G大阪との開幕戦は、上田綺世の2ゴールと鈴木優磨の復帰後初ゴールで、3-1と勝利した。たった1勝だが、されど1勝。この結果はとてつもなく大きい意味を持つ。
試合後に岩政大樹コーチが「安堵があった。今日はよく眠れる」、優磨が「始まるまでは、正直不安の方が大きかった」と話した。2016年以来、実に6年ぶりとなる開幕戦の勝利。ここまでの取り組みが、結果になって現れた。三竿健斗も今季のチームについて、次のように語る。
「現時点でのチーム力や完成度は、間違いなく川崎フロンターレが一番だと思う。ただ、僕たちはすごく若いチームで可能性がたくさん秘められている。だから、『どのチームより速い成長スピードで追いついて、追い越そう』、そのために『日ごろからどんどん自分の考えやプレーをアップデートしよう』ということは大樹さんから伝えられている。それはすごく納得できたし、シーズンが始まって試合を経験するごとに、どんどん成長していけるような集団になれば、自分たちが目標としているタイトルも近づいてくる」
新たなコーチングスタッフのもと、まだ変革は始まったばかり。選手たちも、総じて若い。川崎Fと比べれば、経験値や完成度の面で成長過程にいるかもしれない。ただ、今の若いチームには勢いがあり、伸びしろがある。
だからこそ、ともに戦ってほしい。カシマスタジアムに集結する背番号12の存在は、チームの結束を何倍も強くする。アントラーズファミリーの情熱に包まれた選手たちは、圧倒的な心理的アドバンテージを得て、勇躍する。フットボールはメンタルが重要なスポーツだ。理屈を情熱が凌駕する場面は必ず訪れる。たとえ声が出せない状況でも、感情や熱量は絶対にピッチへ伝わる。G大阪戦で得た自信を確信に変えるためにも、スタジアムに詰めかけるサポーターの力強い応援が必要だ。
カシマスタジアムに集う全員の気持ちが強ければ、どんな相手だろうが、必ず勝利できるはず。己と仲間を信じ、力強く勝利を掴み取ろう。アントラーズを愛する者の心はひとつ。全員でともに戦い、聖地で歓喜を分かち合おう。