
試合終了まで残り10秒というところで喫した失点により、鹿島は勝点2を失う結果となった。絶対に勝たなければならない最下位相手のアウェイゲームを1-1の痛み分けに終わったことで、リーグ4連覇までの道のりはさらに厳しいものとなってしまった。

累積警告で新井場、伊野波が出場停止ということで最終ラインにこれがリーグデビュー戦となる當間、そして2009年11月21日の京都戦以来のリーグ戦先発出場となる大岩が入った鹿島だったが、序盤から落ち着かないシーンが目立った。7分、マルキーニョスが相手との接触プレーで倒れ込み、嫌な空気が一瞬、ピッチを支配する。

しかしマルキーニョスはその2分後にピッチへ戻り、ファーストタッチで先制点を決める。9分、ジウトンのロングスローからこぼれ球を見事な左足ボレーでゴールに叩き込んだ。


このあっという間の先制点で勢いに乗るかと思われた鹿島だったが、全体的な守備のバランスが悪く、湘南に再三ゴールを狙われる。中盤でのプレッシングもあまく、25分過ぎから阿部、ハンと立て続けに強烈なミドルシュートを食らうシーンは今までの鹿島にはあまり見られないものだった。これらのピンチは守護神曽ヶ端のナイスセーブで事なきを得たが、チーム全体の不調を象徴するような場面だったと言えよう。さらに38分にはカウンターから新居に決定的なチャンスを与えてしまう。だがこれも思い切り良く飛び出た曽ヶ端がビッグセーブを見せ、失点を免れた。

一方、追加点が欲しい攻撃陣だったが、ピリっとしない時間体が続く。その中でも最大の好機は43分、野沢のクロスからの混戦でフリーとなった興梠が放ったボレーシュートだった。しかしこれは惜しくもクロスバーの上と結局、前半はこのまま1-0で終了した。

後半に入り、徐々にエンジンがかかってきた鹿島はマルキーニョス、興梠が中心となり、湘南ゴールに襲いかかった。しかし57分にフェリペ ガブリエルが放った決定的なシュートをゴールラインに立った相手DFにはじき返されるなど、なかなか追加点を取ることはできない。

鹿島がもたついている間に今度はホームの湘南が息を吹き返す。自分たちのお株を奪うかのような湘南のカウンター攻撃に苦しめられ、相手シュートの精度のなさに救われたシーンが目立った。

それでも何とか同点ゴールを許さないまま、試合終了に持ち込もうとする鹿島だったが90分、大岩が相手選手と交錯し、頭を強く打ち、ピッチ外へ出される。そして4分のアディショナルタイムも残り1分を切ったところ、朦朧とする頭を押さえながらピッチへ戻ってきた大岩が見たものは、終了まで後10秒という時間帯で奪われたまさかの同点ゴールだった。鹿島ゴール前に島村が放り込んできたロングボールを処理する際、岩政と途中交代の青木がかぶってしまい、こぼれ球がゴール左前でフリーとなった阿部に渡ってしまう。ここまで好セーブでチームを救ってきた曽ヶ端が慌てて距離を詰めるが、万事休す。首位名古屋に食らいつくためにも是が非でも欲しかった勝利が残り10秒というところで消えてしまった。

試合終了のホイッスルを聞きながら、呆然とたたずむ選手たちと余りにも痛すぎるドローという結末にあっけを取られるサポーター。奇跡のリーグ4連覇を目指す鹿島にとって、残り8試合は王者のプライドを回復するための長い道のりとなるだろう。



・セットプレーを大切にし、確実にチャンスを作れ
・最後まで集中していこう
・攻撃の形は出来ている。最後の精度をあげること
自分にとってはチャンスだと思うし、チームにとっては絶対に負けられない試合になる。先輩たちからは「お前のやりたいようにやればいい」と言ってくれるので無難にやらろうとせずに積極的にプレー出来ればいいと思う。
【小笠原 満男】
累積警告で出場停止になる選手もいるけれど、それはチームにとってピンチじゃなくてチャンス。當間も新人じゃないし、いつも通りやってくれれば問題ないと思うので楽しみ。
【曽ヶ端 準】
當間とは天皇杯のアルテ高崎戦でも一緒にプレーしているし、全く問題はない。當間は攻撃の良さを出してくれる選手なので伸び伸びプレーして欲しい。チームとしては、先を見ても仕方がないのでひとつひとつ目の前の試合を勝つしかない。
【岩政 大樹】
監督が反町さんなので、いろんなことを考えてくると思う。ガチガチに守ってくるだろうとか先入観を持たないで試合に入らないといけない。當間とはこれまでも一緒にやったこともあるし、全く問題はないと思う。
【中田 浩二】
湘南は、田原とエメルソンなど前線に個人で強い選手がいるチーム。点を取られてもしっかりと取っているチームだし、カウンターを狙ってくると思うのでそこを気をつけたい。最下位のチームとかは関係ないし、ここからは全ての試合で勝点3が必要になってくるのでそういう意識で試合に入りたい。
(天皇杯では出場していたが)リーグ戦はまた全然違った。試合前には緊張していたが短い時間でリズムに乗ることが出来たと思う。こっちのセットプレーからカウンターを食らい、自陣に戻れなくなったシーンが多くなってしまった。味方が欲しいタイミングでボールを出すことが出来た部分はよかったところだと思うが、守備面や攻撃の上がるタイミングなど課題がたくさん残る試合だった。
【宮崎 智彦】
(途中出場について)左の中盤に入って、相手の右サイドをジウトンと連携して止めろという指示だった。もったいない試合になってしまった。試合後のロッカールームは、次に向かってしっかり切り替えようという感じだった。
【岩政 大樹】
自分たちが勝つべきに値した戦いをしたとは思っていない。引き分けが妥当な試合だった。球際では負けていたし、ピッチで戦っていてウチが優勝したいという気持ちよりも相手が残留したいという気持ちの方が強く感じられた。とても残念。今は名古屋との勝点差を気にするよりも僕たちのチーム状態に目を向けるべきだと思う。1試合1試合にかける気持ちや絶対に勝たないといけないという気持ちが僕を含めてまだまだ足りない。清水戦のような強い気持ちを34試合通して見せないと優勝できない。
【興梠 慎三】
2点目を決めないとこういう試合内容になってしまう。本当に残念です。
【中田 浩二】
もったいない試合だった。向こうが前から来てこっちが繋ごうとして潰されてしまった。ミスが多かった。1点取って、多少緩みが出たのかもしれない。2点目を取れれば、決まっていた試合。自滅ですね。