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 2020シーズン、エヴェラウドは加入1年目ながら素晴らしい活躍をみせた。圧倒的なパワーで相手DFをなぎ倒してゴールを奪えば、守備でも献身的にボールを追いかけ、相手にプレッシャーをかける。チームに欠かすことのできない絶対的なエースとして、リーグ戦では得点ランキング2位となる18ゴールを決めた。

 しかし、さらなる活躍が期待された加入2年目の昨季は、1年目と全く違った結果に終わった。YBCルヴァンカップでは3ゴールを決める活躍を見せたが、リーグ戦ではわずかに1ゴールのみ。フットボールと真摯に向き合い、懸命に努力を続けたものの、思うようにコンディションが上がらず、我慢の時を過ごした。本人も「2021年はいろいろな出来事があって、非常に不甲斐ないシーズンだった。自分自身も苦しかったし、納得できない1年となってしまった」と悔しそうに振り返った。

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 そして、加入3年目の今シーズン。FW陣にはベルギーから復帰した鈴木優磨が加わった。さらに、昨季チーム最多の14得点を決めた上田綺世、抜群のポテンシャルを秘める染野唯月が日進月歩の成長を見せている。一昨季の絶対的エースも、激しいポジション争いに身を置くことになった。

 ただ、それでもエヴェラウドは今シーズンもアントラーズでプレーすることを選択した。エースの座を奪い返し、必ずまたカシマスタジアムを沸騰させたい。そんな覚悟の現れだった。

「昨シーズンは不甲斐ないパフォーマンスだった。それでも、温かく応援してくれたファン・サポーターの皆さんには本当に感謝しているし、今シーズンこそ、皆さんの期待に応えたい。そのために、自分はしっかり準備している。まずはチームの勝利に貢献して、タイトルを獲得したい」

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 苦しみのなかでも温かく応援してくれたアントラーズファミリーの存在は、エヴェラウドにとって大きな支えとなった。だから、その思いに応えたい。「皆さんの期待に応えるためにも、僕はアントラーズで、このJリーグで、歴史をつくりたい」と、繰り返し語る。

 その強い決意は、プレシーズンから強く感じられた。持ち前のフィジカルを活かしたプレーでチームの士気を高め、常に攻守両面で献身的に戦った。エヴェラウドのプレーにチームメートが感嘆の声をあげる場面が何度もあった。本人も手応えを次のように語る。

「自分は特にパワーが必要な選手なので、パワー系のトレーニングを重点的に行った。それに加えて、今シーズンからはパワーの使い方の上達にも取り組んでいる。コンディションが戻ってきているし、自信が深まっているので、公式戦が待ち遠しい」

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 彼の実力を疑う者は誰一人としていない。背番号9の完全復活を誰もが信じている。きっかけさえ掴めば、2年前のように必ずゴールを量産してくれるはずだ。

「ファン・サポーターの皆さんには、本当に温かく迎え入れてもらったので、一生懸命にピッチで戦い続けて、チームに良い結果をもたらしたい。それが恩返しになると思う。サポーターの皆さんのことも代表して、胸についているエンブレムに誇りをもって戦わないといけない。皆さんの思いを常に背負いながら、ピッチに立つ」

 エヴェラウドが完全復活を果たしたとき、チームはまた一つ大きな武器を手に入れる。まずは復活の第一歩として。YBCルヴァンカップのC大阪戦、背番号9がカシマで貪欲にゴールを狙う。

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