
昨シーズン J1王者の広島のホームに乗り込んだ第3節は互いに攻め合う好ゲームながら得点は生まれず、0-0のスコアレスドローに終わった。鹿島にとって2007年から勝利がない苦手のアウェイ広島戦だったが、トニーニョ セレーゾ監督のJ通算100勝目にあたる白星こそつかめなかったものの昨季王者相手に堂々と渡り合う試合内容を見せた。
セレーゾ監督が「素晴らしい前半」と評したように、鹿島は立ち上がりからボールポゼッションで優位に立ち、試合を一方的に支配した。左サイドのジュニーニョが巧みなポジション取りからボールを引き出し、再三チャンスを演出。中盤でも素早いプレスから広島にペースを握らせず、前半を通して押し込む展開を見せた。
33分には、小笠原が素晴らしい出足から相手ゴール前でボールを奪うと、スイッチしてボールを受けた柴崎が右サイドに展開した。サイドに開いていた大迫はパスを受けると、中央にグラウンダークロスを供給。最後は走り込んだダヴィがゴール前で合わせ、広島ゴールを揺らした。オフサイドの判定でゴールこそ認められなかったが、完璧と言える一連の流れを見せて、ゴールへの予感を漂わせた。
しかし、後半に入ると流れは一気に暗転。運動量が落ちたところで広島の反撃に遭い、波状攻撃を受けてしまう。71分にはCKのクリアボールを拾った塩谷のシュートからゴールネットを揺らされてしまうが、ゴール前に位置していた千葉がオフサイドポジションにいたため、得点は認められず難を逃れた。
前半と打って変わって劣勢を強いられることになったが、GK曽ヶ端を中心に広島の攻撃を凌ぐと、試合終了間際の後半ロスタイムには野沢がGKと一対一となる絶好機を作り出す。野沢のシュートは相手GK西川の好セーブに遭ってしまい得点には繋がらなかったが、苦境の中でも最後まで矛を収めずにゴールを狙っていたところは、チームの底力を大いに感じさせた。
結果的にドローとなってしまったが、「相手がJリーグチャンピオンというところも考えたが、抱えている選手の能力を発揮してもらわないといけない」という監督の言葉通り、チームの強みである中盤の構成力を基にした前半の戦いは、王者相手にも圧巻の試合運びを見せた。そして、「まだ3試合しかやっていないわけで、チーム作り、体づくりをしている段階」という言葉の一方で、鳥栖、仙台、広島と昨シーズンの上位陣を相手にした開幕からの戦いぶりは、復権の予感を十分に感じさせていることも、また確かである。今後の戦いが楽しみだ。
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【この試合のトピックス】
・このドローで、2007年以来7年連続アウェイ広島戦未勝利。






・プレーに迷いがあってはいけない。自信を持って次の一手を選び、はっきりと意思表示しろ。
・セカンドボールへの反応や球際の勝負など、勝利のベースとなる部分では絶対に負けるな。
・守備から攻撃の切り替えを早くしよう。
・自信を持ってボールを受けよう。
・先制した方が試合に勝てるという状況でもあった。どっちに点が入ってもおかしくなかったし、両チームとも勝利に値するプレー、姿勢というものはあったと思う。チームが非常にそういった組織の面、あるいは気持ちの面で見せたものというのは、今後の明るい材料。選手達を褒めたいし称えたいし、これぐらいみんなでやれば、もっと今以上に上げることができると思う。
・相手がJリーグチャンピオンというところも考えたが、抱えている選手の能力を発揮してもらわないといけないと思った。野沢にしても、ジュニーニョにしても、サイドの突破をひとつの武器でもっているわけで、スピードであったり技術であったりという形でそれぞれの特長があるなかで、チームがそこを上手く使うことが出来ればなという思いもあった。同時に彼らは勇敢にボールを前に運ぶという作業をするので、チームとして素早くコンパクトに保ってやっていくことが大事であったし、そういう意味で前半は自分たちのペースでもありながら、負担もかけられたので、自然に後半は落ちてしまうという状況になってしまった。それはもうやむを得ないことでもあって、中身を見てもらえばそれだけの負担というものがあった。ただ彼らがサイドを崩した時に中にはダヴィや大迫と言った、ヘディングが強く、ボックス内で仕事のできるFWがいるので、そこをうまく活用出来ればという狙いでいた。
・まだ3試合しかやっていない。まだチーム作りをしている段階で、体づくりをしている段階である。後半に落ちてしまうということをよく言われるが、それは今の段階では当たり前のことであるし、また我々の場合は30代の選手もかなり多く抱えているし、日本のサッカーのテンポ、リズムをずっと90分間やり続けるのは難しいと思う。試合の負荷と同時に年齢だったりというところもあるし、開幕して間もないというところもあってのことだと思う。
(3試合で)1勝しかしていない。去年の順位は関係ない。今日の結果は喜べる物ではない。勝ちたかった。
【岩政 大樹】
無失点で抑えた事は良かったと思う。上手く守備の形がはまった。最低限、0-0も考えてプレーはしていた。1勝2分けは良いとは言えないが悪い滑り出しでもない。
【大迫 勇也】
中盤から裏へのボールがあっても良かったと思う。慎重にやり過ぎた。ボランチの青山選手を見るように言われていたので、割り切ってプレーをしていた。今日のポジションはFWじゃなかった。ここまで失点が多かったから守備から入るようにしたけど、アウェイでの戦い方。ホームではまた良いプレーが出来ると思う。
ダヴィ選手、青木選手、曽ヶ端選手のコメントはアントラーズモバイルをご覧ください。