ACLによる日程調整の影響で前倒し開催となった明治安田生命J1リーグ第32節、アントラーズはカシマスタジアムで川崎フロンターレと対戦した。前半を0-0で折り返すと、後半にアラーノのゴールで先制したが、その後逆転を許してしまい、1-2という結果に終わった。
先のG大阪戦で公式戦4試合ぶりの勝利を掴んだアントラーズ。アラーノはその戦いを振り返り、「チーム全体の自信へとつながる勝利だった」と手応えを語ったが、「首位相手ということで、難しい試合となることが予想される」と、気を引き締めて川崎F戦に臨んだ。
なお、この試合は「理想科学工業 創業75周年記念試合」として、さまざまなイベントが開催された。
先発はGKが沖、最終ラインは右から広瀬、関川、町田、安西、ボランチは三竿とピトゥカのコンビ、前線はアラーノ、和泉、荒木、上田が入った。そして、ベンチには、早川、永戸、レオ、土居、カイキ、松村、エヴェラウドが座った。
立ち上がりの主導権はアントラーズが握る。積極的に前線から守備を行い、ボールを奪えば、素早い判断と攻守の切り替えで、うまくボールを前進させることに成功した。

しかし、時間の経過とともに川崎Fにボールを支配される時間が長くなり、何度かピンチの場面をつくられた。ただ、アントラーズが徐々に川崎Fの攻撃に慣れ、中盤での球際勝負に持ち込めるようになると、互いに一歩も譲らない拮抗した展開になった。

30分が経過したあたりから、両チームともに鋭いカウンターで相手ゴールに迫る。ただ、互いにアタッキングサードでの精度を欠き、得点は生まれなかった。

前半終盤はアントラーズがボールを支配し、相手陣内で攻撃を続ける。だが、川崎Fの寄せが非常に早く、決定機をつくることはできなかった。前半はこのまま0-0で折り返した。
後半立ち上がりはアントラーズが前半終盤の良い流れのまま、試合の主導権を握る。攻守の切り替えは非常に早く、守備陣も高い集中力でカウンターの芽を摘む。セカンドボールを拾い、二次攻撃、三次攻撃につなげた。

しかし、54分にピンチが訪れた。レアンドロ ダミアンのスルーパスからマルシーニョに抜け出され、ペナルティエリア内でシュートされる。これは沖がセーブしたが、こぼれ球を旗手に詰められ、ゴールネットを揺らされた。しかしこれはマルシーニョがオフサイドのため、失点にはならなかった。
ピンチの後もアントラーズは動じることなく、積極的に攻撃を仕掛ける。すると、61分に試合が動いた。安西が左サイドからクロスを入れると、ペナルティエリア内に走り込んだアラーノが頭で合わせる。強く地面に叩きつけたヘディングシュートは、高くバウンドしてゴール右隅へと吸い込まれた。アラーノの2試合連続ゴールでアントラーズが先制に成功する。
65分に和泉との交代で土居を投入した。川崎Fが前がかりになり、スペースが生まれるようになると、アントラーズのカウンターが鋭さを増す。前へ、前へとボールを運び、何度も決定的なシュートを放った。また、三竿を中心にリスクマネジメントを徹底し、セカンドボールの反応でも川崎Fを上回った。
しかし、追加点を奪えそうで奪えない時間帯が続くと、カウンターを繰り返していた前線の運動量が落ち、攻撃陣と守備陣が分断されていく。
すると、81分にピンチが訪れる。川崎Fのカウンターの起点を潰せず、自陣右サイドで宮城に1対1を仕掛けられた。これは広瀬がファウルで止めたが、フリーキックを与えてしまう。
83分、このフリーキックを脇坂が蹴ると、直前に投入された山村にヘディングシュートを決められ、ゴールネットを揺らされてしまった。1-1と同点に追いつかれる。
失点直後の83分、安西との交代で永戸を投入。86分にはアラーノと上田を下げて、カイキとエヴェラウドをピッチへ送った。
ここから両チームともに前がかりになり、どちらが得点を奪ってもおかしくない展開となった。アントラーズの方がリスクを冒して前に出るが、疲労の色が見え始めたピトゥカをサポートすることができず、川崎Fに中盤を簡単に突破される場面が目立った。
すると、後半アディショナルタイムに試合が動く。ペナルティエリア手前で宮城をフリーにしてしまうと、強烈なミドルシュートをゴールネットに沈められ、痛恨の失点を喫してしまった。そして、このまま試合終了を迎え、1-2という悔しい結果に終わった。
簡単に切り替えられる敗戦ではないが、次のC大阪戦は中3日でやってくる。アウェイで勝ち点3を掴むために、明日からまた最善の準備を尽くす。
【この試合のトピックス】
・アラーノが2試合連続ゴール



・チャンスの時、勇気をもって前へ出ていこう。
・全員で力を出し切り、必ずゴールを奪おう!
・焦らずにボールを動かしていこう。
・敵陣でサッカーをする。チャンスがあればシュートを打つこと。
前回の対戦で2-1で負けていた。そこから今日の試合に向けて私はもちろん、選手たちも強い思いを持って臨んでくれた。前へという意識を持ち、力のある相手に怖がらずに自分たちから攻守ともに仕掛けていく姿勢を出してくれた。選手たちに感謝したい。
ただ、勝利へと繋げてあげることができなかった、僕の力不足だと思っている。この悔しさを成長する力へと変えていきたい。
Q.前回対戦と違う入りになった。なにが逆転されることにつながったと考える?
A.いろいろな部分での見極めが僕に足りなかったと思っている。
Q.“いろんな部分”とは、交代も含めた部分?
A.交代をしていたらいい方向に転がっていたかもしれない。ただ、たらればになる。そこも含めて、結果として私にやれることがあったと思っている。しかし、悔いはない。
川崎Fは、リーグの開幕当初から良い結果を出し続けているチーム。ただ、われわれにはその川崎Fに勝つことができる素質があると思う。勝利へと結びつくようなプレーをしていきたい。
【荒木 遼太郎】
川崎Fは、守備でも攻撃でも安定しているチームという印象がある。そういう相手だからこそ、勝たなければいけないと思う。川崎Fは良いチームだし、どの相手からも“強い”と言われるチーム。その川崎Fに勝つことができれば、さらに自分たちの自信も深まると思う。
(得点シーンは)幸輝が相手と対峙している時に、クロスを入れてくると思っていた。センターバックとサイドバックの間にスペースがあるのも認識していた。クロスが低かったので、枠に飛ばそうとだけ考えていた。相手GKにとっては難しい軌道になったと思う。非常に難しい状態だが、すぐに次の試合がある。しっかりと準備していきたい。
【安西 幸輝】
チーム全体として最後まで走りきることができなかった。1-0で締めるのがアントラーズらしいフットボール。それもできなかったので、完敗だと思う。得点が入ってからもうまい戦い方ができたが、だんだんとボールを保持する時間が少なくなった。その部分が、相手が前に出てくることにつながったので、もっとボールを保持していきたかった。