
平山のスーパーゴールで先制されたものの、大迫が同点ゴール、そして興梠が試合終了直前に劇的な決勝弾を決め、鹿島が延長戦の末、2-1でF東京を退けた。これで鹿島は3大会ぶりとなる決勝進出、元日の国立で清水と今季最後のタイトルを争う。



来季のACL出場権のためにも絶対に負けられない鹿島は序盤から鋭い出足で攻撃を仕掛ける。2分、興梠の突破からフェリペ ガブリエルがつなぎ、最後は野沢がダイレクトシュートを放つ。非常にきれいな流れだったが、これは相手GK権田に止められる。さらには12分、野沢のパスに興梠が抜けだし左足で強烈なシュートを見せたが、これも権田に阻まれる。序盤の決定機を2度とも相手GKに防がれた鹿島は勢いを失い、徐々に自陣内でのプレーが多くなっていった。


そして39分、国立で13戦19発と抜群の相性を見せる平山に芸術的なオーバーヘッドから先制点を許す。結局、前半はこのまま終了し、鹿島は1点ビハインドのまま、残り45分間を戦うこととなった。


この嫌な流れを断ち切るため、後半開始からオリヴェイラ監督が動く。疲れの見える大岩に代え青木を入れ、ボランチの中田をセンターバックに下げる。これで中盤の活性化と最終ラインの安定化を同時に図った鹿島は勢いづいたF東京の猛攻を抑えきった。


さらに試合の流れが大きく変わったのは、61分。ここまで攻撃のリズムを作ることができなかったフェリペ ガブリエルに代わり、本山がピッチに入る。この本山の投入で野沢、小笠原らによるバイタルエリアへの侵入が容易となり、F東京ゴールへ迫る時間が増える。そして67分、野沢の華麗なヒールパスから左サイドの宮崎がダイレクトでゴール前へクロスを送る。これを一度下がって相手マークを外した大迫が絶妙のタイミングでヘディングシュートに持ち込み、1-1の同点とする。


途中交代の本山に操られるように大迫、興梠、そして野沢らが次々とシュートを放ち、前半とは打って変わって攻勢に出た鹿島だったが、結局、最後のチャンスとなった小笠原のFKも権田のスーパーセーブで阻まれ、90分を1-1で終えた。


大会規定により15分ハーフの延長戦に突入し、最初のドラマは95分に起きた。野沢が絶妙なターンドリブルで米本のファウルを誘い出す。これに対しレフェリーは米本に今日2枚目となるイエローで退場を宣告し、鹿島が数的優位を得たのだ。ここから10人で守るF東京に対し、鹿島は怒濤の攻めを見せる。112分には野沢に代え、佐々木まで投入し決勝ゴールを奪いに行く。しかしF東京の意地の守りに阻まれ、なかなか2点目が取れない。


PK戦へ突入するかと思われた延長後半アディショナルタイム。この激戦のフィナーレは突如訪れた。延長戦終了のホイッスルまで後10秒というところ、本山が前線へフワリとしたパスを送る。これを相手選手と競りながら受けた大迫が相棒の興梠へラストパス。最後はその興梠が魂のこもったシュートで決勝ゴールを決め、劇的な逆転勝利へと鹿島を導いた。

興梠の決勝弾がF東京のゴールネットを揺るがした直後に試合終了のホイッスルが響くという何ともドラマチックなエンディングとなった今日の国立。これで鹿島は元日の決勝へ駒を進めた。対する相手は3ゴールを奪う猛攻でG大阪の天皇杯3連覇を阻んだ清水。2011年、クラブ20周年の元日にふさわしい舞台で鹿島は今季最後の戦いに臨む。



・相手FWのマークをしっかりしよう。
・集中してやればチャンスは来る。
・相手のロングボールにしっかり対応すること。
・アーリークロスを入れていくこと。
本山が入ってから流れが変わったし、得点をすることもできた。彼は決定的な仕事をできる。マルキーニョスの穴を埋めることは大変だが、チームは再建する時に来ている。良かった時期だけを見ていては駄目だ。
決勝はACLの出場権もかかっているし、ACLに出たければ日々の生活から変えていかなくてはいけない。2010シーズンのいい締めくくりができればと思う。
国立は芝が好きなのでプレーしやすい。対戦相手の事を考えるよりも自分のプレーができるように心がけたい。
【興梠 慎三】
久々の試合で疲れが残っているが試合勘は問題ない。相手は延長戦まで戦っているので少しは有利だと思う。F東京戦では点を取っているが、今野選手や森重選手はやりずらいDFのタイプなので注意したい。
【大岩 剛】
ウチにはポジションごとに良い選手がたくさんいるので、組織でしっかりと守りたい。相手には高さのあるFWもいるから高さで勝てる時と勝てない時があると思うので、そこでいいボールを落とさせないようにすることとセカンドボールを拾うことを意識しないといけない。
【曽ヶ端 準】
FC東京には能力の高い選手が揃っているし、前線の高さには注意しないといけない。剛さんのためにもしっかりと勝ちたい。
【中田 浩二】
FC東京は、J2に落ちるようなチームではない。平山も調子が良さそうだし、大竹も前線でうまく機能している。前線には良い選手が揃っているので注意が必要。剛さんのためにも勝利して、いい形で決勝をむかえたい。
前半に先制されて苦しい試合だったが、サコがいい形で点を取ってくれた。90分で終わらせたかったけれども、まあ勝ててよかったという感じです。最後まで諦めなければチャンスは必ず来ると思っていたし、自分はそのチャンスを決めるだけだった。サコとの関係は1試合1試合よくなってきていると思うので決勝もいい形でプレーできればいいと思う。
【大迫 勇也】
(得点シーンは)ミヤさんがいいボールをくれたのであとは決めるだけだった。次も僕と慎三さんが点を取れば勝てると思うので、しっかりと切り替えていい準備をしたい。スタメンで使ってもらっているのでしっかりと結果を出して信頼を勝ち獲りたいと思う。
【伊野波 雅彦】
(失点シーンは)フリーでクロスを上げられてしまった。あそこで自由にさせてしまうとDFとしては対応が難しい。高さ対策として自分の中で考えていたことをいくつか試すことも出来た。リーグ戦で優勝することが出来なかったので、サポーターのためにも天皇杯でしっかりと優勝したい。
【新井場 徹】
今日の試合はみんなの気持ちが入っていたと思う。お互いにACL出場がかかっているので、次の試合も間違いなく厳しい試合になる。この2日間でどれだけ回復出切るか、それだけに集中したい。
【中田 浩二】
前半の入り方はよかった。途中から向こうにペースを握られて相太(平山選手)にすごいのを決められてしまった。点を取られてからもドタバタすることもなく、落ち着いてやれれば取り返せると思っていた。センターバックに入ったのは、2年ぶり。練習でもやってなかったけど意外と出来たし、相太にも上手く対応出来ていたと思う。
※本山選手、小笠原選手、宮崎選手の試合後コメントはアントラーズモバイルをご覧ください。