第101回天皇杯3回戦、カンセキスタジアムとちぎで栃木SCと対戦した。守備を固める相手に苦しんだものの、試合終盤にエヴェラウドが2ゴール、カイキがアントラーズ初ゴールを決めて、3-0と勝利し、ラウンド16への進出を決めた。
直近の札幌戦を4-0で快勝したチームは、つかの間のオフに入った。過密日程が続いただけに、たった2日間でも選手たちにとっては心身の回復を図る貴重な時間となっただろう。そして、鋭気を養った選手たちは7月1日からトレーニングを再開。中9日で迎える天皇杯3回戦に向けて士気を高め合いながら準備を進めていった。
スタメンはGKが沖、最終ラインは右から常本、林、犬飼、杉岡、ボランチはレオとピトゥカがコンビを組み、サイドハーフは右に和泉、左に白崎、前線は土居とエヴェラウドが入った。ベンチには早川、関川、小泉、三竿、アラーノ、松村、カイキが座る。
立ち上がりは自陣でのミスが目立ち、栃木SCにカウンターからシュートを許してしまう。ただ、それでもアントラーズは時間の経過とともに落ち着きを取り戻し、ボールを支配できるようになっていった。
しかし、一方的に攻める展開となったものの、栃木SCの激しい守備に苦戦し、なかなか決定機をつくれない。ペナルティエリア内へボールを入れるも、ゴール前を固める栃木SCの守備陣に跳ね返され、得点が奪えなかった。
そして、このまま前半は0-0で終え、ハーフタイムに突入した。
後半に入っても、試合の流れは大きく変わらない。安定して相手陣内にボールを運ぶも、ラストパスの精度が低く、アタッキングサードをなかなか攻略できない。すると徐々に栃木SCも前に出てくるようになり、ゴール前にロングボールを放り込んできた。ただ、このロングボールは守備陣が危なげなく跳ね返し、ゴールを脅かされる場面はなかった。
69分、白崎と和泉をベンチへ下げ、アラーノと松村をピッチへ送った。試合は少しオープンな展開になったが、守備意識の高い相手をなかなか崩せない。
それでも80分、ついに均衡を破った。右サイドから常本がアーリークロスを入れると、相手GKが飛び出し、目測を誤る。ファーサイドでエヴェラウドがヘディングで合わせ、ゴールネットを揺らした。アントラーズが待望の先制に成功する。
得点後の86分に土居との交代でカイキを投入、87分にはレオとの交代で三竿をピッチへ送った。試合はアントラーズが先制に成功したことで、守備を固めていた栃木SCの重心が少しずつ前に上がっていく。
すると90分に追加点が生まれた。右サイド深くへ飛んだクリアボールに反応したカイキが、相手と競り合いながらゴールラインぎりぎりで粘ってボールを残すと、受けたアラーノがマイナスのクロスを入れる。このラストパスを後ろから走り込んだエヴェラウドが合わせ、ゴールネットを揺らした。
さらに後半アディショナルタイムにも追加点が生まれる。三竿のスルーパスが左サイドでフリーになったピトゥカへ通ると、ピトゥカは相手のDFとGKの間に絶好のクロスを入れる。このクロスをゴール前へ走り込んだカイキが合わせて、ゴールネットに突き刺した。カイキのアントラーズ初ゴールでリードを3点差に広げる。
そして、このまま危なげなく3-0で試合を締めくくり、天皇杯ラウンド16進出を決めた。
次は天皇杯からリーグ戦へと大会が変わり、中3日で柏レイソルと対戦する。アウェイでも求められるのは勝ち点3のみ。チーム一丸で勝利のための準備を進めていく。
【この試合のトピックス】
・エヴェラウドが今大会2試合連続2ゴール
・カイキがアントラーズ初ゴール



・常に集中力を切らさないこと。
・次のプレーをイメージしながら、最後の部分の積極性と精度にこだわろう。
・相手のボランチの対応をコミュニケーションをとっていくこと。
・奪ったあとの判断を早く、押し込むこと。
・入りから集中して戦うこと。
栃木SCの徹底されたフットボールを前になかなかゴールをこじ開けることができず、苦しい展開となった。ただ、最後まで焦れることなく、ゴールを狙い続けることができた。それはファン・サポーターの皆さんの力が非常に大きかったと思っている。
栃木SCは守備ではプレッシャーをかけ続け、休む間を与えてくれなかった。そして攻撃ではゴールへ向かう姿勢を常に見せていた。そのように戦ってくると選手たちには伝えていたが、なかなかいい形で自分たちが攻め込むことができなかった。
ただ、そういう相手にこそ自分たちのやるべきことをしっかりやるという部分を、選手たちが最後まで遂行してくれた。その中でサイドのクロスからエヴェラウドが強みを活かして、得点を決めてくれた。最後、カイキにも加入後初ゴールが生まれた。最終的には3-0と終わってみれば素晴らしい試合になったと感じている。
次はまたリーグ戦に戻る。そこへ向けてしっかりと準備をしていきたい。
Q.加入後初ゴールを決めたカイキ選手の評価は?
A.トレーニングからコンディションは上がってきていると感じていた。さまざまな組み合わせの中でスタートからの出場とはならなかったが、必ず良いプレーをしてくれるという感覚があった。実際に素晴らしいプレーをしてくれた。2点目の部分も、最後まであきらめずにライン際でボールを残してくれたのは彼だった。本当に素晴らしいプレーをしてくれたと思っている。直近の札幌戦でのエヴェラウドのゴールの時もそうだったが、今日もカイキがゴールを決めた時に、周りの選手たちがすごく喜んでいた。その姿を見ていて、自分も嬉しい気持ちになった。
栃木SCは1つのチャンスを狙ってくる。難しい相手になることを理解したうえで、謙虚に臨まなければいけない。チームとしてやるべきことをやって、個々がしっかり機能すること。ピッチの中では11対11の戦いなので、そのバトルに勝利していく必要がある。それをやり続ければ勝利を手にすることが出来ると思う。
【林 尚輝】
絶対に勝つというのはチーム全員で考えていること。ここで負けるようなチームではないと思っている。2回戦を戦った時と同じように、今回も泥臭く、そして、自分たちらしく戦っていく。
【和泉 竜司】
相手はしっかり守ってカウンターを仕掛けてくると思う。ロングボールが中心の攻撃になってくると思うので、前線からプレッシャーをかけてロングボールを蹴らせないようにする。蹴られたとしても、しっかりと競り合いに勝って、セカンドボールを拾っていく。あとは、セットプレーが互いのチームストロングになってくるので、相手に自由にやらせないようにしていく。そして、自分たちはそのチャンスをしっかりとものにする。そして、球際の部分や戦うという部分で負けないこと。そこで負けなければ、おのずと結果はついてくる。チーム全員でこだわってやっていきたい。
試合前や試合中、(先制点をアシストした)常本選手には攻撃の時にもっと思い切りよくプレーして欲しいと伝えていた。今日のような素晴らしいクロスを上げてくれると、合わせる方としても非常に決めやすい。要求を伝えて、2人がその意識を持った中でゴールを決めることができた。自分の得点から始まり、最後は3-0で勝利することができた。チームとして良い勝利だった。
【アルトゥール カイキ】
(3点目の場面は)トレーニングの時から取り組んできていた形だった。健斗が相手選手を外してピトゥカに良いパスを送ったタイミングで、「ピトゥカから良いクロスが上がってくるな」と感じた。思っていた通り良いクロスが来た。自分はペナルティエリア内の空いたスペースに走り込んで、合わせるだけだった。天皇杯の2回戦ではチャンスで点が取れず、僕以上にチームメートが残念そうにしていた。そして今日ゴールを決めてみんなが喜んでくれた。チーム全員で取ることができたゴールだと思う。今後、継続してゴールを積み重ねていきたい。