▼▼MATCH HIGHLIGHTS▼▼
2023明治安田生命J1リーグ 第15節、駅前不動産スタジアムでサガン鳥栖と対戦した。先制点を奪われたものの、名古のゴールで同点に追いつき、前半を1-1で折り返す。そして、後半も先に勝ち越し点を取られる苦しい展開となったが、後半アディショナルタイムに優磨が同点ゴールを決め、2-2の引き分けで決着した。
YBCルヴァンカップGS第5節のホーム柏戦から中2日。すぐにアウェイ鳥栖戦へ向けた準備を進めた。
鳥栖戦の先発は、GKが早川、フィールドプレーヤーは広瀬、植田、関川、安西、樋口、ピトゥカ、名古、仲間、垣田、優磨が入った。ベンチには、沖、昌子、常本、土居、カイキ、佐野、染野が座る。
前半の立ち上がりは、後方からショートパスをつなぐ鳥栖に対し、アントラーズはアグレッシブに守備を仕掛けた。プレスを剥がされても、前線の選手がすぐに戻り、ミドルゾーンで高強度の守備組織を構築した。
拮抗した試合展開のなかで、9分にピンチが訪れる。ピトゥカ、名古のクリアが不十分になり、ボールは小野のもとへ。ペナルティエリア内から小野に決定的なシュートを放たれた。ただ、これは早川の好セーブでなんとか失点を防ぐことができた。
11分にも再び鳥栖にチャンスを許してしまう。左サイドを長沼に突破されると、森谷、岩崎に連続でシュートされた。どちらも枠に飛ばず、失点にはならなかったが、危険な場面だった。
ピンチを凌いだアントラーズは、13分に、この試合初めての決定機が訪れる。関川の正確なロングフィードから垣田が見事なトラップでボールを収め、前線で起点をつくる。そして、左サイドに流れたところで優磨がクロスを供給すると、ファーサイドで広瀬が折り返した。最後は垣田がボレーで合わせたが、シュートは惜しくもゴールポストを叩き、得点には至らなかった。

前半序盤から両チームともにチャンスをつくったが、その後は互いに譲らず、こう着状態に陥る。ショートパスつないで後方からビルドアップする鳥栖に対し、アントラーズは垣田と優磨が献身的に守備し、うまくボランチを消した。後方もそれに連動し、簡単に自陣への侵入を許さなかった。
しかし27分、一瞬の隙を突かれ、中央で縦パスを通されてしまう。その流れから小野に右サイド深い位置へ走り込まれ、ファーサイドへクロスを入れられた。早川が飛び出すが、ボールに触れることができず、長沼にヘディングで折り返されると、最後は森谷にボレーシュートを決められてしまった。0-1と鳥栖に先制を許す。
だが、失点後も選手たちは動じることなくプレーした。名古と仲間のサイドを入れ替え、鳥栖の戦い方に対応する。そして、垣田が気迫溢れる守備でボールを奪い、ファウルを誘ってフリーキックを獲得した。
すると、このセットプレーから得点が生まれる。樋口が蹴ったフリーキックは、一度相手にクリアされるが、クリアボールを樋口が拾い、パスを受けたピトゥカがクロスを入れる。ペナルティエリア内で優磨が高い打点で相手に競り勝つと、信じて走り込んだ名古がダイビングヘッドでゴールへ流し込み、ゴールネットを揺らした。34分、名古のゴールで1-1の同点に追いついた。
得点後、両チームがより一層アグレッシブに攻撃を仕掛けるようになった。互いにゴール前まで一気に迫るスリリングな展開となった。
しかし、前半はこのまま1-1で終了。同点でハーフタイムに突入した。
後半立ち上がり、いきなり鳥栖にチャンスをつくられてしまう。48分、長沼に右サイドをドリブルで突破されて、ゴール前まで迫られ、最後は手塚に決定的なシュートを許してしまう。ただ、これは早川のビッグセーブでなんとか失点を免れた。
その後、鳥栖がボールを保持する時間が長くなった。アントラーズ陣内でのプレーが続いたが、全員で粘り強く守り続ける。自分たちの時間帯をなかなかつくれず、我慢の展開となった。
58分に仲間との交代で佐野を投入した。樋口がポジションを一列上げ、佐野はボランチに入った。
徐々にテンポよくボールを動かせるようになり、流れはアントラーズに傾いていく。67分には、名古、垣田との交代で土居、カイキを投入し、勝ち越し点を狙いに行った。
しかし、70分に一瞬の隙が生まれてしまう。自陣からのビルドアップで関川がロングフィードをミスしてしまい、ボールが相手に渡る。手塚からのパスを受けた小野にミドルシュートを放たれると、シュートはポストに跳ね返り、早川の背中に当たってゴールへ吸い込まれてしまった。ミスと不運が重なり、1-2と鳥栖に勝ち越しを許してしまう。
それでも、失点直後にキックオフの流れからそのままチャンスをつくる。71分、優磨の絶妙なスルーパスで抜け出したカイキが、ペナルティエリア内で背後から手塚に倒される。しかし、これはノーファウルの判定となり、PKを得ることはできなかった。
78分にピトゥカ、広瀬との交代で染野、常本をピッチへ投入した。しかし、高い強度を維持する鳥栖に苦戦を強いられ、なかなかチャンスを作りだすことはできなかった。
それでも諦めずに攻め続けると、後半アディショナルタイムに得点が生まれた。樋口からのパスを受けた安西が縦に持ち出してクロスを上げる。これを優磨がダイビングヘッド。力強いシュートはゴールネットに突き刺さった。2-2と再び試合を振り出しに戻す。
同点に追いついたあとも、アントラーズは攻め続ける。安西のクロスを優磨が折り返し、最後は染野がゴールの目の前でシュート。しかし、これは田代の見事なブロックに阻まれてしまった。
猛暑のなかで、最後の最後まで全力を尽くしたが、勝ち越し点を奪うことはできず。このまま2-2で引き分けという結果に終わった。
次は中7日でアウェイ浦和戦に臨む。課題と収穫を整理して、チーム一丸で準備を進める。
【この試合のトピックス】
・名古がアントラーズでのリーグ戦初ゴール
・優磨が今季リーグ戦8点目



A.鳥栖はいいチームでしたので、勝ち点1をよく取ったと思う。
ただ、我々は上を目指しているので、勝ち点3を取りたかった。取れるチャンスもあったので、複雑な心境。
Q.仲間選手と名古選手のポジションを入れ替えてから、流れが良くなったと感じた。入れ替えた狙いは?
A.相手のプレスに対して、どこでズレを生むかというところで、あの形の方が良くなるだろうと思って前半の途中から見ていた。失点してしまったので、より攻撃のところにシフトして、入れ替えた。
Q.仲間選手をあのポジションに置くことで守備も良くなったと感じた。そこについては?
A.守備もだが、どちらかと言ったら、攻撃の方に重点を置いていた。守備は名古も同じようによくやってくれる。前半はある程度、相手にボールを持たせながら、穴を開けずに戦っていた。しかし失点をしてしまったので、攻撃のところを変えようと思って変えた。
Q.暑さについて。
A.選手たちに聞いてみないとわからないが、湿度はそれほど高くなかった。そこまで苦しくはなかったと思う。そこまで、自分たちから食いつきに行かないような展開で入ったので、それが重く見えたのかもしれないし、そういう展開が選手たちの動きを重くしたのかもしれない。この部分は、しっかりと分析していきたい。
Q.この1試合をどのように次へつなげていきたい?
A.いくつかイマイチだなと感じたところがいくつかあったので、それを映像で確認し選手たちに共有して、またより良くしていく。
Q.名古選手が鹿島でリーグ戦では初ゴール。少し時間がかかったような気もするが、名古選手の評価は?
A.他の選手もそうだが、彼にもかなりの期待をしている。怪我から復帰した当初から試合で使っていた。かなり大きな期待がかかった中でアントラーズに加入して、長い年月、うまくフィットできなかった。私は、彼はJリーグを席巻するような選手になれると思っている。自分の中の殻を破ることができれば、よりこのクラブを押し進めてくれる選手になると思っている。まだまだ期待しているし、このゴールは、始まりに過ぎないと思っている。
選手たちは本当によくやってくれた。今シーズンの中で、1番いいゲームができたと思っている。これを続けていきたい。
イレギュラーがある中で、こういうフットボールができるのかという成長を感じた試合だった。
アウェイの鳥栖戦は、ホームと少し異なる環境での試合になる。環境の変化への準備と調整を怠らず、気をつけて試合に入りたい。自分たちは一つになって戦うことで、これまでも勝ち点を積み重ねてきた。その部分を変えることなく、アウェイで勝ち点3を持ち帰りたい。
【樋口 雄太】
鳥栖と対戦するときは、いつも特別な感情が生まれる。ただ、いまはアントラーズの選手なので、チームの好調を維持できるように、アウェイでもしっかり勝って、次につなげていきたい。
【垣田 裕暉】
お世話になったクラブだからこそ勝ちたい。鳥栖のスタジアムにも特別な思いがある。チーム全員がひとつになって勝ちたい。みんなで走って、高い強度で戦って、走り負けないこと、球際で負けないことが大事になる。
(ゴールの場面は)ピトゥカがボールを蹴る前に、ファーサイドに優磨と郁万がいるのが見えた。それを確認してファーサイドに潜り込むことができた。あとは優磨の折り返しがいいところに来て、さわるだけだった。
個人的にはアントラーズでのリーグ戦ゴールはずっと欲しかった。いろいろな思いもあった。ただ、今は、チームが勝つことが一番。自分がゴールを決めるというよりかは、チームの勝利に向けて戦うほうが大事になってくる。次は、しっかりと勝利につながるゴールを決めたい。
【樋口 雄太】
去年もそうだったが、すごく特別な感情が湧いたゲームだった。
天候のところで少し苦労する場面もあったが、これから夏場に試合が続いていく中で、走り切れないと上の順位にいけない。しっかりと準備をしていきたい。
上位で戦う上で、負けないということが大事になってくる。今日のような試合で勝ち点1を取れたことは、プラスだと思っている。
【安西 幸輝】
個人的には、いいフィーリングでプレーできている感じがある。もう少しボールを受けることができたら、もっとチャンスを作れたかなと思う。
試合を通して、もう少し自分たちの時間が長くなってくると、チャンスも多く作れると思う。ただ、今日は、なかなかボールが落ち着かなかった。難しいゲームとなった。
ポゼッションの改善はもちろん、失点はクロスからだったので、そこの改善もしていかなければいけない。最初に勝てなかった分、勝ち続けていかなければいけない。これから暑くなってくる中でも、同じ強度でプレーをしていかなければいけない。ここからまた上位争いも激しくなってくると思うので、その競争に勝って、勝てなかった分をしっかりと取り返せるようにしていきたい。
【垣田 裕暉】
今までプレーしていたチームとの対戦ということで、また新しい感覚というか、自然といつも以上に気合が入る試合だった。
勝利がアントラーズの使命だと思う。そこは毎試合、追求していかなければいけない。ただ、今日のような、点を先に取られる展開の中で、追いついて勝ち点1を持って帰ることができている時というのは、いい流れの時だと思っている。これからしっかりと勝ち続けていき、勝ち点を積み重ね、最終的に一番上にいることが重要。今日の勝ち点1は、追いついての勝ち点1なので、盛り返す力を見せることができた試合だったと思う。これを勝ちに持っていくためにという部分も必要だが、アウェイで重要な勝ち点を持ち帰ることができたのは大きいと感じている。
【佐野 海舟】
ブロックを作って守ってくる相手に対して、前線の選手にバスを送っても孤立してしまう場面が前半から多かった。パスを送るというよりも、自分が持ち運んで、数的優位を作っていったりなど、なるべくチームのラインを押し上げれるようなプレーを心がけていた。
失点も崩されているわけではない。(2失点目は)うまくつながらなかったが、自分のカバーをもっと中央に寄せていれば、防げたと思っている。そういう細かいところをしっかりと突き詰めてやっていく必要があると感じている。