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 2021年、ディエゴ ピトゥカはシーズン途中加入ながら、すぐにチームにフィットし、獅子奮迅の活躍を見せた。卓越したゲームメーク、局面を切り裂くドリブル突破、正確なパスコントロール、どれをとっても一級品だ。周囲からの評価も非常に高く、誰が見ても充実した1年を過ごしているように見えた。

 しかし、当の本人は自身のパフォーマンスに全く満足していなかった。むしろ、「昨シーズンは新型コロナウイルス感染症の影響で来日が遅れて、キャンプに参加できず、開幕前の準備が思うように進まなかったことで、終盤戦で肉体面や体力面に影響が出たと感じる場面があった」と、悔しさを滲ませていた。自身が思い描く『ディエゴ ピトゥカ、本来の姿』は、もっともっと高いレベルにある。

「僕の心の中にあるのは、『アントラーズの一員としてプレーしたい』、『アントラーズの選手であり続けたい』という思いだけではない。『ディエゴ ピトゥカの名をアントラーズに刻みたい』、『アントラーズで新たな歴史を作りたい』という非常に強い気持ちを持ち続けている。今シーズンこそは結果を残し、この目標を達成することができるように、努力していくつもり。もちろん、個人的な目標達成を目指すだけでなく、チームメートをサポートしながら、アントラーズが掲げるタイトル奪還にも挑んでいく。個人として、チームとして、それぞれの目標が自分にとって大きなモチベーションとなっている」

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 貪欲な成長意欲と高いプロ意識は、チームメートにとって最高の手本であり、大きな刺激となる存在だ。

 信頼を得た昨シーズンを経て、今シーズンからピトゥカは副キャプテンを託された。まだ来日2年目で、日本語を使ってのコミュニケーションは難しい部分はある。ただ、それに余りあるほどの『アントラーズらしい』メンタリティの持ち主だ。彼の振る舞いやプレーは、自然とチームを正しい方向へ導いた。

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「副キャプテンの就任に関しては、クラブから打診を受けたときには正直びっくりした。ただ、そのような大事な役割を与えてもらえたのは、自分がピッチで示してきたプレーや振る舞いが評価された結果だと思うと、驚きは徐々に喜びへ変わっていった。常に諦めることなく、チームのため、クラブのために戦う姿勢を示し続けたことが、フロント陣やチームメートからの信頼につながったのだと思う。もっとも、副キャプテンであろうが、そうでなかろうが、この先も自分自身のスタンスは変わらない。これからもやるべきことをやり続けていくつもり」

 本人の言葉通り、ピトゥカは今シーズンも淡々とやるべきことをやる。真剣にトレーニングに取り組み、コンディショニングも一切の妥協を許さない。その成果はここまで公式戦全4試合で先発フル出場し、どの試合でも献身的に走って、球際で戦っていることを見れば明らかだ。

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 そんな頼れる副キャプテンは、ことあるごとに「ファン・サポーターの皆さんと、ともに戦いたい」と語る。彼の重要なモチベーションの一つは「サポーターに歓喜や感動を届ける」こと。その目的を達成するためには、「全身全霊をかけて戦いたい」と語る。

「断言するが、自分は皆さんと喜びを分かち合うために全力で戦う。そして、その積み重ねによって、優勝を成し遂げたい。これが何よりの目標。その過程で、得点やアシストをマークするのはもちろん、自分なりの表現方法でチームに貢献していく。その一つひとつを勝利へ繋げていきたい」

 彼の情熱的な言葉からは勝利への決意がひしひしと伝わってくる。神戸戦でもディエゴ ピトゥカは全身全霊をかけて、アントラーズの勝利のために戦ってくれるだろう。

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