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 犬飼智也は2020シーズンを振り返り、「このスタイルは面白いし、何より魅力的だと思う」と語った。表情を見れば、充実していたことがわかる。

 昨季は序盤こそ苦しんだが、ザーゴ監督の戦術が選手たちへ浸透し、チームとしての戦い方に幅が出てくると、結果もついてくるようになった。

「連戦、連戦で、あっという間に過ぎて覚えている試合が少ないけれど、7連勝した時期はチームとして一段階、二段階上がったと思う。あの連勝があったから、シーズン終盤も自信を持って戦うことができた」

 エヴェラウドのゴール量産や若手選手の台頭など、上昇の要因はいくつも思い浮かぶ。ただ、そのなかでも光っていたのは、犬飼の存在感だった。ビルドアップでは効果的な縦パスを入れ、自らドリブルで相手陣内まで持ち運ぶ。守っては体を張り、数的不利であっても防ぎ切る。ザーゴ監督の戦術を体現するキーマンとなった。

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「リスクを背負って攻撃も守備もしているという背景もあるけれど、そこで守るのが僕らの仕事。そして、そこさえ克服できれば、タイトルが獲れるチームだと思っている」

 どんな局面でも数的有利を保つことが理想的だ。だが、アグレッシブなプレーを続けていれば、不測のミスや不運な形でピンチを招くこともある。そんな数的同数、数的不利の状況で、いかにゴールを守り切れるか。犬飼にはそんなピンチを守り切る気概と覚悟がある。

「ザーゴ監督のフットボールはやっていて楽しいし、面白い。だからこそ、もっと勝たなければいけない。今季の目標はリーグタイトルを獲ること。個人としては、怪我なくフルシーズン戦うこと、あとは1試合平均1失点以下に抑えること」

 アントラーズに加入して4シーズン目、幾多もの困難に立ち向かい、乗り越えてきた。その姿は以前と見違えるほど逞しい。いまや誰も認める中心選手だ。

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「立場も変化したし、年齢も重ねて、支えてもらう側ではなく、支える側にならないといけない。アントラーズが勝つために、プレーでも、行動でも、自分が引っ張っていきたい」

 チームを牽引し、優勝に導く。アントラーズのディフェンスリーダーとしての誇りを胸に、犬飼智也は勝利のために戦う。

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