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 染野唯月にとって、プロ2年目は「苦しいシーズンだった」。1年を通して、「コンディションはまったく悪くなかった」というが、7月以降は出場機会が減少。悔しい思いを味わった。

 ただ、苦境に立たされたことで、打たれ強さも養われた。「つらいなかでも、どのように戦っていくべきかを見直せた」と、精神的に逞しくなったことを明かす。「3年目は本当に勝負の年。たくさん試合に出て、ゴールを決めないと」。そんな並々ならぬ覚悟で2022シーズンに臨んだ。

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 しかし、今シーズンもFWのポジション争いは激しい。2トップには、優磨と上田がダブルエースとして君臨している。

「ルヴァンカップでは、3試合で得点を決められた。ただ、出場時間を増やせていない現状がある。もっともっといっぱい、綺世くんとか優磨くんに負けずに、シーズンを通して、試合に出れる時間を増やして、最終的にはスタメンというところを勝ち取りたい」

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 2人はまだまだ高い壁としてそびえ立つ。ただ、彼らは出場機会を争うライバルであると同時に、最高の手本となる存在だ。

 本人も「優磨くんみたいに『自分が自分が』っていうところは、あまりないけれど、もっと自分が積極的にプレーして、どんどんシュートしていければ、チームからの信頼も勝ち取れるのかなと思うし、見習いたい」と、優磨について語り、上田に関しては「守備を求められている中で、攻撃のチャンスを見つけて、その一瞬を狙っていけたら、もっと得点が取れると思う。そういったところは、綺世くんがうまいので見習っていきたい」と話す。染野にとって、2人の先輩は大きな刺激を与えてくれる存在だ。

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「優磨くんと綺世くんは、2人ともチームがつらいときに、前線でボールを収めて、時間を作れる。そういった部分は見習っていきたい。ただ、自分にしかできないプレーもある。そこは積極的に見せていきたい」

 「周囲を活かすプレー」が得意と話す染野だが、2人を見て、自分にさらなる「貪欲さ」が必要だと感じた。ピッチ上で貪欲さを発揮できれば、自身の武器とする周囲を活かすプレーも、さらに活きてくるからだ。

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「点を取って、自分の価値が出てくるので、常にゴールを狙っていく。チームとして戦う中で、自分の武器を出して、勝利に貢献したい」

 ポテンシャルの高さは誰もが認めるところ。染野唯月の才能が開花したとき、アントラーズはまた新たな武器を手に入れる。

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