▼▼MATCH HIGHLIGHTS▼▼
明治安田生命J1リーグ第24節、カシマスタジアムでサンフレッチェ広島と対戦した。前半は互いに一歩も譲らず、スコアレスで折り返す。後半も一進一退の攻防が続いたが、三竿からのロングパスからエヴェラウドが待望の先制点を決める。この1点をチーム一丸で守り切ったアントラーズが1-0と完封勝利を収めた。
前節の神戸戦は3-1で勝利を収めた。前々節の敗戦を引きずらず、連敗しなかったことは非常に価値がある。だが、すぐに中2日で広島戦が控えており、勝利の喜びに浸る時間はない。すぐに次戦へと意識を切り替え、チーム一丸で準備を進めた。
試合前には明治安田J1第22節鳥栖戦でJ1通算100試合出場を達成した和泉のセレモニーが行われた。花束が贈呈されると、スタジアムに詰めかけたサポーターから温かい拍手が送られた。
中2日の試合だったが、先発メンバーの入れ替えは、上田に代えてエヴェラウドを入れたのみだった。GKは沖、最終ラインは小泉、犬飼、町田、永戸が入り、ボランチは三竿とレオがコンビを組む。サイドハーフはアラーノと和泉、前線は土居とエヴェラウドが務めた。ベンチには、スンテ、関川、永木、遠藤、荒木、伊藤、上田が座った。
試合は立ち上がりからアントラーズが積極的なプレーをみせる。中2日とは思えないほど強度の高いプレスと、迅速な攻守の切り替えを行い、前半序盤はアントラーズが試合の主導権を握る。
しかし、時間の経過とともに、ボールを広島に支配されるようになる。両ウイングバックを使った幅の広い攻撃に苦しめられ、クロスから何度か決定的なピンチの場面をつくられた。
それでも苦しい時間帯を無失点で凌ぐと、19分にコーナーキックから決定機をつくる。永戸が入れたクロスをレオが逸らし、ボールはファーサイドまで流れると、三竿が折り返し、これを町田がゴール前でヘディングした。シュートは枠を捉えたが、相手GKの林に弾かれてバーに当たり、得点にはならなかった。
3バックでビルドアップする広島に対して、アントラーズは「4-4-2」の陣形を左上がりにして、高い位置から強度の高いプレスをかけた。左サイドの縦関係の連動がうまく機能したことで、広島に狙い通りの形で攻撃を許さなかった。ただ、攻撃面ではあと一歩のところで守備を崩せない展開が続く。中盤を突破しても、最後の3分の1のエリアでどこか精度を欠いたところがあった。
すると34分に全体の陣形がやや間延びしたところを突かれ、ピンチが訪れる。エゼキエウに最終ラインの背後を取られると、ペナルティエリア内までドリブルで進入される。エゼキエウのシュートは、ファーサイドのポストに当たり、跳ね返ったところを今度は茶島に狙われた。だが、これは永戸がブロックして、失点にはならなかった。
その後、両チームともに何度か決定機をつくったが、得点は生まれず、このままスコアレスでハーフタイムに突入した。
後半も一進一退の攻防が続く。アントラーズは和泉とアラーノが自由に動き、広島の守備ブロックの合間でボールを引き出す。流動的な攻撃でチャンスをつくった。
すると、63分にアントラーズが決定機を迎える。細かくパスを繋いで広島を自陣深くまで押し込むと、三竿がアーリークロスを入れた。これが相手選手に当たってコースが変わると、和泉のもとへこぼれる。しかし、和泉のトラップが大きくなり、相手GKにセーブされてしまった。
攻勢を強めたいアントラーズは、66分に選手交代を行う。小泉、和泉、土居をベンチに下げて、永木、荒木、遠藤をピッチへ送った。さらに、75分にはアラーノとの交代で上田を投入した。前線は、左にエヴェラウド、右に荒木、前線に遠藤と上田という並びになった。
すると、76分に試合が動く。三竿がロングパスを供給すると、エヴェラウドが相手に競り勝ち、胸トラップでボールを前に出す。頭で一度触り、スピードを落とさずペナルティエリアまで進むと、浮いたボールをうまく右足のボレーで合わせた。強烈なシュートは相手GKの頭上を抜き、ゴールに突き刺さった。エヴェラウドの今季リーグ戦13ゴール目で、アントラーズが待望の先制に成功する。
リードを奪ったアントラーズは、84分にゴールを決めたエヴェラウドとの交代で関川を投入し、守備を固める。ただ、自陣で守りに徹することはなく、途中交代で投入された選手たちを中心にうまく時間を使い、守備でもアグレッシブな姿勢を最後まで崩さなかった。
そして、歓喜のホイッスルが鳴った。1-0と3試合ぶりの完封勝利を収め、怒涛の5連戦を4勝1敗の戦績で終えた。
次のホーム名古屋戦までは、中6日とスケジュールに少しばかり余裕がある。過密日程で蓄積した疲労を取り、次節の勝利に向けて、また準備を進めていく。
【この試合のトピックス】
・エヴェラウドがリーグ戦13ゴール目
・犬飼がJ1、J2通算200試合出場
・エヴェラウドがLIXIL賞を受賞



・守備の時は、バイタルエリアのケアを意識すること。
・チャンスでは慌てずに、確実に点を決めよう!
・最初の5から10分は辛抱して戦おう。
・アタッキングサードでは楽しんでプレーしよう。
Q.5連戦を4勝1敗。チームの成長をどう感じている?
A.チームとしてやるべきことの整理はできたと思っている。あとはそれを体現すること。私自身、誰が入ってもできるように指導している。個人の特長によって変化はあるだろうが、チームとしてやろうとしている、前からプレッシングをかける部分やパスをどのようにつないでいくかの情報整理はできている。あとはその質を高めていく。今日は疲労との戦いもあったが、それでもアグレッシブにプレッシャーをかけるという相手と同等のことをやり続けようというなかで、選手たちが理解してやってくれた。この2試合は思うようにトレーニングができず、映像と口頭での指示と戦略だったので、選手がやり切ったことを評価しないといけない。
Q.ホームでの勝率を上げたいという話もあったが、残り8試合に向けての意気込みは?
A.規制のあるなか、今日も多くの方に来場いただいた。スタンドからできる範囲の応援をしてもらい、その応援がすごく伝わってきた。選手としてもこの応援は心強い。これからサポーターの力が必要な大詰めの試合がある。次のホームでも、少しでも自分たちの目標を達成できるよう、後押ししてもらいたいと思う。
広島は縦へのスピードが速い。いいカウンター攻撃を仕掛けてくる。あとは、守備も堅いイメージがある。ただ、相手どうこうではなく、自分たちがどれだけ戦えるか。監督も、選手も『ピッチで戦う姿勢を見せることができれば、絶対勝てる』とみんなが言っている。球際に強くいく部分やセカンドボールを拾う部分、1対1の場面で負けてしまってはいけない。相手云々ではなく、自分たちがしっかりと戦う姿勢を見せていきたい。広島戦で5連戦が終わるので、とにかく、全力で戦っていきたい。
【上田 綺世】
限られたチャンスの中で、各々が結果を出すことが勝ち続けるうえでは必要だと思う。広島には開幕戦で負けているので、そこの借りは返したい。アウェイ3連戦が終わり、ようやくホームで試合ができる。ファン・サポーターの皆さんに必ず勝利を届けられるように戦っていきたい。
【和泉 竜司】
開幕戦で0-3と非常に悔しい思いをしている。ホームでその借りを返すだけ。そのためにチームでしっかりと準備をしてきた。借りを返すために頑張っていきたい。焦らずに戦うことが大事。運動量や球際の部分で相手を上回ることができれば、おのずと自分たちのペースで試合を進めることができると思う。あとは、先制点が非常に重要になってくる。焦れずに、そして、失点することなく、先制点を狙っていきたい。
チームとして狙っていたことを出せたゴールだった。個人としても狙い通り。その意味では素晴らしいゴールだった。ボールを奪ってから縦への早い攻撃を意識して、健斗がいいボールを出してくれた。相手の前でゴールに向かって胸でトラップでき、ゴールにつなげることができた。ただ、ゴールを決めることができた以上に、チームの勝利に喜びを感じている。
【三竿 健斗】
(ゴールシーンは)ボールを運んで顔を上げたとき、綺世が降りてきて空いたスペースが見えていた。エヴェだったらなんとかしてくれると思い、滞空時間があるボールを選択した。あとはエヴェの能力でゴールまで持っていってくれた。連戦になればなるほどチームとしての結束力が増して試合に勝てるというのはアントラーズの強み。チームみんなで誰が出ても同じサッカーをできるようにやってきているからこそ勝てたと思う。これからもチームみんなでひとつずつ勝っていきたい。