
圧倒的に試合を有利に進めながら80分に先制される苦しい展開となったが、試合終了直前に交代出場でピッチに立った本山が見事な同点弾を決め、1-1のドローに終わった。これで8月は未勝利、首位名古屋とは勝点差7と苦難の夏が終わった。


序盤、両チームともに中盤での激しいチェックからつぶし合いが多く見られる。その中でも相手選手に激しいチャージを見せたのが、前節のC大阪戦でも先発出場を果たした青木だった。過密日程の疲労からか小笠原、野沢らの運動量が軒並み落ちる中、ここまでベンチスタートが多かった青木は今までの時間を埋めるかのように相手ボールを追いかけ回し、浦和に攻撃のチャンスを作らせなかった。

攻撃面では42分には青木のボール奪取からマルキーニョスがそのまま豪快なミドルシュートを放つなど、セットプレーやミドルシュートで活路を見出そうとした鹿島だったが、結局、前半45分を戦い0-0のまま、試合を折り返した。


後半に入ると、流れは鹿島に傾く。55分には伊野波がここ最近良く見せるオーバーラップからドリブルで駆け上がり、右サイドを走るマルキーニョスへラストパスを送る。ここからマルキーニョスがゴールにはならなかったが豪快なシュートを放ち、そしてその2分後には興梠がペナルティーエリア内で倒され、PKを得る。これで先制点は決定的だと思われたが、マルキーニョスの蹴ったボールはGK山岸に止められた。

先制点のチャンスを逸した鹿島だったが、その後も小笠原、マルキーニョスが次々と惜しいシュートを放つ。鹿島の優位は崩れないと思われたがチャンスを決めきれず、逆に80分にカウンターからポンテに技ありの一発を決められる。

残り時間僅か10分と非常に厳しい状況となった鹿島だったが、その直後からフェリペに代わりピッチに立った本山や小笠原が中心となり、最後まで諦めずにボールを前に進める。そしてアディショナルタイムも5分に入った試合終了直前、新井場のスローインから岩政がつなげ、最後は本山が狙い済ましたシュートで意地の同点ゴールを決める。勝利を目前としながらも守りきれなかった浦和イレブンが次々とピッチへ崩れ落ちるのを尻目に盛り上がる鹿島はそのまま、試合終了のホイッスルを聞き、何とか1-1のドローでこの死闘を戦い終えた。


結局、苦手の8月を2000年以来となる未勝利に終わった鹿島。首位名古屋に勝点7の差を広げられ、リーグ四連覇に向けて厳しい後半戦と言わざるを得ないが、試合後の本山が「次につなげないといけない勝点1」と言ったように9月からの挽回を十分に期待させる内容の試合だったことは間違いない。戦いは、まだまだこれからだ。



・サイドのスペースを使って攻撃を組み立てよう。
・慌てずにゲームを進めること。
最近の中では内容が良かった。自分の仕事も少なかったので、チームとして良かった手応えはあったし、先制されて最後に同点に追いついたことは良かった。ただ、内容的には勝点3が欲しかった試合だった。
【興梠 慎三】
浦和の決定機はほぼゴールのシーンだけだったと思うし、勝てなくて悔しい。ここ何試合かに比べたら内容は良くなったが、勝たないといけない試合。これからまたやらなければならない。
【青木 剛】
勝点3取れなかったのが、悔しい。最近は追いつかれる試合が多かったので、追いついたということは良かったと思う。前半はポンテが起点になることが分かっていたのでそこをうまくつぶせたが、後半カウンターでやられたのが悔しい。
【野沢 拓也】
ウチは勝点1のチームじゃない。負けているようなものだし、悔しい。とにかくシュートまで持ち込まないと勝てない。相手のプレッシャーもなかった分、悔しい。
【本山 雅志】
(同点シーンは)監督が試合前に言っていたポイントだし、横からのボールだとあそこが空くと言っていたエリア。ボランチのポジションに入っていたので、あそこに詰めようとしたのは良かった。入る前から見ていて、いい試合だし、決勝のような緊迫感があったと思う。負けていたのでゴールやアシストを意識して入った。追いついたことは良かったが、チームとしては勝ちに行った試合。勝点2を失ったことは悔しいし、反省する部分はしっかりと反省して次に臨みたい。