プレシーズンマッチの水戸戦は、0-1という悔しい結果に終わった。ただ、試合後に岩政大樹コーチが「勝利できなかったということがプロの選手としてはすべてだが、個人的には開幕前にさまざまな情報を得ることができた。有意義な時間だった」と語ったとおり、課題以上に多くの収穫が見つかった一戦と言える。

　チームは始動からここまで常に明るく良い雰囲気に包まれ、充実の準備を進めることができた。そのため、水戸戦は望みどおりの結果ではなかったものの、これでチームに新たな刺激が加わり、さらにエネルギーを持って開幕戦に臨むことができる。選手たちも「開幕までの準備期間で修正するポイントが明確になった」とポジティブに捉えていた。


　そんな開幕直前のテストマッチを終え、いよいよガンバ大阪との開幕戦に臨む。対戦相手のG大阪は今季から片野坂知宏監督を招へい。矢島慎也や井手口陽介らはクラブを離れたが、齊藤未月や石毛秀樹、福岡将太といった実力者の獲得に成功した。昨季はアクシデントもあって13位に低迷したが、各ポジションに豊富なタレントが在籍しており、片野坂監督が目指すスタイルを体現できる陣容は揃っている。最大限のリスペクトを払い、警戒すべきチームだ。

　ただ、我々も開幕に向けて、チームの完成度は高まっている。フットボールの基本となる球際や切り替えの部分で戦うことに加え、これまで取り組んできた戦術的な要素をピッチ上で表現すれば、必ず勝利できるはずだ。選手全員がいまのフットボールに伸びしろを感じているからこそ、しっかりと開幕戦から結果を出し、自信につなげることが求められる。

　今年こそタイトルを奪還するために。アントラーズファミリー全員でともに戦い、アウェイで必ず開幕戦の勝利を掴み取ろう。