2023明治安田生命J1リーグ 第6節、カシマスタジアムでサンフレッチェ広島と対戦した。知念のゴールで先制に成功したが、ドウグラス ヴィエイラのPKで同点に追いつかれると、わずか2分後にドウグラス ヴィエイラに再びゴールを許し、1-2で逆転負けを喫した。
ルヴァンカップの新潟戦は、0-1という悔しい結果に終わったが、新たな取り組みで一定の手応えを感じられた試合でもあった。気持ちをすぐに切り替え、広島戦への準備をチーム一丸で進めた。
なお、この試合は「NIKE DAY」として、さまざまなイベントが開催された。
試合前には、明治安田J1第4節 福岡戦でJ1通算300試合出場を達成した土居、J1通算100試合出場を達成した植田、第3回AFCメディカルアワードにおいてAFC功労賞・金賞(AFC Distinguished Service Award/Gold)を受賞した関チームドクターのセレモニーが行われた。
広島戦の先発は、GKが早川、フィールドプレーヤーは常本、植田、昌子、安西、佐野、樋口、土居、藤井、知念、優磨が入った。ベンチには、沖、関川、広瀬、松村、仲間、中村、垣田が座る。
アントラーズは立ち上がりからアグレッシブに試合へ入り、広島を上回る。シンプルに背後を狙い、セカンドボールの攻防で優位に立った。主導権はアントラーズが握る。
時間の経過とともに、安定してボールを保持できるようになった。能動的にボールを動かしながら、縦パスを中間スペースへ打ち込み、相手陣内に侵入していく。最後の局面では、広島の3バックが対人の強さを見せ、決定機をつくるまでには至らなかったが、チームの変化が感じられる効果的な攻撃を仕掛けた。
その後、試合が落ち着き、こう着状態に陥る。ただ、広島がボールを保持する時間帯も、我慢強く連動した守備を続け、隙を見せなかった。
すると、24分にチャンスが訪れる。右サイドを勢いよくオーバーラップした常本がクロスを入れると、ゴール前で知念がヘディングシュートを放つ。うまくミートできずに枠を捉えられなかったが、決定的な場面をつくった。
その後、試合は再びこう着状態に陥る。広島に2列目からの飛び出しで起点をつくられる場面が何度か続いたが、冷静に対応してゴールは許さない。一方、攻撃面ではショートカウンターからシュートを放つも決めきれず、遅攻では3人目の動きが絡んだプレーが少なく、ゴール前を固める広島の牙城を崩すまでには至らなかった。
それでも、何度も広島陣内深くまで攻め込み、じわりじわりと圧力を強めていく。41分には、広島の佐々木のクリアが知念に跳ね返ってゴールかという場面もあった。
ただ、得点を決めきることはできず、このまま0-0でハーフタイムに突入した。
後半も立ち上がりから球際で激しく戦い、勢いよく試合に入る。
しかし、最初のチャンスをつくったのは広島だった。右サイドの自陣深い位置で土居がクリアすると、これが内側に入ってしまい、相手にボールが渡る。そして、最後は東に左足でシュートを許してしまった。わずかにゴールを横切り、失点には至らなかったが、後半早々に肝を冷やす場面をつくられた。
その後は、拮抗した試合展開となった。両チームともになかなか決定機をつくれなかったが、球際で意地と意地がぶつかり、試合は熱を帯びていく。
徐々に広島に攻め込まれる場面が増え、アントラーズの攻撃回数が減った。そこで岩政監督は65分、土居との交代で垣田を投入した。
我慢の時間帯を凌ぐと、セットプレーから得点が生まれる。69分、フリーキックを樋口が蹴ると、知念が高い打点で力強くヘディング。シュートはゴール右隅に飛び、相手GKの手を弾いて、ゴールへ吸い込まれた。知念の今季リーグ戦3点目で、アントラーズが先制に成功する。
直後の71分、藤井に代えて松村を投入。ホームの大きな声援に後押しされ、得点後も受け身になることなく、途中出場の垣田を中心にアグレッシブなプレスをかけた。
徐々にプレスの開始位置は低くなり、広島にボールを保持されるようになった。ただ、しっかり守備ブロックを敷いて、シュートは許さない。危険な場面もほとんどなかった。
しかし、セットプレーで試合が動いた。コーナーキックのこぼれ球に反応した佐々木を、松村がペナルティエリア内で倒してしまい、広島にPKを献上してしまう。86分、このPKをドウグラス ヴィエイラに決められ、1-1と同点に追いつかれてしまった。
直後の86分、樋口と知念をベンチに下げ 中村と仲間を投入した。
失点からわずか2分後の88分、再び試合が動く。早川からスローイングでボールを受けた安西が、広島のプレスにハマり、ドリブルで運んで松村の足元へパスを送る。しかし、裏へ抜け出した松村とイメージが合わず、全体の陣形が崩れた状態でボールを奪われた。そこから広島のカウンターがスタート。中野からエゼキエウへパスが通り、エゼキエウからドウグラス ヴィエイラへスルーパスを通される。そのまま、裏へ抜け出されてゴールを許し、1-2と逆転されてしまった。
その後、パワープレーを仕掛けるも、得点を奪うことができず、このまま1-2で敗戦を喫する。
敗戦を受け止める必要がある。ただ、チームが課題克服のために我慢強く取り組み、着実に前へ進んでいることも、また揺るぎない事実。この悔しさをモチベーションに変えて、次のYBCルヴァンカップGS第3節 ホーム福岡戦へ臨む。
【この試合のトピックス】
・知念が今季リーグ戦3点目



A.ファン・サポーターの皆さんに申し訳ないと思っている。
Q.同点になったとき、どのようにマネジメントをしようとした?
A.失点を防いで得点を取るということ。これはいつも同じで、フットボールにおいて「得点を取りにいけ、失点を防げ」というメッセージはない。常に連続性のあるスポーツなので、同時に両方を求める。そこで疲れの見える選手がいたので、その選手たちを入れ替えながら、またセットプレーの高さを維持していこうと考えていた。個性が変わるので、中盤でもビルドアップの安定性やモビリティも求めるが、それをいちいち伝える時間はあまりない。それは選手たちがピッチ上で見せてくれるものだと思う。
Q.終盤に2失点は、川崎F戦と内容は違うが結果は同じ。どのように受け止めている?
A.難しい。ずっと川崎F戦と照らし合わせながら比較しているが、ほとんど噛み合うものがない。あるとしたら、1点目のところでひょんなところから失点している。それまでの流れは、相手よりも自分たちの方が気持ち良くプレーできている感覚があるはず。それから残り数分になったとき、突然失点してしまっている。こうなると、原因を究明したり、それに対して言及するのは難しい。問題が起こっていて、それに対して対処しなければいけないのであれば簡単だが、そこがすごく難しいところがあると思っている。また映像を見て分析しないといけないところはあるが、いろいろ頭のなかで後ろの枚数を増やすことも選択肢として当然あって、流れがうまくつかめず相手にいいようにやられ始めていれば、早く対策を打つというのはあるが、まだ残り5分以上あってアディショナルタイム含めて10分あるなかで、何か対策を打つには難しい時間だったなと思っている。それもいろいろと分析しながら、今後に活かしたい。
最初にセットプレーで失点して、そこから選手を交代しながら攻撃的に出た結果、こういった形で勝利することができた。自分たちのチームは残り20分、それから1対1に追いついたあとに、さらに前に行こうという姿勢を見せることができた。アントラーズのパフォーマンスはすばらしかったし、90分を通じて厳しい試合になった。ただ、それ以上に自分たちの選手をほめたい。
昨季まで自分が所属していたチームなので、少し意識する部分はある。ただ、いまはもうアントラーズの選手。アントラーズの勝利のために、全力で戦いたい。まだホームでゴールを決めることができていないので、カシマで決める。
【昌子 源】
広島は運動量が多い印象がある。そして、3バックが安定しているので、攻撃的に戦ってくるイメージがある。こちらが受け身になると、相手の思う壺になってしまう。ホームで心強いサポーターの皆さんがいるからこそ、こちらから相手へ向かっていきたい。
【鈴木 優磨】
自分たちの長所は堅守速攻だと思うので、そこの認識を合わせて、背後へのランニングを欠かさずにやり続けること、試合の入りをしっかりすることが大事になる。ホームで勝ちたい。
(ゴールシーンは)チームとして狙っていた形だった。優磨がニアサイドでつぶれてくれて、いい形でヘディングできた。ゴールしたあとにイージーなパスミスをしてしまったことを後悔している。プレーの細部にまでこだわっていかないと勝てないことを思い知らされた。
【樋口 雄太】
最近、トレーニングでも質の高いボールが蹴れている実感があったので、今日アシストができたことはポジティブに捉えている。ホームでの川崎F戦と同じような展開での負け方をしてしまい、今は言葉が見つからない。次戦に向け、最後までやり抜くことを徹底していきたい。
【常本 佳吾】
たくさんのファン・サポーターの皆さんが駆けつけてくれたなか、先制点を取ったので、絶対に勝ちたい試合だった。2失点したのはDFとして悔しいし、また、直近の公式戦3連敗、ホームでずっと勝てていないこともいうのが悔しい結果。またすぐにホームゲームがあるので、必ず勝ちたい。
【藤井 智也】
特に広島には勝ちたかったし、今日にかける思いもすごく強かった。ただ、佐々木選手と志知選手の2人にしっかり対応され、また少し空回りしてしまったところがあり、相手に封じられた。個人的には何もできなかった試合になった。申し訳ない気持ちがある。
【早川 友基】
もったいない敗戦になってしまったと思う。ホームで勝つことがもっともすばらしいことなのに、昨年8月から勝てていないことは、毎試合、見に来てくださるファン・サポーターに申し訳ない。1試合1試合、選手全員が全力で戦い、もっと勝つためにやっていくしかないと思う。