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 今季でプロ4年目を迎えた関川郁万は、リーグ戦でここまでチーム6番目の出場時間を記録している。コンスタントに出場を続け、出場試合数はすでにキャリアハイを更新した。

 しかし、そんな飛躍のシーズンでも彼に満足するそぶりは一切ない。むしろ、「試合に出続けるからの難しさを感じる」と語り、さらなる成長の必要性を強く感じているようだった。

「これまで継続して試合に出続けたことがなかった。だから、試合と試合の合間に自分のプレーを振り返り、頭の中を整理する時間があったし、次に出るときには自信をもってプレーできた。でも、今年は連戦の中でも、コンスタントに試合に出してもらって、前の試合の課題を振り返ったり、改善する時間がないまま、次から次へと試合に出る感覚を味わった。改善できている感覚があれば、自信をもってプレーできるけれど、その感覚がないままプレーする難しさも感じた」

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 ただ、目まぐるしく変化する景色のなかで、自身が成長している実感もある。同じピッチのうえで、尊敬する先輩たちの姿勢や気迫を感じ、プレーを見て学び、自分の経験値として積み重ねることができた。

 そして、継続して試合に出場するようになったことで、勝敗への責任感をより強く感じるようになった。「勝たなくてはいけない。負けも引き分けも許されない。鹿島アントラーズというクラブは勝利しか求められていない」。彼が話す一つひとつの言葉からも、精神的な成長がうかがえた。

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 しかし、だからこそ、このところ勝ち切れない試合が続いていることに、大きな責任を感じている。たとえ、成長過程にいるチームだとしても、求められるのは勝利のみだと言い切った。

「ホームでもアウェイでも、たくさんの人が来てくれるなかで、勝ちきれないことは申し訳ないと思っている。新しいことにチャレンジしていることは事実だが、見守ってほしいとは思わない。ファン・サポーターの皆さんが後押しをしてくれていることを感じているなかで、勝ちきれないのは自分たちのせい。申し訳ない気持ちになる。勝利を届けられないことは、僕たち自身も苦しいし、結果が出ていないと相手にもなめられてしまうと思う」

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 主力選手の一人にまで成長を遂げたが、ここで満足することはできない。次は苦しいときにチームを勝利へ導けるような存在へ。真の「アントラーズのCB」になるためには、さらなる成長が必要だと自覚している。

「関川郁万という選手にとって、2022年はすごくいいシーズンになっていると感じる。だからこそ、僕だけでなくアントラーズにとっても、いいシーズンだったと最後に感じられるようにしないといけない。だから、シーズン終盤はずっと試合に出続けて、毎試合チームの勝利に貢献して、何としてでもタイトルをつかみ取りたい。それが実現できたときに、ファン・サポーターの皆さんに対して、チームメートのみんなに対して、アントラーズの歴代CBの皆さんに対して、『アントラーズのCBとしてタイトル獲得に貢献した』と初めて胸を張ることができると思う」

 真のアントラーズのCBになるために、まずは目の前の一戦で勝利を。関川郁万は全身全霊をかけてアントラーズを勝利へ導く。

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