PREVIEW

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 直近のルヴァンカップ大分戦は、樋口、優磨、カイキのゴールで3-0と勝利した。この結果、Aグループの2位以上が確定。プレーオフステージへの進出を決めた。

 ただ、試合後のピッチで全員が晴れやかな表情を見せたわけではなかった。チーム内の競争が加熱するなか、自身の納得できるパフォーマンスを見せられなかった選手は悔しさを滲ませる。レネ監督は今のチーム状態について、次のように語る。

「フィールドプレーヤーは27人いる。試合に出ることができるのは11人で、それ以外の選手がいい気持ちでないのは毎回のこと。若手選手であっても、自分のやるべきことができなければ悔しいのは当たり前。試合に絡んだり、絡まなかったりがあるなかで、悔しさがあるのは、勝負の世界において、一人の人間として、当たり前のこと。この世界では下を向いている時間はない。すぐに次に向かって取り組まないといけない。僕はそういう考えなので、選手たちも同じ考えで取り組み続けなければいけないと思っている」

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 厳しい勝負の世界で生き残るためには、力強く突き進まなくてはならない。ただ、レネ監督は各選手に成長と競争を促しながら、チームとしての一体感も大切にしている。

「フットボールはチームスポーツで、一人ひとりの選手には長所もあれば短所もある。それをお互いパズルのように補い合いながら一つのピースになる。その意味で、全員が良い意味でお互いに刺激し合うことで、チームとして成り立たせたい」

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 若手選手に強い向上心を求める一方、短期的な結果を強く求めることはしない。選手一人ひとりに個性があり、成長スピードも異なる。だからこそ、長期的な目線で成長を促していきたい。レネ監督は指導者としての矜持をそこに覗かせた。

「すぐに吸収して自分のものにすることで成長していく選手もいれば、それを実行するまでに時間がかかる選手もいる。いろいろなタイプの選手がいるし、それぞれがうまく成長して、進化していけばいい。それがチーム全体として出来ていれば、いい方向にいくわけで、僕自身はそういったことが全体として出来ていると見ている。ただ、進化というのはスプリントのように短期のものではなく、マラソンのように長期のもので、忍耐強く考えないといけないことだと思っている」

 長期的な視野を持ちながらも、目の前の試合の準備に全力を尽くし、勝利を目指す。そのバランスがうまく取れているからこそ、ここまで「勝ちながら成長する」ことが実現できているのだろう。

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 ただ、ここまでは順調に歩みを進めてきたが、我々はまだ何も成し遂げてはいない。レネ監督も「しっかりと目の前の試合で、自分たちのやるべきことをしっかりとやる。その先に勝利がある。やるべきことをやっていくことによって、自ずとわれわれの進路が見えてくると思っている」と、常に選手たちの気を引き締める。不必要な情報を入れることなく、試合に臨むだけだ。

 次はリーグ戦通算1,000試合目のメモリアルゲーム。ただ、特別な意識をすることはない。目標はいつもと変わらぬ、勝ち点3。アウェイ大阪の地へ乗り込み、ただ勝利のためだけに戦う。

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