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 今シーズン、和泉竜司がまた新たな境地を開拓した。最初は「戸惑いもあった」という中盤センターでの起用だが、さすがのフットボールIQですぐに適応。卓越した足元の技術に加え、豊富な運動量と献身性を遺憾なく発揮し、チームに大きく貢献している。本人も今季ここまでを振り返って、次のように手応えを語った。

「今シーズンの最初、試合になかなか出場できない中で、レネ監督が来て、使ってもらえるようになった。(その悔しさがあった分)自分の中で結果を出したいという気持ちは強いし、チームの勝利のためにプレーしたいという思いがある。今年でアントラーズ3年目。この2年間は、なかなかいい結果を出せなかった。タイトル獲得へ向けて、今年は本当に懸ける思いがある。しっかりと毎試合、『チームのために』という思いでプレーできている」

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 どんな監督にも信頼され、常に試合に出場し続けてきた。それは彼の持つクレバーさが大きく関わっているのだろう。自分を客観視することで、監督から求められることを理解し、それをピッチで体現する。その理解力と実行力は、和泉の大きな武器の一つといえる。

「試合に出るためには、監督から求められていること、チームから求められていることをやることが大事になる。レネ監督からは就任当初から、スプリントを増やすこと、チームメートとコミュニケーションを取ることが求められていた。すぐにでも改善できることだったので、そこに取り組んでいった」

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 客観的に自分を見る力。これがあるから、彼は不動の立場を築いたように思える今も、一切の慢心はない。タイトル獲得に向けて、もっともっと、自分自身のプレーを向上させていかなければいけないと語る。

「これからもやることは変わらないけれど、その精度や質、量を上げることが必要。あとは、今、2トップがすごく点を取れているけれど、サイドの選手やボランチの僕ら、他の選手たちが、どんどん得点を取ることができれば、もっと相手からしたら怖いチームになると思う。そこは僕、個人としての課題でもある。チームとしても、他の選手がゴールを奪えれば、もっともっと強く、怖いチームになれると思う」

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 これまでも常に自分と向き合い、課題を克服し、戦い続けることで道を切り開いてきた。「自分にとって一番厳しい環境を選択してきた」と、その自負も語る。これからもその姿勢は変わることがないだろう。

「タイトルを獲ること、このクラブでタイトルを獲って自分の名前を残すことがやっぱり一番大事。そうじゃないと、このクラブにいる意味はない。ジーコさんは、常にそう言っていた。そういう意味でも、やっぱり、このクラブでタイトルを獲りたい。そのために、本当に一戦一戦、気を引き締めてやっていく」

 タイトル獲得への揺るぎない覚悟を胸に。和泉竜司はアントラーズの勝利のために献身を尽くす。

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