前節の広島戦はアウェイで4-1と快勝した。来季のACL出場権獲得に向け、非常に大きな勝ち点3だ。
天皇杯に敗退したことで、広島戦への準備は精神的に非常に難しい調整となったが、相馬監督は選手たちに改めて「立ち上がりを大事にする」ことを求め、チーム全員で一つの方向を向いた。その結果、広島戦では前線からのプレスで早い時間帯に先制点を奪い、試合の流れを引き寄せることができた。準備期間で意識的に取り組んだことが、勝利につながったことは、チームにとって大きな自信となる。
また、選手個人のパフォーマンスに目を向けても、非常に収穫の多い試合だった。カイキは2試合連続ゴールで好調を維持すると、荒木はクラブ史上初となる10代でのリーグ戦年間2桁得点をPKで達成した。そして、最終ラインでは、町田が圧巻の対人守備で度重なるピンチを救い、常本はスーパーゴールで貴重な2点目をマーク。さらに、今季リーグ戦初出場となったスンテや、短い時間ながら最後の難しい時間帯でピッチに立った永木も、ベテランらしく安定感のあるプレーでチームに落ち着きをもたらした。各選手の長所がチームとしてうまく機能した一戦だった。
そんなチームとしても、個人としても手応えを得て臨む次の試合は、来季のACL出場権獲得を争うライバルとの直接対決だ。対戦相手の浦和は、アントラーズと同じ勝ち点「59」で並んでおり、勝敗は最終順位に大きく影響する。そして、今季前半戦の対戦では、1-2とアウェイで苦杯を嘗めた。今回の対戦では意地とプライドにかけて、絶対に勝利を掴み取らなければいけない。
カシマスタジアムには多くのアントラーズファミリーが駆けつけてくれるはずだ。きっとその愛に溢れる存在が、選手たちへ揺るぎない自信を与えてくれるだろう。聖地に集う全員の気持ちを共鳴させ、力強く勝利を掴み取ろう。