
一時は同点に追いつかれたものの、77分、野沢が芸術的なFK弾を決め、2-1と清水を退けた。これで鹿島は3大会ぶり4度目の天皇杯制覇を果たし、2011シーズンのACL出場権も手中にした。今季限りで現役を引退する大岩にとっても最高のエンディングとなった。

試合開始直後は一進一退の攻防が続き、天皇杯決勝にふさわしい雰囲気に包まれた国立だったが、10分過ぎからはこの試合に賭ける思いが強い鹿島が徐々に主導権を握る。10分、小笠原の浮き球気味のスルーパスから大迫が抜けだすも相手GKに阻まれる。また15分には大迫から野沢につなぎ、最後は興梠がほぼフリーの状態で小気味よくシュートを放つ。これは惜しくも相手GK山本の正面を突いたが鹿島のゴールへの意識は高かった。


そして26分、この日最初のCKから待望の先制点が生まれる。キャプテン小笠原が蹴った左CKを伏兵のフェリペ ガブリエルが綺麗にヘディングで合わせる。ボールはそのままワンバウンドしてゴールネットを揺るがし、鹿島のゴール裏は歓喜に沸いた。


前半を通して清水にあったチャンスらしいチャンスは20分に左サイドを岡崎に突破された場面ぐらいと鹿島は、この日センターバックに入った中田、そして伊野波を中心にしっかりと守り、最初の45分間を1-0で戦い終えた。


後半に入っても鹿島は得点のチャンスをうかがう。54分、フェリペ ガブリエルが見事なパスカットから前線を駆け上がる野沢へパスを出す。ここから野沢はドリブルで持ち込み、鋭いシュートを放つ。これは惜しくもGK山本海に止められたが、こぼれ球に興梠が詰めるなど2点目への期待は高まった。


しかしこの後、前半は消えていた小野と藤本のコンビネーションが戻ってきた清水に反撃を食らう。59分、最終ラインの背後をヨンセンに突かれる。GK曽ヶ端がためらわず飛び出すも間に合わず、ヨンセンに放たれたループシュートが時間をかけて鹿島ゴールへ迫った。中田がゴールに飛び込むほどの勢いで戻るも、万事休す。残り30分というところで試合は振り出しに戻った。


連戦続きということで疲労の色が濃い鹿島だったが63分、フェリペ ガブリエルの代わりに本山がピッチに立つと、またしても試合の流れは鹿島へやって来た。そして77分、ペナルティーエリアすぐ外で得たFKを野沢が直接決め、再びリードを得る。この野沢の芸術的なFK弾で勢いに乗った鹿島はその後も清水の攻撃をうまく寸断し、當間、遠藤など交代で入ったフレッシュな選手たちもチームの勝利のために汗をかく。そして4分のアディショナルタイムも守りきった鹿島が3大会ぶり4度目の天皇杯優勝を飾った。


長きに渡りクラブに貢献し、また日本サッカーの第一線で活躍した大岩のラストを天皇杯制覇という最高の形で締めくくった鹿島はこれで2011シーズンのACL出場権も得た。クラブ創立20周年となる節目の2011年をスタートさせるにふさわしい元日となった。



・リスクマネージメントをしっかりすること。
・集中して入ること。
・お前たちの方が上、自信を持ってやること!
・集中力を切らすな! 絶対に勝とうぜ!!
(野沢選手の決勝ゴールについて)昨日から点を取る感じがしていた。決勝はボールが変わって(Jリーグ試合球と同じになったので)、慣れていた。失点はいらなかった。ああいう形で失点したのは、はじめて。失点で勢いをのせてしまった。チャンスで決めていればもっと楽に進めることができた。
【曽ヶ端 準】
全体的にハードワークができていたし、気持ちの入った試合ができたと思う。同点に追いつかれてからも慌てることなく、落ち着いて試合を運ぶことができた。
【宮崎 智彦】
相手の攻撃が3枚、前で張っていたのでそれを引かせるくらいの積極性を持っていないといけない。勝てて良かったです。
【新井場 徹】
ヨンセン、岡崎、藤本の3枚が相手のストロングポイント。それをどう抑えられるかがカギだった。いい時間に点が入って良かったし、嫌な形で失点したけれども、タクが決めてくれた。後は守り切るだけだった。
【大迫 勇也】
自分自身は良くなったので、守備をがんばろうと思った。守備をしないとこのチームでは出られない。攻撃ではスペースがあったのでうまく使えればと思った。
※中田選手、本山選手、野沢選手の試合後コメントはアントラーズモバイルをご覧ください。