鹿島の連勝は4でストップした。J1第11節、ヴィッセル神戸をカシマスタジアムに迎え撃つと、開始14分で2点を奪われる苦しい展開に。後半開始からピッチに立ったレアンドロが89分に公式戦初得点を挙げたものの、反撃及ばず。1-2と敗れ、開幕11試合を終えて7勝4敗。首位陥落となった。
鹿島は4月26日のグループステージ第5節で蔚山現代FCに4-0と快勝してから公式戦4連勝中と勢いに乗っている。4月30日は鳥栖に2-1と逆転勝利、5月3日は浦和を1-0で撃破。そして5月10日にはムアントンに2-1と競り勝ち、グループEの首位突破を決めた。
中3日で迎える神戸戦を前に、石井監督は「首位だからということではなく、一戦一戦で勝ち点を積み上げることだけに集中しなければいけない。目の前の試合を意識したい」と一戦必勝の姿勢を強調した。守護神として立ちはだかるクォン スンテは「ホームでは良い雰囲気で試合ができるし、より集中できる」と、聖地での勝利を誓う。
初夏の訪れを感じさせる暑さが続いたが、試合前日は打って変わって冷たい雨に見舞われた。それでも選手たちは精力的にピッチを駆ける。セットプレー練習は激しいボディコンタクトの応酬となった。トレーニングを終え、土居は「楽な試合なんてない。歯を食いしばりながら戦えればいい」と決意を述べた。
石井監督はムアントン戦から先発メンバーを2名入れ替えた。センターバックの一角に、トップチーム昇格2年目にしてJ1初先発初出場となる町田を指名。そしてボランチには小笠原が復帰した。その他、GKはスンテ、最終ラインは右サイドバックに西、町田のパートナーに昌子、左サイドバックには鹿島でのリーグ戦初先発となった三竿雄斗が入る。ボランチは小笠原とともにレオ シルバが君臨。2列目は遠藤と土居、前線は鈴木とペドロ ジュニオールが先発出場し、古巣を相手にゴールを狙う。そしてベンチには、GKの曽ケ端、山本、伊東、永木、レアンドロ、金森、金崎が並んだ。
ウォーミングアップへ向かう選手たちに大きなチームコールが降り注がれる。プロフェッショナルとしての誇りを示し続けるレオ シルバと小笠原、そしてリーグデビュー戦に臨む町田の名を呼ぶ声がカシマの空に響き渡る。ボルテージが高まる中、14時3分にキックオフのホイッスルが鳴り響いた。
鹿島は開始早々、古巣との対決に臨んだペドロがドリブル突破でペナルティーエリアへ切り込むなど、ゴールへの意欲を示す。5分には敵陣で相手のパスをカットし、ペドロがドリブルでペナルティーエリア左手前へ。背番号7が左足を振り抜き、強烈なシュートが枠を捉えたものの、相手GKに弾き出されてしまった。
立ち上がりにチャンスを作り出した鹿島だが、思わぬ形で先制を許してしまう。10分、鹿島陣内左サイドからのFKがファーサイドへ飛ぶと、競り合いの中からクリアを試みた西のヘディングがゴールへ。痛恨のオウンゴールで、鹿島がビハインドを負った。

失点を喫した鹿島は、直後にもミドルシュートでゴールを脅かされる。スンテの好守で事なきを得たが、4分後に再び沈黙の時を迎えることとなった。14分、右サイドから上げられたクロスに反応され、渡邉にヘディングシュートを決められてしまった。
0-2。2点を追う展開となり、重苦しいムードが聖地を包む。決定機を作れないまま、30分を経過。そして33分、追い打ちをかけるようなアクシデントが鹿島を襲う。ペナルティーエリア右側でパスを受け、シュート寸前でプレスに遭ってチャンスを逃した遠藤が足を痛めてピッチ外へ。プレー続行不可能となり、自ら交代を申し出た。石井監督は金崎を送り出し、鈴木を右サイドハーフに配して反撃を期す。
さらに36分、鹿島はペナルティーエリア内へパスを通されて渡邉に強烈なシュートを打たれたが、ポストに救われた。ボールポゼッション率では上回っていても、機を見たカウンターを仕掛けてくる神戸のほうが決定機の数は上。不甲斐ない内容に終始し、2点ビハインドのままで前半を終えた。
後半開始時から、石井監督は2枚目の交代カードを切る。ペドロに代えてレアンドロを投入し、鈴木と金崎の2トップへとシフトチェンジした。攻めるしかない鹿島は前半とは見違えるような出足の速さを見せてセカンドボールをことごとく確保。金崎が両サイドに流れてボールを引き出し、突破口を見出そうと腐心していた。
この日最初の決定機は57分。レオの力強い突破からスルーパスが通り、ペナルティーエリア右側から金崎が右足を振り抜く。シュートは相手GKに阻まれ、こぼれ球に反応した鈴木のプッシュも防がれてしまった。
上昇気流に乗り始めた鹿島だが、またもアクシデントに見舞われる。エネルギッシュな上下動でチームに活力を与えていたレオが負傷。ミドルシュートを打った直後に担架に乗って戦いの場を後にし、62分に永木と交代することとなった。2点を追う残り30分時点で、交代枠を使い切った。
背番号12が待つゴールへ、必死に攻勢をかける鹿島。途中出場のレアンドロと永木が強靭なフィジカルを活かして力強い突破を繰り出し、チームの推進力となっていった。79分には永木の右CKから町田が左足でシュート、クロスバーに阻まれたところに詰めた雄斗のヘディングも相手に阻まれる。最後の一線を破れず、2点ビハインドのままで残り10分を切った。
次の決定機は84分。レアンドロの高速ドリブルで得たFKを永木が直接狙うと、高精度の一撃が枠を捉えたものの、無情にも右ポストを直撃してしまう。背番号6は直後にも強烈なミドルシュートを放ったものの、相手GKに弾き出されてしまった。
反撃の得点は89分、右サイドのスペースへ飛び出した西がグラウンダーのクロスを供給すると、レアンドロが反応。右からのボールに左足インサイドで合わせる高度なテクニックで、シュートをゴール左隅へ届けた。1-2。残り時間はわずかだが、鹿島が1点差に迫った。
5分と表示されたアディショナルタイム、鹿島は同点弾を目指して必死に攻め込んだ。ラストプレーとなったのは直接FK、先ほどと似た位置で得たチャンス。永木が狙うが、枠を越えてしまった。次の瞬間、敗北を告げるホイッスルが鳴り響いた。
1-2。公式戦の連勝は4でストップした。首位陥落という事実と向き合い、聖地に鳴り響いたブーイングを受け止め、再び這い上がらないといけない。次戦は5日後、J1第12節で川崎Fと対戦。その後はACLラウンド16の2試合を控えている。真価を問われる5月後半。チーム一丸で歩みを進めなければならない。
【この試合のトピックス】
・レアンドロが公式戦初得点を挙げた。
・トップチーム昇格2年目の町田がJ1初先発初出場を果たした。公式戦出場は昨季のナビスコ杯2試合に続いて、通算3試合目。
・三竿雄斗が加入後初めてJ1で先発出場を果たした。
・小笠原が公式戦2試合ぶりに先発メンバーに復帰した。


・相手陣内でボールを保持する時間を長く作っていこう。
・まずは1点。シンプルに味方を使って攻めよう。
・後半もこのままいこう!立ちあがりに気を付けること。
神戸はサイドからのクロスもあるし、身長の高い選手もいる。中央からのコンビネーションもある。DF陣と話しながら対応したい。ホームゲームは勝たなければならない。ホームで勝っていけば、優勝に近付いていける。
【土居 聖真】
神戸は攻撃がシンプルで、足元がうまいイメージ。パスの出しどころも含め、攻め手をなくさせるような戦い方をしたい。楽な試合なんてない。歯を食いしばりながら戦えればいい。
【町田 浩樹】
U-20日本代表に入れず、ここでチャンスが巡ってきたのは何かの縁だと思う。落選したのは悔しいけど、その反面、ここでやってやろうという気持ち。チャンスをしっかりモノにしたい。自分のことよりもチームの勝利が全て。やるしかないし、やれる自信はある。
【昌子 源】
神戸はテクニック系の選手が多くなった印象がある。首位であることを気にしていたらダメ。目の前の試合に勝つことだけを考える。ホームで勝ち癖をつけたい。
【三竿 雄斗】
ムアントン戦はグループステージを突破したチーム同士の対戦だったけど、今回はJリーグ。そこでどういうプレーができるかが大事。ポジションを奪うためにも良いプレーをしたい。良い練習ができたし、感覚も悪くない。走り勝てるようにしたい。
【ペドロ ジュニオール】
神戸には50年くらいのキャリアを持っている、優秀な監督がいる。戦術やサッカーの知識が豊富で、それが選手に還元されている。選手も能力が高く、監督を理解して実践できる。非常にやりにくい相手だけど、チーム状態が良いので継続できるようにしたい。
最も重要なチームの勝利にはつながらなかったので、非常に残念。今やっている努力を怠らずに継続してやっていかなければならない。まずは次の試合に向けてしっかりと回復して、良い結果につながるように準備していきたい。
【町田 浩樹】
自分が試合に出て負けてしまった。自分のところから失点をしてしまって悔しい。勝ちたかった。自分では緊張していないつもりだったけど、立ち上がりでミスがあった。(失点は)ニアに来ると思って先に走り過ぎてファーで決められてしまった。そこで対応できるようにならないと試合には出られない。また練習から取り組んでいきたい。
【永木 亮太】
前半は神戸が良い形で試合を進めていたと思う。球際やボールへのプレッシャーの勢い、迫力はベンチから見ていても感じていた。本来はあのような試合を自分たちがやらなければいけない。先に点を取られても跳ね返す力を付けないといけない。
【西 大伍】
反応の速さで相手の方が上回っていて、後手に回ってしまった。後半は攻めなければいけない状況になって、ある程度リスクを負いながら人数をかけていたのでセカンドボールを拾えるようになったけど、それを先にやるか後にやるかというところ。失点をしてからではキツい展開になる。