
今季初先発となった本山と8試合連続でゴールから見放されていた興梠のホットラインが炸裂し、鹿島が4試合ぶりの勝点3を獲得した。前日、名古屋が神戸に勝利したため勝点差は縮まらなかったものの、追撃へ向けチームは最高の雰囲気となった。

鹿島は序盤から攻撃的な姿勢を見せ、相手ゴールに襲い掛かる。チーム得点王のマルキーニョスを累積警告の出場停止で欠くため、オリヴェイラ監督はこれまでの2トップから1トップに変更し、トップ下に本山を置く4-2-3-1の布陣を取った。


鹿島に訪れたのは最初の決定機は11分。フェリペ ガブリエルからのワンツーで抜け出した新井場がペナルテイエリア内で相手DFに倒されPKを獲得する。この試合がリーグ通算300試合のメモリアルゲームとなったキッカーの小笠原が自らのゴールでこの記録に華を添えるかと思われたが、ゴール真ん中を狙って蹴ったボールは無常にも相手GKに阻まれ、鹿島は最初の決定機を逃してしまう。

これで流れが一気に横浜FMに傾くかと思われたが36分、この試合が今季公式戦初先発となった背番号10番のひとつのパスが、スタジアムを歓喜の渦に包み込んだ。ジウトンからのパスを受けた本山が前線の興梠へスルーパスを送る。このパスで抜け出した興梠が角度のないところから左足を振りぬくとこれがゴールネットに吸い込まれ鹿島が先制点を得る。8試合連続でゴールから見放されていた興梠にとっては、8月14日のFC東京戦以来となるおよそ2ヶ月ぶりのゴールとなった。


さらにそのわずか3分後、またしても本山と興梠のホットラインから追加点が生まれる。小笠原のパスを受けた本山がダイレクトでヒールパスを送ると、走りこんだ興梠が今度は右足で叩き込み、今季8ゴール目。鹿島が2点リードして前半を折り返した。


後半に入っても鹿島の勢いは止まらない。開始早々の46分、フェリペ ガブリエルから興梠とつなぎ、最後は小笠原がペナルティエリア内でシュートを放つ。これは惜しくも枠を外れたが、鹿島は前半の勢いを持続した。その後、端戸、狩野など攻撃的な選手をピッチに送りこみ反撃を狙う横浜FMにチャンスを作られる場面も増えたが、曽ヶ端ら守備陣が安定したプレーを見せ、最後の仕事をさせない。また65分を過ぎると徐々に疲労感も見え出したが、選手たち全員が勝利への執念をみせ、無失点でリーグ4試合ぶりとなる勝点3を獲得した。

「相手のDFの間でうまく仕事が出来るのはモトだけ」。試合後に中田が語ったように本山がトップ下に入ったことによって、ここ最近見ることの出来なかった中盤の連動性と素早いパス回しがチームに戻って来た。なおこの試合では、中田がリーグ通算200試合出場、小笠原がリーグ通算300試合出場の記録を達成し、勝利に華を添える形となった。リーグ戦残り7試合。若きエース・興梠の完全復活と共に、史上初のリーグ4連覇へ向けて鹿島の反撃が始まった。



・攻から守への切り換えを早く奪われた瞬間に早くすること。
・最後まで集中すること。
・間々にもっと顔を出して、どんどんボールを動かしていこう!
・いつもやってること。いこうや。負けられんやろ。
素晴らしい選手を出場停止で欠いたことで代わりにそれに見合った選手を模索していく中で攻撃的な能力のセンスだったり、クレバーさを持っているのが本山だった。彼はピンポイントでやってほしいことができる選手。今シーズンはケガがちであったり、体調不良などで調子が整わなかったりして途中交代が多いが90分通して使っていきたいとは思っている。今後(の戦い方)に関しては対戦相手をみなくてはならないので分析も必要であるし、選手1人1人のコンディションだってある。次の試合まで1週間時間があるのでそこでしっかりと準備していきたい。そして今一番チームに最良なことを模索してやっていきたい。
Q:今日2ゴールを挙げた興梠について
FWは点を取ることが仕事であり、取っていくことで自信を深めていくものなので点を取ることで変わってくると思う。興梠に関しては点を取る予兆は持っていたし、他の試合でもチャンスをつくれていたなかで今日点を取れたというだけ。FWに期待されることは1試合で多く点を積み重ねることよりもシーズンを通じて継続して点を取っていくということ。今日点を取れたことによって彼にとってもはっきりしてきた部分はあると思うので彼に期待したい。
Q:10(引き)分けということに関して
前節、1点取って同点に追い付かれる間にもチャンスはあったし、ホームであっても同じことはあった。1点とってさらに点を積み重ねていくことが大事であって勝つために戦っているなかで引き分けというのはやむを得ない。ただ、全部が全部引き分けに値する試合かといえばそういう試合はないと思うし、引き分けで(勝ちを)無駄にしてしまった試合はいくつかあり、残念な部分はある。
今日の試合でPKを決めていれば違う展開はあったかもしれない。ただ、そこで下を向くことなくやり続けたことが1、2点目へとつながった。マリノスは質、攻撃力が高いチームであって個人名をあげなくてもわかると思う。みんなが同じやり方でしっかりと献身的にできるかできないかという部分において、今日は勝ち点3も大事だったが、我々が狙いとしていた全員で組織的にやろうという部分ができていたというのが大きな収穫だったと思う。
セットプレーはひとつのポイントになると思う。向こうにはスーパーなキッカーがいるし、それに飛び込む人も伝統的に強い。前よりも枚数的には減ったが、ピンポイントで蹴られる人がいるのでセットプレーは特に気をつけないといけない。
【中田 浩二】
横浜FMの起点は俊輔になる。俊輔は前線に残ることがあるので、そこをボランチが見るのかサイドの人間が見るのかをはっきりさせないといけない。前に強いFWがいないので、起点となる俊輔のところをうまく潰せれば相手の良さは消えると思う。最近のゲームは1点を取ってからの戦い方があまりよくないので、リードしてからの試合の進め方を考えながらやらないといけない。
【興梠 慎三】
モトさんがいるのでやりやすい。1トップといっても、2トップでモトさんと縦の関係になった感じなのであまり変わらない。自分が自由に動いて、そのギャップに誰かが入ってくるイメージ。みんなが僕に合わせてくれるのですごくやりやすい。前線でボールを失わないようにしたい。
【本山 雅志】
みんなが流動的に出来るので気を使わないでプレーすることが出来る。前を向ける選手が多くなるので、スピーディーな攻撃が出来ると思う。名古屋戦まで1つ1つ勝っていくしかないし、3連勝すれば差は縮まると思うので、横浜FM戦もしっかり勝って次につなげたい。
【伊野波 雅彦】
俊輔さんから攻撃が始まるチームなのでそこをケアしないといけない。新しいシステムも紅白戦である程度出来たと思うし、あとは攻撃から守備の切り替えの速さを意識できれば問題ないと思う。相手どうこうよりも先ずは自分たちのサッカーを取り戻すことが大切。
慎三のパフォーマンスがよかった。みんなが「決められない、決められない」って言っていたので決めてくれてよかった。慎三のパフォーマンスがよかったと思う。紅白戦の中で慎三のタイミングは分かっていたし、慎三のスピードを活かしたかった。(今季初スタメンは)みんながカバーしてくれたし、自信を持って試合に臨めた。もう落とせないのでしっかり勝って名古屋との直接対決をいい形で向かえたい。
【伊野波 雅彦】
慎三が点をとってくれたことが大きい。これでアイツの調子が戻ってくれればいいと思う。PKを外した時はどうなることかと思ったがチャンスは来ると思っていたし、チームとしては2点目を取れたことが大きかった。
【曽ヶ端 準】
フォーメーションが変わったので、ディフェンス時のバランスに気をつけた。前半はすごくよかったと思う。昨日の試合で名古屋が勝ったのでウチとしては勝つしかなかったし、名古屋が取りこぼしてもウチは勝ち続けるしかないので気にしていなかった。相手にはいいキッカーがいたけれども、みんなが集中して跳ね返してくれたと思う。
【遠藤 康】
最近は試合に出られていなかったので自分にとってはチャンスだった。点を決めないといけなかった。
【中田 浩二】
最初はバタバタしたけれども、相手がボールサイドに偏っていたし、ウチがサイドチェンジを使えるようになって攻撃がフィットしてきた。1点目もジウトンからのボールだったし、サイドを上手く使えたと思う。こういう試合に勝ち切るのはチームとして勢いが出る。勝点3以上の価値がある勝利だった。
※興梠選手、野沢選手、新井場選手の試合後コメントはアントラーズモバイルをご覧ください。