天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会 ラウンド16、カシマスタジアムでガンバ大阪と対戦した。チャンスをつくりながらも、なかなか得点が奪えない展開となったが、後半にピトゥカのスーパーゴールで先制すると、安西のクロスからエヴェラウドが追加点を奪取。このまま最後まで集中を切らすことなく、2-0で試合を終え、準々決勝進出を決めた。
先の札幌戦は、スコアレスドローという非常に悔しい結果に終わった。ただ、天皇杯ラウンド16までは中2日。チーム全員がすぐに気持ちを切り替えて、準備を進めた。
G大阪戦の先発は、GKが沖、最終ラインは常本、関川、三竿、安西、中盤から前線は、中村、舩橋、アラーノ、樋口、エヴェラウド、優磨が入った。ベンチには、早川、ミンテ、広瀬、ピトゥカ、和泉、カイキ、土居が座る。
立ち上がりから一発勝負の天皇杯らしい、緊迫感のある展開となった。両チームともに主導権争いで譲らず、一進一退の攻防が続いた。G大阪に自陣深くまで攻め込まれる時間帯もあったが、粘り強い守備で無失点に凌ぐと、徐々に試合の流れはアントラーズへ傾いていく。セットプレーを次々に獲得し、ゴールに迫った。
すると、19分に左サイドから安西が果敢な仕掛けでチャンスをつくる。安西はアラーノ、優磨、エヴェラウドとのコンビネーションでゴール前まで進入してシュート。これは力なく相手に阻まれたが、こぼれ球を拾った常本がゴール前へクロスを供給すると、エヴェラウドがヘディング。シュートは良いコースに飛んだが、惜しくも相手GK東口の好セーブに阻まれ、得点には至らなかった。
勢いに乗るアントラーズは、22分にもカウンターから決定機を迎える。アラーノが左サイドからドリブルでカットインすると、守備者のタイミングを外して、右足で巻くようなシュートを放った。ただ、これはポストに当たって、惜しくもゴールとはならなかった。
雨足が強まり、ピッチにはシャワーのような大量の雨粒が降り注ぐ。試合はアントラーズが一方的に攻撃を仕掛ける展開となり、エヴェラウドの力強さやアラーノの機動力が光った。34分にはエヴェラウドのポストプレーから樋口が強烈なシュートを放ち、ゴールを脅かす。一方、守備ではカウンターからG大阪にあわや失点という危険な場面もあったが、失点は許さなかった。
攻勢に試合を進め、再三のチャンスをつくったアントラーズだが、ゴールを決めきることができず、スコアレスでハーフタイムに突入した。
後半もアントラーズが押し気味に試合を進める。高い強度を維持して、エネルギッシュなプレーを見せた。
59分には、広範囲を動き回り、運動量が目立っていたアラーノがエヴェラウドのパスで右サイドを抜け出し、ペナルティエリア内へ進入。アラーノがヒールでラストパスを送ると、ゴール前でエヴェラウドがシュートした。しかし、シュートは枠を捉えることができず、得点には至らない。
その後も、G大阪陣内でのプレーを続けたものの、1点が遠く、なかなか先制点が奪えない。そこで67分に、アラーノと舩橋に代えて、カイキとピトゥカをピッチへ投入した。
すると、交代出場したピトゥカが魅せる。71分、右サイドから樋口が中央へパスを入れると、これをエヴェラウドが丁寧に落とす。走り込んだピトゥカがダイレクトで左足を振り抜くと、シュートは美しい弧を描き、ゴールネットを揺らした。ピトゥカのスーパーゴールで、アントラーズが先制に成功する。
75分、得点の勢いそのままに追加点が生まれる。左サイドを駆け上がった安西が、仕掛けから高精度のクロスを供給すると、エヴェラウドが高い打点でヘディング。シュートは見事にゴールネットへ吸い込まれた。安西とエヴェラウドが見事に自らの特長を発揮し、リードを2点に広げた。
得点後の80分、樋口と常本をベンチに下げ、和泉と広瀬を投入する。さらに、89分にはエヴェラウドとの交代で土居をピッチへ送った。そして、このまま最後まで危なげなく時計の針を進め、試合をクローズ。2-0で完封勝利し、準々決勝進出を決めた。
ただ、喜びに浸る時間は残されていない。次はまた中2日ですぐにリーグ戦のホーム神戸戦が控えている。限られた時間で最善の準備を尽くし、勝利を目指す。
【この試合のトピックス】
・ピトゥカが今大会初ゴール
・エヴェラウドが今大会初ゴール



・点を決めきるまで繰り返しトライしよう。
・後半も全員でアグレッシブな戦いを続けよう!
・相手を揺さぶってボールを動かしていこう。
・きつくなったときにどれだけ走れるか、闘えるかが大事だ。
A.まず僕自身、比較することはあまりしない。それぞれの試合に特長があるなか、内容を見れば今日の方がおもしろくて良い試合だったと思う。ただ、勝つためには走行距離やスプリント回数など、ベースとなる仕事をみんなでやっていかないといけない。前回と比べることはない。
Q.エヴェラウド選手の周りのサポートが、多くのチャンスを生んだように見えた。攻撃についてどう捉えている?
A.まずエヴェラウド自身がエリア内を中心にポジションを取ってくれたのが、良いところだったと思う。また、純粋なストライカーが2枚いることによって、前線の選択肢も増えた。それと同様に、後ろからの押し上げもしっかりできていたので、そういったところが良いところだった。
Q.リーグ戦の上位チームが敗退しているが、どう捉えている?
A.おっしゃる通り、優勝するチャンスは上がったと思うが、基本的にはひとつひとつの試合を大事に戦うことが重要だと考えている。また、タイトルなど先のことを話すのは正直、好きではない。最終的に、自分たちがやるべきことをどれだけできたかどうかにつながっていくと思う。
アントラーズとは(今シーズン)4度目の対戦で、これまで勝てずに苦しい思いをしてきたので、「今日こそは」という思いだった。選手たちも連戦のなか、良い入りと良い準備をして、良いチャレンジをしてくれた。これまでの対戦よりもチャンスを作ることができたし、我々がトライしていることに対して選手も切らさずにファイトしてくれた。その良かった部分を今後も継続して、今日のような試合を勝利につなげていけるよう、積み上げていくしかない。
また連戦、中2日で厳しい状況が続くが、前を向いて切り替えて、次のダービーで必ず勝利できるようにしっかりと準備をしていきたい。
しっかりと勝って、準々決勝に進みたいし、そのために攻撃やアシストで貢献したい。自分が置かれている状況は分かっているが、これまで自分を信じて続けてきた。これからも自分を信じて戦う。
【樋口 雄太】
一発勝負ということで、負けたら終わってしまう大会。ただ、ホームでの応援を受けて戦うことができる。勝利を掴み取りに行く気持ちを見せたいし、ピッチに立つ11人全員が責任をもってプレーしたいと思う。
【舩橋 佑】
ボランチでゲームをつくって、自分の特長を出しながら、最終的に勝利を掴み取りたい。結果を残さなければ、今後、出場機会はなくなっていく。結果を出せるように頑張りたい。
【中村 亮太朗】
自分の得意なプレーを見せていきたい。少し落ち着いた試合展開であれば、自分の持ち味は出しやすいと思うが、そうではない展開のときも、自分のやれることをしっかりやっていきたい。
【鈴木 優磨】
焦れずに先制点を取れるか、焦れずに守れるかが重要になる。ホームなので早めに得点を取って、楽な試合展開にしたいが、そう簡単にはいかないと思う。我慢するところは我慢して、取りに行くところは取りに行く。その意識で戦いたい。
出場時間に関係なく、チームメートの助けになりたいという思いで、毎試合戦っている。今日もチーム全員で最後まで戦い、次のラウンドに進むことができて良かった。(ゴールシーンは)エヴェとよく練習している形だったので、それを試合で出すことができてうれしく思う。
【エヴェラウド】
得点できたことはうれしいが、僕の得点よりも、その前の幸輝のクロスが完璧だった。あまりにもすばらしいクロスだったので、力を入れる必要もなく、ヘディングで合わせるだけだった。リーグ戦では首位に食らいついていくしかない状況なので、週末の神戸戦に切り替えていきたい。
【安西 幸輝】
プレーしてきてこんなに苦しい思いをしたことはなかったし、自分ではそれを表に出しているつもりはなかったが、チームメートは気にかけてくれていた。いいチームメートを持った。これでシーズンが終わるわけではないが、まずは1つ(アシストという)結果が出て良かった。
【中村 亮太朗】
「勝つために自分は何ができるのか」と考え、セカンドボールを回収することや、相手をつぶすことを意識して試合に入った。個人的に攻撃面の出来には課題も残るが、一番の目標は勝つことだったので、勝利に貢献できてうれしい。90分間、試合に出場して勝ち切れたことは自信にもつながる。
【沖 悠哉】
無失点で勝てたことはうれしいが、個人的には反省点もあった。もっとチームの状況を見極めたり、試合の流れを読んだりしなければいけない。チームとして優勝に向かっているなかで、自分は与えられた環境のなかで日々、全力を尽くしていきたい。