
前半からあった何度かの好機を決めきれず相手に先制されるという今季を象徴したようなゲームとなったが、試合終了直前に興梠が執念の同点ゴールを決め、1-1のドローに終わった。これで鹿島は勝点を1伸ばし、暫定の順位を6位とした。
序盤、ホームで今季わずか1勝という大宮が守りを固める中、鹿島は中盤の増田、柴崎が動きながらボールを回し、攻め手を伺う。だが前線で仕掛けるのがワントップの興梠のみと、トップ下のフェリペ、サイドの野沢、遠藤ともにコンビネーションの確立に少々時間を使った。
相手の寄せの厳しさにも苦しんだ鹿島だが、それでも前半のうちに何度か好機を作る。25分、新井場のロングフィードを前線の興梠が頭で落とし、フェリペがためを作る。最後は遠藤が強烈なグラウンダーのシュートを放ったが、これは惜しくもゴール右に外れた。またその4分後には西のスルーパスを受けた興梠がフリーでシュート。これは決まったかと思われたが、北野の好セーブで先制点は阻まれた。
また前半で最も得点に近づいたのが、43分。センターサークル付近に位置どる柴崎が右サイドの西へ見事なロングパスを通す。これを西がゴール前へ折り返し、走り込んだ野沢がダイレクトシュートを放つ。名手北野もこれは止められなかったが、シュートは無情にもクロスバー直撃。鹿島は先制点を得るチャンスを逸した。
後半に入ると、守りから入っていた大宮も徐々に攻撃へ重心を傾け、ラファエル、イというリーグ屈指のツートップを中心に前へ出てくる。しかし鹿島は新井場が絶妙な駆け引きでラファエルに決定的な仕事はさせない。中盤の渡邉らにミドルシュートを放たれても、曽ヶ端がしっかりとセーブし失点は免れる。
そして62分、鹿島が決定的なチャンスを得る。左のアレックスからのパスを野沢がスルーし、ボールを受けた遠藤が左足をワンステップで振り抜く。しかしこれも前半の野沢の一発同様、クロスバー直撃。またしても鹿島は先制点を決めきれない。
すると鹿島の守備がついに綻びを見せる。67分、渡邉からのクロスをイに頭で押し込まれ、失点。ここまで大宮に気迫の守備を見せられただけに嫌な雰囲気がピッチを支配した。
「どんな試合でも勝ちに行くのが、鹿島」。キャプテンの小笠原が言うようにこの試合も消化試合にはしたくない鹿島は、ここでベンチが動く。70分、西に代わり、小笠原がピッチに入り、柴崎が右サイドバック、小笠原がボランチという攻撃的布陣を敷く。さらにその6分後、フェリペと遠藤に代わり、本山とタルタが入り、ゴールを取りに行く気持ちを全面に押し出したサッカーを展開する。
ここから怒濤の攻撃を見せた鹿島だったが、ついに終了直前の90分、それまで何度かシュートを阻まれた興梠が執念の同点弾を決める。増田が起点となり、右サイドの柴崎がエリア内の野沢へパス。野沢はここでノールックでゴール前へ走り込んだ本山へラストパスを送る。本山の放ったシュートは北野に止められるが、興梠がストライカーらしくそのこぼれ球に詰め、1-1の同点とした。
その後もアディショナルタイムの4分を含め、攻めに攻めた鹿島だったが、このまま試合終了となり、結局は1-1のドローに終わった。決定機に決めきれない今季を象徴した試合内容ではあったが、負傷者続出の中、最後の最後に同点に追いついた執念は強いものを感じた。だが次節のホーム最終戦は、この試合でイエローカードを受けた新井場と柴崎が累積警告で出場停止。さらに厳しい試練が鹿島を待ち受けることになるが、ホームのサポーターのためにも今日のような粘りを見せて欲しいものだ。




















・気持ちをコントロールしながらゲームを進めよう。
・サイドチェンジは非常に良く出来ている。後半もサイドからの展開で相手のディフェンスを引き伸ばそう
・攻撃はボールをしっかりと動かすこと。長いボールだけではだめ。
・前線の選手へのサポートをもっと早く。
天皇杯で決めたのは良かったけど、他にもチャンスはあった訳だし追加点を取れれば楽になった。リーグ戦の優勝はないけど残りを全部勝って、天皇杯につなげたい。サコがいなくて有三さんもいなければ、自分がやるしかない。自分が怪我で離れていた時に助けて貰ったから、今度は自分の番。
【小笠原 満男】
リーグ戦も残り3試合だが全勝したい。優勝あるなしに関係なく、勝たなくてはいけないチーム。試合を捨てるようなチームではない。結果が出ない時でも応援してくれたサポーターがいるので良い試合をして勝利を見せたい。
【青木 剛】
リーグ戦の残り試合は全部勝ちたい。優勝がないと言ってモチベーションが下がることはない。逆に高くなっている。大宮はホームで戦った時とはシステムも変わっていると思うが、守備陣が大宮の攻撃陣にどれだけ出来るか大事な試合。大宮の特長を理解して対応したい。
【新井場 徹】
守って攻める。ハードワークが必要な試合。相手もこっちのストロングポイントを警戒してくる。中2日で厳しい試合になる。相手がどんな状況でもやることは変わらない。ピッチに立てば、(CBを)やったことなんて言ってられないし、リーグ戦だからとか中2日だからとか、言い訳しないでやりたいと思う。リーグ戦が不甲斐ない試合では天皇杯につながらない。
【昌子 源】
大宮戦は誰がCBをやるにしても、自分はしっかり準備をしたいと思う。良い緊張感を持って落ち着いてやれば、大丈夫。ミスがゼロというのは難しいが、そのミスを繰り返さないように、すぐに修正したい。そして1個のミスから連鎖して大きなミスにならないようにする。
【土居 聖真】
出場したら、前に仕掛けたい。自分の持ち味なので、それをどんどん出したいと思う。残り10分で出場して、守って勝って喜ぶのでなく、チームの最低限のルールを守って10分の間に攻めて、自分のプレーを見せたい。
大宮はカウンターからラファエル、イに当てる狙っていだったので、そこだけをケアした。身長が高い分、後手に回ったところもあるけど、落としたボールをみんなで拾うことが出来た。失点は一瞬のスキ。相手の守備意識が高くなった中で追いついて、もう1点何とかしたかったが、残念。
【遠藤 康】
相手のカウンター狙いが厄介だった。でも引かれた中で攻められたし、シュートまで行けた。内容は悪くなかったと思う。
【興梠 慎三】
(自分自身が)ひどい。内容も駄目。先に点が取れた。納得がいかない。前半にチャンスがあったので、決めていれば勝つことができた。負けなくて良かった。
※増田選手、本山選手のコメントはアントラーズモバイルでご覧ください!