。
ここ最近不甲斐ない試合が続いていたので、勝って中断期間に入れるようにしたかった。本当に良かった。
これまでもボールは自分のところに来ていた。最近はなかなか決めることはできなかったが、ボールが自分のところに来ているなかで、しっかりと当てることができれば決める自信はあった。雄太のボールがすごく良かった。
相手も天皇杯で120分、PKとやっているチームだったので、同点に追い付いた後、ガクッと落ちるのがわかった。そのあとに、カキが2点目を決めてくれた。その追加点が非常に大きかった。3点目は入るだろうと思っていた。チームとして、追加点を決めることができて良かった。
今年は、「成長」を掲げているシーズン。早く全員で成長していきたい。優勝しなければ、アントラーズの強さは失われていく。優勝して、その優勝の味を選手が覚えて、その先も優勝を狙うチームにならなければいけない。優勝したいのと同時に、そんな簡単には優勝できないというのを自覚している。
【垣田 裕暉】
ゴールの場面は、雄太君のシュートチャンスでそのシュートのこぼれ球を狙って準備していたら、ボールが自分のもとへ来た。速いボールだったが、体が反応して決めることができた。
みんなで今日の試合に目を向けてやってきた。その中で、負けた次の試合に勝ち切ることができて良かった。
【早川 友基】
勝ててうれしい。自分たちがやってきたことを出せたゲームだった。暑い中だったが、全員がハードワークして勝つことができた。
もう、どの試合も落とすことはできない。リーグ戦も、ここから上へと行くだけ。この中断期間は自分たちが成長できる時間だと思うので、しっかり積み重ねていって、再開初戦で勝てるように良い準備をして向かっていきたい。
【佐野 海舟】
チームとして、切り替えて前へ向かっていくしかなかった。このような結果で終わることができて、プラスになった。
隙を見せることなく、常に集中してプレーすることができた。バランスをとることを意識して、みんながやりやすいようなポジショニングやカバーリングを心がけてプレーしていた。
次の試合まで期間が空くが、この期間でチームとしていい形を作れるようにして、再開初戦で必ず勝利して、タイトルへ向けて戦っていきたい。